惜しくも逆転チャンピオンはならず、YART-YAMAHAはシリーズランキング2位、F.C.C. TSR Honda Franceは3位でシーズンを終える

  • 開催場所:エストリル
  • 開催日:2020年09月24日(木) 〜 2020年09月26日(土)
2019-2020 FIM EWC Rd.4 エストリル12時間:YART-YAMAHAが優勝!F.C.C. TSR Honda Franceが2位でBSチームの1-2フィニッシュ達成!
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世界中で新型コロナウイルスパンデミックにより、レース開催スケジュールが大きく変更になったロードレース世界耐久選手権 EWC。
最終戦が開催される場所となったのはポルトガル・エストリルサーキットで行われる12時間耐久。
前戦のルマン24時間で優勝したBSサポートチーム #5 F.C.C. TSR Honda France(Ho, BS)は現在シリーズランキング2位。トップの#2 Suzuki Endurance Racing Team(Su, DL)との差は40ポイントと少し差はあるが、逆転も不可能ではないポイント差。またランキング3位は同じくBSサポートチームの#7 YART-YAMAHA(Ya, BS)が45ポイント差につけている。
エストリルでEWCが開催されるのは2000年以来20振り。多くのチームは事前テストを行わず、水曜日のプライベート走行と木曜日の公式フリー走行でマシンセッティングを進めることとなる。

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最初の走行が開始された9/24木曜日のプライベートプラクティスは13:00~18:00の5時間。公式タイム計測が行われていない為、他のチームがどれくらいのタイムで走行しているのか比較は出来なかったが、F.C.C. TSR Honda FranceとYART-YAMAHAのタイムはほぼ同等。両チーム共にマシンセッティングを施しながらレースで使用するタイヤの確認を進めていく。
翌日9/24金曜日はフリー走行が9:00~11:00の2時間行われた。このセッションからタイム計測が始まり、ライバルチームがどれくらいのラップタイムで走行しているか確認する事が出来、結果はYART-YAMAHA・F.C.C. TSR Honda Franceの1-2。
両チームはライバルチームに対しアドバンテージがある状態で予選に挑む準備が出来た。

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公式フリー走行の後、14:30より予選1回目が開始された。EWCの予選では青-黄-赤の各色腕章をつけたライダー順で各20分の走行となり、各ライダーベストタイムの平均タイムで予選順位が決まる。
フリー走行でトップタイムだったYART-YAMAHAは予選1回目、各ライダーが2-1-3番手のタイムで暫定トップ。F.C.C. TSR Honda Franceは3-2-1番手だが、平均タイムは0.13秒差の2番手で終了した。
翌日の予選2回目は9:00より行われ、最初の青腕章ライダーでYART-YAMAHA・F.C.C. TSR Honda France共に約1秒のタイムアップ。
2人目の黄腕章ではYARTライダーのM.フリッツは走行せず、F.C.C. TSR Honda FranceのF.フォレイは約0.2秒前日より更新。3人目赤腕章ではYARTのN.カネパが約0.8秒更新するが、TSRのM.ディメリオは更新できず。
予選総合結果はYART-YAMAHAが平均トップタイムとなりポールポジションを獲得。F.C.C. TSR Honda Franceは2番手を獲得。
タイトルを争うSuzuki Endurance Racing Teamは4番手となり、予選ボーナスポイント合算後はTSRが38ポイント差、YARTは42ポイント差と僅かだがポイント差を詰めることに成功した。

