―ドライタイヤ YKA(ソフトコンパウンド)について
33年ぶりに新しくなったCIK公認タイヤの最大のポイントは、「グリップが格段に向上した」というところではないかと思います。ブリヂストンのカートタイヤは、これまでも「周回を重ねても性能の変化が少ない」というのが特長でしたが、それに加えて今回の新タイヤは、コーナーにおける頼もしいグリップとレスポンス、立ち上がりのトラクション性能を身につけています。
開発テストでは、この「高いグリップと、ロングランでの安定した性能の両立」という課題をクリアすることのできるタイヤとするために、ワンセットでかなりの周回数をこなしたり、一度熱を入れたタイヤを冷ましてから再度タイムアタックを行ったり、というトライを何度も行うことで目指すべき性能を一歩ずつ突き詰めていきました。
CIK公認タイヤは、一部の選手のためだけの、いわゆる「スペシャルタイヤ」ではありませんから、誰にでも扱いやすい性能を備えていることが大切。向上したグリップ性能を長く維持することのできるこのタイヤは、その狙い通り、経験の多少を問わず、ドライビングをいい結果に結びつけることのできるものに仕上がっていると思います。
―ウェットタイヤ YKPについて
このタイヤの開発にあたって心がけたのは、幅広い性能を持たせる、ということです。ウェット路面と一口に言っても、その状態は様々です。土砂降りの場合もあるし、乾きかけの場合もある。さらに、路面温度の高い夏でも、路面温度の低い冬でも安定して性能を発揮できなくてはいけません。
実際、今回の開発中にも、いいタイムの出たタイヤを少し条件を変えて試してみたところ、まったくフィーリングが違った…というようなこともありました。ウェットタイヤのテストというのは、水の量や路面温度などを調整しながら数多くのシチュエーションでテストを行う必要があるのです。
ブリヂストンのタイヤ開発の特徴というのは、一度いい結果が出たからといって、そこで満足しないことなんです。テストドライバーとスタッフが一丸となり、「まださらにいいものにできるはずだ」という気持ちを持って開発に取り組んだ新レインタイヤ。コンパウンドの改良により接地感が向上し、安心して攻められるものに仕上がっていますから、多くの方に納得いただけるはずです。
―ドライタイヤ YKB(ミディアムコンパウンド)について
今回3年ぶりに新しくなったブリヂストンのCIK公認タイヤでは、テストを通じて構造、形状、コンパウンドに改良を施し、コントロール性を高めていくことを目指しました。
新しいミディアムコンパウンドのタイヤは、非常に使い勝手のいいタイヤだという印象を持っていただけると思います。
従来、(ソフトと比較して)硬いコンパウンドのタイヤといえば、コーナーの立ち上がりでのアクセルワークに対するコントロールが難しいものでした。しかし、今回のミディアムコンパウンドタイヤは、特にリアのケース剛性を適正化し、さらに新形状により、コーナーの立ち上がり時にきちんと踏ん張り、即座にトラクションがしっかりとかかるようになりました。これによりドライバーの意志に的確に反応するコントロール性が高まっています。
もちろん、これまでも定評のあったロングランにおける信頼性も大きな進化が感じられました。耐摩耗性に関してもこれまでと同等以上の性能を確保できていますから、連続して走っても摩耗の状態がよく、タイムやドライバビリティが大きく変化しないのです。特に実感できるのは夏場だと思いますが、これはレースをする上で非常に心強い特性です。大きく進化したコントロール性能と、ブリヂストンの特徴である信頼性により、安心して走りを楽しむことのできるタイヤとして、自信を持っておすすめしたいですね。

