• 開催場所:鈴鹿サーキット
  • 開催日:2022年08月04日(木) 〜 2022年08月07日(日)
2022 FIM EWC Rd.3 鈴鹿8耐:Team HRC圧勝でブリヂストン鈴鹿8耐15連勝を達成!

3年ぶりの開催となった鈴鹿8時間ロードレース。新型コロナウイルス感染拡大や、ウクライナ情勢に起因する運輸状況の悪化で海外組のエントリーが少なく、エントリーは45チームとなった。

世界耐久選手権に参戦しているブリヂストンにとっては、世界での戦いでもあり、鈴鹿8耐15連覇をかけた戦いでもある。世界耐久選手権は24時間レースを2戦終えた時点でブリヂストンがサポートするYoshimura SERT Motul(ブリヂストン)、F.C.C. TSR Honda France(ブリヂストン)、YART-Yamaha Official Team EWC(ブリヂストン)の3チームがランキングトップ3に君臨している。

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火曜日、水曜日と二日間の公式テスト日が設けられ、長いレースウイークになった。不運に見舞われたのがディフェンディングチャンピオンであり、ランキングリーダーのYoshimura SERT Motul。ウイーク直前にはザビエル・シメオンの新型コロナウイルス陽性が判明。急遽、今回はサポート側に回ることになっていたグレッグ・ブラックがライダーに復帰。さらにエースライダーであるシルバン・ギュントーリがテスト中に転倒、負傷。9月に開催される最終戦に向けて治療に専念するために帰国してしまったのだ。これでブラックと渡辺一樹の二人体制になってしまった。

金曜日の公式予選日は朝から厚い雲に覆われ、不穏なウイークの開始となった。予選は1チーム一人ずつ午前と午後に20分ずつのタイムアタック。Team HRC(ブリヂストン)の長島哲太が1回目の予選で2分4秒942という、これまでの鈴鹿8耐予選ベストだった2分5秒168を塗り替える好タイムをマーク。圧倒的な強さを見せつける。
Team HRCを筆頭にYART-Yamaha Official Team EWC、Kawasaki Racing Team Suzuka 8H(ブリヂストン)、Astemo Honda Dream SI Racing(ブリヂストン)、F.C.C. TSR Honda France、Honda Dream RT SAKURAI HONDA(ブリヂストン)、SDG Honda Racing(ブリヂストン)、Honda Sofukai Suzuka Racing Team(ブリヂストン)、EVA RT 01 Webike TRICKSTAR(ブリヂストン)とブリヂストンがサポートする9チームがトップ10トライアルに駒を進めることになった。Yoshimura SERT Motulは頼みの渡辺一樹の走行時間が雨に見舞われたため、トップ10入りを果たせなかった。

33_7.jpg土曜日も世界耐久組のアクシデントが続いた。トップ10トライアル直前のフリー走行でTSRのジーノ・リアが転倒。病院に搬送されてしまった。

トップ10トライアルは1台ずつの走行ではなく、40分間の掲示予選に変更。ここでもTeam HRCがずば抜けた速さを見せ、長島が再び2分4秒台をマーク。文句なしのポールポジションとなった。Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hは2分5秒149で2番手。YART-Yamaha Official Team EWCも2分5秒台をマークして予選3番手を獲得。直前に不運に見舞われたF.C.C. TSR Honda Franceは4番手につけた。

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決勝日は好天に恵まれた。朝はところどころに黒い雲が浮かんでいたものの、時間と共に青空が優勢になった。

11時30分。予定通りにル・マン式スタートが切られた。好スタートを切ってオープニングラップを制したのはF.C.C. TSR Honda Franceのジョシュ・フック。Team HRCの高橋巧、Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hのレオン・ハスラムと続く。2周目にTeam HRC高橋がトップ浮上。この2周目に、5番手走行のAstemo Honda Dream SI Racing 作本輝介が4番手走行のSDG Honda Racing 浦本修充を巻き込んで転倒。早くもセーフティカー導入となる。

7周を終了したところでセーフティカー解除。同時にロケットスタートでオープニングラップを7番手で終えたYoshimura SERT Motulのグレッグ・ブラックがトップ浮上。しかしすぐにKawasaki Racing Team Suzuka 8Hのハスラムが首位奪取。翌周にはTeam HRC高橋がトップ奪回と激しい争いが展開される。しかし、10周目にトップの座を奪い返したTeam HRC高橋はじわじわと後続を引き離し、独走状態に入る。