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迎えた決勝日。スタート時間が30分繰り上げとなり、朝8時にレースがスタートし、夜8時ゴールのスケジュールとなった。
通常より短いスタート進行となり、EWC最終戦 エストリル12時間耐久レースがスタート。
この時にポールポジションスタートの#7 YART-YAMAHAはエンジン始動に手間取り、出遅れてしまう。
ホールショットはランキングトップの#2 Suzuki Endurance Racing Team。だが序盤に#37 BMW Motorrad World Endurance Team(BMW, DL)がトップに立ち、徐々に引き離し始める。#5 F.C.C. TSR Honda Franceは数周後に2番手に浮上、スタートで出遅れた#7 YART-YAMAHAも3番手に上がる。
最初、上位に起こった波乱は#37 BMW Motorrad World Endurance Team。ライダー交代を行い数周後に6コーナー進入で転倒。これでトップは#5 F.C.C. TSR Honda France、2番手に#7 YART-YAMAHAのBS勢1-2。
ピットインのタイミングで順位は入れ替わるが#7 YART-YAMAHAは#5 F.C.C. TSR Honda Franceに比べピットインのタイミングが早く、レース全体で考えるとピットイン回数が1回以上多くなる。ピットインのロスタイムは約55秒掛かっており、レース展開次第だがレース後半では重要になってくる。
#5 F.C.C. TSR Honda Franceと#7 YART-YAMAHAのトップ争いは終盤まで続き、後方では#1 WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE(Ka, DL)、#2 Suzuki Endurance Racing Team、#77 Wojcik Racing Team(Ya, DL)が3位争いを展開。この中で#1 WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCEがトラブルで順位を落とし、タイトルを争っている#2 Suzuki Endurance Racing Teamも2度の緊急ピットインで一瞬緊張が走ったが、早々に修復した後、レースに復帰し4位をキープする。
8時間を経過した時点で#7 YART-YAMAHAがトップ、#5 F.C.C. TSR Honda Franceが2位。ボーナスポイントがそれぞれ10、9ポイントが加算され、ライバルの#2 Suzuki Endurance Racing Teamは4位・7ポイントが加算される。
レース終盤、接近戦とはなっていないが#7 YART-YAMAHAと#5 F.C.C. TSR Honda Franceのトップ争いはピットインのタイミングとロスタイムが勝負となった。
残り1時間強で前を走る#7 YART-YAMAHAがピットイン。このタイミングだともう一度ピットに入って給油が必要なタイミング。対して#5 F.C.C. TSR Honda Franceは残り約30分でピットインし、コースインした時にはトップ#7 YART-YAMAHAの後方 約1分10秒。
もう一度ピットに入る必要がある#7 YART-YAMAHAは早いラップタイムで徐々に#5 F.C.C. TSR Honda Franceを引き離し、1分30秒ほど引き離したレース時間残り10分でピットイン、給油のみですぐにコースに戻る。
この時、後ろから迫ってくる#5 F.C.C. TSR Honda Franceの約25秒ほど前でコースインし、トップを維持する事に成功。
#7 YART-YAMAHAはこの差を保ったまま走り切り、エストリル12時間をトップでゴール!終始トップを争った#5 F.C.C. TSR Honda Franceは25秒差の2位でゴールし、BS勢の1-2フィニッシュを達成!
3位にはプライベートチームである#77 Wojcik Racing Teamが表彰台の一角を獲得、4位に#2 Suzuki Endurance Racing Teamが入った。
気になるシリーズランキングは#2 Suzuki Endurance Racing Teamが167.5ポイント、優勝した#7 YART-YAMAHAは149.5ポイントと18ポイント差で残念ながら逆転タイトルは獲得ならず。#5 F.C.C. TSR Honda Franceは143.5ポイントでランキング3位となり、BSサポートチームが2019-2020シーズン EWC シリーズランキングは2-3位でシーズンを終了した。

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◆YART - YAMAHA代表 Mandy Kainz
今回のレースはとても明確でした。ここまで強い状況だったことは過去に経験がありません。フリー走行、夜間走行、予選など全てでトップタイムでしたが、レースでは決して楽な状況ではありませんでした。耐久レースは様々な幸運・不運があり、予測がつきません。その中でも最後まで諦めず、最大のポイントを獲得して優勝出来た事でチームスタッフの働き、ヤマハの新型YZF-R1とブリヂストンタイヤのポテンシャルを証明する事が出来ました。チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれ、すべてのセッショントップ、そして最後に優勝する事が出来ました!

レース結果

コース:エストリル

決勝

  • 開催日:2020/09/26
  • 決勝出走:15
  • 完走:12
  • (4.182km x 421laps = 1760.622km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 7 K.ハニカ/M.フリッツ/N.カネパ BS Bridgestone YART - YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 421 405 1:39.313 12:01:03.931
2 5 J. フック/F.フォレイ/M.D.メリオ BS Bridgestone F.C.C.TSR Honda France CBR1000RR-R ホンダ 421 404 1:39.270 12:01:28.455
3 77 G. レア/B.パークス/M. シェリダン MI Wójcik Racing Team YZF-R1 ヤマハ 418 3 113 1:40.057 12:01:23.070
4 2 E.マッソン/G.ブラック/X. シメオン DL Suzuki Endurance Racing Team GSX-R1000 スズキ 416 5 238 1:40.484 12:01:47.759
5 333 F.アルト/F. マリノ/N. テロル DL VRD IGOL PIERRET EXPERIENCES YZF-R1 ヤマハ 415 6 367 1:40.835 12:01:40.622
6 1 J. グアノニ/E.ニゴン/D.チェカ MI WEBIKE SRC KAWASAKI France TRICKSTAR ZX-10R カワサキ 414 7 394 1:40.410 12:01:40.503
7 37 M.レイターバーガー/K.フォレイ/P. ヒックマン DL BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM S1000RR BMW 412 9 237 1:39.887 12:02:46.581
8 90 P. スタインメイヤー/K. クルゼミエン/B.レワンドウスキィー PI Team LRP Poland S1000RR BMW 407 14 130 1:41.599 12:02:25.680
9 36 A.プランカッサグネ/M.ラグリーヴ/M.ビーチェット MI 3ART BEST OF BIKE YZF-R1 ヤマハ 407 14 203 1:41.365 12:02:39.305
10 14 E.ブーロム/S.スチェット/S. ヒル DL MACO RACING Team YZF-R1 ヤマハ 382 39 288 1:40.729 12:01:45.442
11 31 J. レイルトン/J. ブラックショウ/L. デイ DL British Endurance Racing Team GSX-R1000 スズキ 354 67 287 1:43.113 12:01:48.473
12 65 G.デハーイェ/S. ストローレン/B. コリオー MI Motobox Kremer Racing #65 YZF-R1 ヤマハ 329 92 243 1:42.856 12:02:33.422