• 開催場所:エストリル
  • 開催日:2021年07月17日(土) 〜 2021年07月17日(土)
2021 FIM EWC Rd.2 エストリル12時間:トップを走るチームが次々と脱落するサバイバルレースをF.C.C. TSR Honda Franceが制す!
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FIM EWCの第2戦 が7/15~17にエストリル12時間としてポルトガル・エストリルサーキットで行われた。
昨年は新型コロナの影響で、マレーシア・セパンが中止となり、代替として9月後半に最終戦として開催されたこのサーキットは、今年も当初は最終戦の予定されていた。
しかし新型コロナの影響で開幕戦 ルマン24時間からスケジュールが変更、7月開催の鈴鹿8耐が11月開催に変更になった事で、当初10月開催だったエストリル12時間が7月の鈴鹿8耐開催予定日に移動して開催される事となった。
昨年の開催時期と違い、強い日差しがアスファルトを照り付け、路面温度は60℃近くまで上昇。ライダー・マシン、そしてタイヤにも厳しい状況となる12時間耐久レースになると予想された。

7/13(火)に特別走行枠が設けられ、エストリル12時間参戦チームの多くが参加。この日は強風が吹き荒れ、気温・路面温度はさほど上がらない状況だった。
公式スケジュールとなる7/15(木)に2時間のフリー走行、その後に予選1回目が行われた。
この日は風も少なく気温は30℃を超え路面温度は50℃以上とタイヤには厳しい状況となっている。
各ライダー20分づつの予選が行われ、1回目終了時点での暫定ポールポジションはブリヂストンサポートチームである#7 YART - YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC(Ya,BS)、#1 YOSHIMURA SERT Motul(Su,BS)は3番手、#5 F.C.C. TSR Honda France(Ho,BS)は7番手となる。
翌日7/16(金)は午前中に予選2回目が行われ、1回目より気温・路面温度が低い中での走行となる為に大幅にラップタイムが更新される事が予想された。
この中でも暫定ポールのYART - YAMAHAは3人のライダー全員がラップタイムを大きく更新。ほとんどのチームがラップタイムを更新する中で、予選順位を決めるライダー3人の平均タイムが唯一37秒台となる1'37,936でポールポジションを獲得。2番手の#37 BMW WORLD ENDURANCE TEAM(BMW,DL)に0.8秒強の差を付けている。
#1 YOSHIMURA SERT Motul、#5 F.C.C. TSR Honda Franceは3ー4番手と好位置を獲得している。

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12時間耐久レース決勝は7/17(土)9:00~21:00、現地日没時間は21:00頃になっており、今回のレースでは完全な夜間走行とはならないと思われる。
スタート時の気温は22℃、路面温度31度とまだ涼しい状況だが、決勝レース中は前日同様に高温のとなっている。
ポルトガル国旗が12時間耐久レースがスタート。ライダーがマシンに駆け寄り各車スタートしていくが、ポールポジションの#7 YART - YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCは少し出遅れてしまう。
1コーナーホールショットは#1 YOSHIMURA SERT Motul。2番手に#5 F.C.C. TSR Honda Franceが続き、出遅れたYART - YAMAHAは7番手辺り。
レース序盤、トップは入れ替わるが1時間半が経過する頃には#37 BMW WORLD ENDURANCE TEAMが少し抜けだし始める。この時点で2位は#1 YOSHIMURA SERT Motul、3位にYART - YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC。#5 F.C.C. TSR Honda Franceは5位を走行。
最初に波乱が起きたのは2時間25分経過頃。トップと2位が近づき、接近戦になってきた時に3コーナーでトップのBMW WORLD ENDURANCE TEAMが転倒。これでYOSHIMURA SERT Motulがトップに立つ。

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しかし15分後に今度はトップのYOSHIMURA SERT Motulが1コーナーで転倒!マシンへのダメージは少ない模様だが、一度ピットに戻り修復に時間を取られてしまった。
相次ぐトップの脱落で次にトップに立ったのは#7 YART - YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC。後続の#11 WEBIKE SRC KAWASAKI France TRICKSTAR(Ka,DL)に約20秒前後の間隔を保ちながら順調に周回を重ねていく。
しかしトップを走行するチームへの不運がまた起きてしまう。12時間耐久レースの半分、6時間を過ぎた辺りで順調に走行していたと思われたYART - YAMAHAがまさかの転倒。マシンのダメージも大きく、自走でピットへ戻る事は難しいようでサービスカーに載せられてピットボックスに帰還。これでYART - YAMAHAは順位を大きく落としてしまい、次にトップに立ったのは2位を走行していた#11 WEBIKE SRC KAWASAKI France TRICKSTAR。その後方、約1分30秒遅れで#5 F.C.C. TSR Honda Franceが走行している。
残り時間も2時間を切り、同じ間隔のまま周回を重ねるトップ2台はそのままゴールまで走り切るかと思われたが、トップに襲い掛かる不運はまだ収まらず、今度はトップのWEBIKE SRC KAWASAKI France TRICKSTARが残り1時間30分を切った辺り、ピットインする周回の途中、約1/3周回程でなんとガス欠によりストップ。

