 |
|
| 公開収録の後半も盛り上がりました! |
浜島さんから今年のF1の見どころを聞いてきた![後編] byピストン西沢
ピストン西沢
こんにちは。ピストン西沢です。
前編に引き続き、東京オートサロンのブリヂストンブースで行った、「ブリヂストン・オートモービルレディオ」の公開収録の中から、ぜひF1ファンに聞いてもらいたい貴重な話題をピックアップしてお届けします。
話題はブリヂストンがF1に参戦してからの歴史へ移ります。
◆
西沢 「浜島さんは『ブリヂストンのF1の歴史』をすべて知ってらっしゃるというか、一緒に共に歩んで来た方なんですが、今のところ今年でブリヂストンはF1参戦に関する契約終了という発表をしてますよね、もう何年になりますか?」
浜島 「14年目?」
西沢 「14年間を振り返ってみるとどんな思い出がありますか?」
浜島 「そうですねぇ、よくこんなにやってたな、と」
西沢 「最初の1年目(初期の1年目)の話をしてくださいよ。特につらかったことなんかを」
浜島 「1年目っていうのは、実は『1年前倒し』に始まっちゃったんですよ。本当は2年間テストして、98年から入る予定だったんですね。でも、その時の社長さんが気が短くて『1年間お前ら余分に遊ばせてるくらいなら、とっととレース始めろ』と!」
西沢 「勝っても負けてもいいから実験して来いと」
浜島 「そのほうが実験になるだろうと。で、97年からやる事になりまして。96年の末にその事務所とかタイヤのトレーラーとか、倉庫とか、タイヤ組んでくれる人とかを集めに行きました」
西沢 「あっ、日本人スタッフを連れて行くんじゃなくて?」
浜島 「やはり現地の人とやろうという」
西沢 「で、現地の人って簡単に集まるんですか?」
浜島 「81年の頃にやっていた『F2』の時の仲間がいて、その人達が手伝ってくれる事になったんで、上手く行きましたけど...第1戦の『オーストラリア』は3月ですけどあの時はまだ、ヨーロッパで使うトレーラーとか無かったんですよ」
西沢 「あっ、そんな段階で?」
浜島 「F1って最初はヨーロッパに行かないでしょ!っで、その間に準備すればいいという事で…。タイヤ組んだりする機材はイタリアからオーストラリアに直送、日本のエンジニアは日本から直行、イギリスのフィッターはロンドンから直行」
西沢 「その時に組んだチームはちょっと不安がっていませんでしたか?」
浜島 「だって、行ってないから分からないでしょ。だから、本当の第1戦は、月曜日から入って、荷物とかが着くのを待ってました。とっても心配でしたね、タイヤが届かないとレースできないですから」
土屋 「信用問題ですからね!」
浜島 「そうです、信用問題です」
西沢 「参戦当時は何チームに供給したんですか?」
浜島 「えっと?参戦当時とは?」
西沢 「一番最初のレースです」
浜島 「これ難しいんですけど…5チームだったんですけど、出走できないで
そのまま帰っちゃったチームが1チームあったんです」
西沢 「それで、4チームなったんですね。出走出来ないチームは、またそれはそれで、ドラマがあったんですか?」
浜島 「ドラマありましたね」
西沢 「いま考えると、笑い話ですか?」
浜島 「今だと、笑い話で済みますけど、可愛そうでしたよね。オーストラリアGPのガレージにちゃんと車も用意して、全部準備できてたけど、予選を通過できなくて退却されたんですけどね」
 |
|
| 1997年のハンガリーGPでは、アロウズのデーモン・ヒル選手があわや優勝の大活躍! |
西沢 「今考えると、そういうのいっぱい見たんですよね、きっと。1年目は挑戦のシーズンですけども、入賞したり、そこそこの成績をあげられましたよね」
浜島 「はい」
西沢 「で、そのシーズンオフですよね、トップチームとの契約が発表されました!」
<浜島 「そうですね!『マクラーレン』と『ベネトン』」
西沢 「その時のお気持ちはどうでしたか?」
浜島 「契約する前なんですけど、最初の頃は非常に成績が良かったんです。ところがプロストのオリビエ・パニス選手がケガしたりしてちょっと伸び悩んで、夏の第11戦 ハンガリーGPでデイモン・ヒルのアロウズ・ヤマハ選手が先頭を走るんです。で、それがあったから、契約できたかもしれないんですが、そのレースの後『ぷっつり』とどのチームも何も言ってこなくなった時期があって、このままのチームを抱えてても、来年から絶対に勝てないよなと思ってすごく心配してましたね」
西沢 「どうやって交渉しようかっていう?」
浜島 「そうですね」
西沢 「まっ、実績がないと交渉しようにも、テーブルが用意できませんもんね」
浜島 「はい。でマクラーレンと...」
西沢 「翌年は序盤戦から飛ばしに飛ばして、マクラーレンがチャンピオンを取りました!」