Race2.jpgこのトラブルで2位を走行していた#5 F.C.C. TSR Honda Franceが今度はトップに立つ。この時点で2位の#333 VRD IGOL PIERRET EXPERIENCES(Ya,DL)と1周の差。3位の#11 WEBIKE SRC KAWASAKI France と4位の#37 BMW WORLD ENDURANCE TEAMが2位との差を詰め、レース終盤は2位争いの展開に。
#5 F.C.C. TSR Honda Franceはレース序盤から最後まで大きなトラブルも無く走り切り、トップが次々と脱落する波乱のエストリル12時間を大逆転で優勝!
2位は#11 WEBIKE SRC KAWASAKI France、3位に#37 BMW WORLD ENDURANCE TEAMが入った。
レース中盤に転倒した#7 YART - YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCは10位。レース序盤と中盤、2度の転倒を喫してしまった#1 YOSHIMURA SERT Motulは17位でゴールした。

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#5 F.C.C. TSR Honda Franceは予選・8時間経過時・レース順位ポイントの合計46ポイントを追加し、82ポイントでシリーズランキング2位に浮上。トップ#11 WEBIKE SRC KAWASAKI Franceが87ポイントでその差は5ポイント。
#1 YOSHIMURA SERT Motulは76ポイントでランキング4位に後退したが、トップとの差は11ポイントとその差は小さい。
#7 YART - YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCは32ポイントでランキング7位となっている。

次戦は9/18-19、フランス・ポールリカールサーキットでボルドール24時間が開催されます。
FIM EWCに参戦するF.C.C. TSR Honda France・YOSHIMURA SERT Motul・YART - YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCの応援を宜しくお願いします。

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レース結果

コース:エストリル

決勝

  • 開催日:2021/07/17
  • (4.182km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 5 J. フック/高橋 裕紀/M.D.メリオ BS Bridgestone F.C.C.TSR Honda France CBR1000RR-R ホンダ 417 338 1:39.801 12:00:32.811
2 11 J. グアノニ/E.ニゴン/D.チェカ DL WEBIKE SRC KAWASAKI France TRICKSTAR ZX-10R カワサキ 416 1 402 1:39.503 12:02:00.004
3 37 J. フォレス/M.レイターバーガー/K.フォレイ DL BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM S1000RR BMW 416 1 400 1:39.161 12:02:00.980
4 333 F.アルト/F. マリノ/N. テロル DL VRD IGOL EXPÉRIENCE YZF-R1 ヤマハ 415 2 403 1:39.763 12:00:33.658
5 96 R. ド プニエ/R.ムルハウサー/R.ロルフォ DL MOTO Ain YZF-R1 ヤマハ 412 5 393 1:39.900 12:01:49.821
6 24 J. ハルド/J. ピロ/L. クレソン MI BMRT 3D MAXXESS NEVERS ZX-10R カワサキ 410 7 10 1:40.136 12:01:15.817
7 6 M.ギネス/L.ロッシ/E.マッソン MI ERC Endurance Ducati Panigale V4R ドゥカティ 410 7 7 1:40.178 12:01:44.239
8 8 J.ブーン/J. ペリジェフ/M. ブレナー MI Team Bolliger Switzerland ZX-10R カワサキ 409 8 346 1:41.480 12:01:15.716
9 55 S.エゲア/G.アンティガ/E.ブーロム DL National Motos CBR1000RR-R ホンダ 407 10 291 1:41.171 12:01:34.725
10 7 N.カネパ/M.フリッツ/K.ハニカ BS Bridgestone YART - Yamaha Official Team EWC YZF-R1 ヤマハ 407 10 10 1:39.384 12:02:01.495
11 77 G. レア/M. ラバティ/M.フィッラ DL Wójcik Racing Team YZF-R1 ヤマハ 406 11 324 1:39.910 12:00:48.268
12 36 N. エスクディエ/M. レノーディン/L. リッツア MI 3ART BEST OF BIKE YZF-R1 ヤマハ 405 12 349 1:42.298 12:01:06.085
13 18 H.クレア/J.ニゴン/M.ルシアーナ DL Team 18 Sapeurs Pompiers YZF-R1 ヤマハ 402 15 119 1:41.035 12:02:01.205
14 33 C. ガマリノ/C.ペロラリ/L. ビタリ DL TEAM 33 LOUIT APRIL MOTO ZX-10R カワサキ 401 16 2 1:41.278 12:00:40.736
15 119 C. コルトー/C. ディラー/D.ブイソン DL Slider Endurance YZF-R1 ヤマハ 401 16 72 1:43.528 12:00:52.411
16 90 N. ワラベン/S.ケースバウマー/T. グレイディンガー PI Team LRP Poland S1000RR BMW 401 16 152 1:41.807 12:01:35.593
17 1 G.ブラック/X. シメオン/S.ギュントーリ BS Bridgestone YOSHIMURA SERT MOTUL GSX-R1000 スズキ 400 17 342 1:39.155 12:01:11.006
18 121 D. シュバリエ/T. アイゼン/L. ミレ BS Bridgestone FALCON RACING YZF-R1 ヤマハ 398 19 344 1:44.577 12:01:59.119
19 44 A.マスボウ/K. カリア/L. スカッサ DL No Limits Motor Team GSX-R1000 スズキ 397 20 349 1:41.765 12:01:23.114
20 91 C.ナポリ/N. ルサンジ/M.チョイ DL ENERGIE ENDURANCE 91 ZX-10R カワサキ 396 21 299 1:43.295 12:00:38.578