浜島 「前半良くて、中盤はやっぱり息切れしてですね、その頃のグッドイヤーを装着していたシューマッハ選手のフェラーリに随分追い上げられました。ただ、日本GPの前で我々が勝って、ここで何とか点数を『AHEAD』して、そして、日本GPに行ってですね、感動的にハッキネン選手が優勝してくれたんであの日は帰らないで飲みました!」
西沢 「ここで、ミカ・ハッキネン選手が2年連続でチャンピオン取ったあと、ライバルメーカーが撤退するにあたって遂に、シューマッハ選手がブリヂストン陣営に来るわけですよ。この時はどうでした?」
浜島 「そうですね...久々にミハエル・シューマッハ選手と一緒に仕事できるんで嬉しかったですし、それから、マクラーレンと仕事していたドイツGPの時に駐車場を間違えて、ホッケンハイムのグランドスタンドの裏に紛れ込んじゃった時があるんですね、そうしたら、メルセデスだし、マクラーレンでドイツ人は応援してるもんだと思って紛れ込んだらですね、ドイツ人の『真っ赤な軍団』に囲まれてですね、車の中をジーっと見られてですね...『あぁやっぱり、F1っていうのはあの赤いチームと仕事しないとダメ』って言うのを思い知らされていたんで、一緒にF1で勝負が出来ると思って嬉しい事でした」
西沢 「っで、シューマッハ選手って言う人は付き合ってみて『やり易い人』ですか?それとも『面倒くせぇょ』とか『細かいよ』っていう『大変な人』なんですか?」
浜島 「そうですね...全部当てはまります。勝つ為には『人の生活なんて考えない』人ですね(笑)」
西沢 「どういう事ですか?」
浜島 「タイヤの開発競争があったころって『レース』『テスト』『レース』『テスト』って言う感じで、レースが終ったら、次の週の水曜日から金曜日までテスト。そして、次の週の木曜日からレース!っで、前の週の金曜日に良いタイヤが出てくると『ハミー、このタイヤ作っておいでよ!』って言われちゃうんです」
土屋 「えっ?日本に帰ってタイヤを作ってこい!と?」
西沢 「『これが欲しいなぁ』って?」
浜島 「金曜日の夜って言うと、日本は真夜中なんです...既に工場は閉まってますから、会社の人が行きそうな店に電話して『すいません...会社に戻ってきて、タイヤ作って下さい』って言うのをやりましたね」
 |
|
| その活躍があったからこそ、翌年からトップチームとの契約に繋がったわけですな。 |
西沢 「あはは」
土屋 「えっ、じゃぁ小平の工場は夜中に作ってるの?」
浜島 「いや、もう仕事が終わってお酒呑んじゃってますから・・・。土曜日に集まれる様に声かけてもらって、集まったら作る計画を立ててもらうんです。そして、日曜日から作り始めてもらって次の週の水曜日にはヨーロッパにタイヤが到着!」
西沢 「じゃぁ、酔っぱらった時に作ったタイヤじゃないんですね?」
浜島 「違います!違います!酔っぱらって計画を立ててたかもしれないですど!(笑)」
西沢 「なるほどね!」
浜島 「っで、作ってもらったタイヤで多少『性能が悪くても』勝っちゃうんですよ。そうすると、断れないでしょ...」
西沢 「工場の人達は『シューマッハ選手のタイヤ作るぞ』って感じで喜んでたんですか?」
浜島 「いや、最初はやっぱり嫌がってたんですけど、毎回結果を出すんで、断れなくなって。っで、さらに、こういうのが何回か続いたので工場の人達は『金曜日は帰らない』という事にして『金・土・日』も働ける様にシフトを変更しました」
西沢 「ほうー。それでね、近年のF1についてなんですが『志』半ばくらいでの引退だったのでしょう、シューマッハ選手が引退。それ以降は『アロンソ』選手の時代が続き、そして『ハミルトン』選手や『ライコネン』選手『マッサ』選手とか群雄割拠ですよね。今年はどうなんでしょうか?」
浜島 「今年はまたレギュレーションが変わりますし、タイヤも変わるんで結構厳しい戦いになるんじゃないかと思いますけど」
西沢 「なるほど、ブリヂストンにとって区切りとなる年にふさわしいですよね!どんな所を見れば良いですか?」
浜島 「やっぱり、タイヤをどう上手に使うかとか、今年から「給油禁止」になりますからできるだけ第一スティントのタイヤ(スタートした時のタイヤ)を痛めないでどれだけ長くまで持たせられるか、これが勝負に大きく響くと思います」
西沢 「でもその後、タイヤマンとしてシューマッハ選手にお会いすることがある訳ですよね!なんと言って話しかけるつもりですか?」
浜島 「何て言いますかね...(苦笑)『頑張って下さい』しか言えないですかね」
西沢 「あははは。まぁ、長年ですねF1をやってきたブリヂストン、一応今年が最後ということを表明してますんで、長年応援してきた皆様も沢山いると思うので、そう言った方々に浜島さんから何かございませんか?」
浜島 「今年も一生懸命やりますので、ぜひぜひ応援して頂きたいなと思います」
* BRIDGESTONE AUTOMOBILE RADIO
J-WAVE,ZIP-FM毎週日曜日20:00〜
【出演】土屋圭市 ピストン西沢
好評オンエア中! (2010年3月現在)