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Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hも単独2番手で周回を重ねる。Yoshimura SERT MotulはYARTとの表彰台争いを開始する。
上空の雲は時間と共に去り、青空が広がる。Team HRCは高橋巧、長島哲太、イケル・レクオナの3人共に2分7秒台でラップ。
スタートから2時間以上が経過し、トップが60周を終了したころ、転倒車が燃え上がり2回目のセーフティカー導入。このとき、Team HRCとKawasaki Racing Team Suzuka 8Hの間にセーフティカーが入ったために、両者の差が広がる。
レース折り返しの4時間経過を目前に、Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hのレイが転倒。すぐにコース復帰を果たして事なきを得る。その後は順調に周回を重ねたKawasaki Racing Team Suzuka 8Hだが、レース後半はYART-Yamahaに2位争いを挑まれる。
残り1時間を切った途端に、YART-Yamahaが転倒。これで3度目となるセーフティカーが導入される。YART-Yamahaはピットに戻ってすぐに修復して、コースに戻っていく。しかし順位は表彰台圏外に落ちてしまった。
一方、Team HRCはレース後半も全車を周回遅れにしての一人舞台。ホンダは2014年以来8年ぶりの鈴鹿8耐優勝を飾った。同時にブリヂストンは15年連続優勝を達成した。
Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hは2位でフィニッシュ。そしてYoshimura SERT Motulが予選22番手から3位表彰台を獲得するという奇跡を起こし、世界耐久選手権のランキングリーダーの座を守った。その結果、ブリヂストンは表彰台も独占という最高の結果を残した。また、YART-Yamaha Official Team EWCは7位、F.C.C. TSR Honda Franceは10位でゴールした。

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● Team HRC 山野一彦 監督
「グリップレベルなど、タイヤに対しては何の不安要素もありませんでした。予選タイヤも若干、柔らかめのタイヤを使いましたが、ライダー3人ともしっかりタイムを出すことができました。耐久ではよく、決勝の1スティントの3分の1が過ぎたら突然ドロップダウンをするという話を聞きます。ですが、今回、うちのライダーは3人ともそういうコメントは一切なく、ずっと長く同じ性能を保ってくれました。いいタイヤを供給してもらったなと、改めて感謝しています」

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レース結果

コース:鈴鹿サーキット

決勝

  • 開催日:2022/08/07
  • 決勝出走:45
  • 完走:34
  • (5.821km x 214laps = 1245.694km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 33 長島 哲太/高橋 巧/I. レクオーナ BS Bridgestone Team HRC CBR1000RR-RSP ホンダ 214 113 2:06.934 08:02:09.131
2 10 L.ハスラム/A.ロウズ/J.レイ BS Bridgestone Kawasaki Racing Team Suzuka 8H ZX-10RR カワサキ 213 1 90 2:07.177 08:02:15.180
3 1 G.ブラック/渡辺 一樹 BS Bridgestone YOSHIMURA SERT MOTUL GSX-R1000R スズキ 212 2 30 2:08.157 08:03:31.961
4 95 生形 秀之/渥美 心/津田 拓也 BS Bridgestone S-PULSE DREAM RACING ・ ITEC GSX-R1000R スズキ 210 4 94 2:08.558 08:02:54.775
5 104 清成 龍一/國川 浩道/國峰 琢磨 BS Bridgestone TOHO Racing CBR1000RR-R ホンダ 210 4 109 2:08.833 08:03:42.462
6 72 濱原 颯道/日浦 大治朗/國井 勇輝 BS Bridgestone Honda Dream RT SAKURAI HONDA CBR1000RR-R ホンダ 210 4 176 2:08.872 08:04:12.555
7 7 M.フリッツ/N.カネパ/K.ハニカ BS Bridgestone YART - Yamaha Official Team EWC YZF-R1 ヤマハ 209 5 183 2:07.781 08:03:40.730
8 40 高橋 裕紀/伊藤 和輝/小山 知良 BS Bridgestone Team ATJ with JAPAN POST CBR1000RR-R ホンダ 208 6 11 2:10.010 08:02:10.85
9 50 児玉 勇太/長尾 健史/長尾 健吾 BS Bridgestone Team Kodama YZF-R1 ヤマハ 208 6 141 2:09.402 08:02:29.010
10 5 J. フック/G. レア/M.D.メリオ BS Bridgestone F.C.C.TSR Honda France CBR1000RR-R Fireblade ホンダ 208 6 10 2:08.851 08:02:33.132
11 88 M.Z.ザイディ/G.サリム/M.H. アズマン BS Bridgestone Honda Asia-Dream Racing with SHOWA CBR1000RR-R ホンダ 208 6 56 2:10.029 08:03:30.441
12 54 黒木 玲徳/田尻 悠人/安田 毅史 BS Bridgestone GOSHI Racing CBR1000RR-R ホンダ 206 8 111 2:10.811 08:03:16.441
13 64 岩戸 亮介/岡谷 雄太/清末 尚樹 BS Bridgestone Kawasaki Plaza Racing Team ZX-10RR カワサキ 205 9 11 2:10.283 08:02:17.004
14 44 関口 太郎/奥田 教介/佐藤 太紀 BS Bridgestone SANMEI Team TARO PLUSONE M1000RR BMW 204 10 151 2:10.150 08:02:36.056
15 11 R. ド プニエ/E.マッソン/F. マリノ DL WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE ZX-10RR カワサキ 203 11 157 2:10.215 08:03:12.199
16 806 伊藤 勇樹/南本 宗一郎/井手 翔太 BS Bridgestone NCXX RACING with RIDERS CLUB YZF-R1 ヤマハ 202 12 12 2:09.968 08:03:03.945
17 85 星野 知也/石塚 健/中冨 伸一 DL TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW M1000RR BMW 202 12 10 2:11.046 08:03:22.798
18 52 寺本 幸司/青木 宣篤/津田 一磨 DL TERAMOTO@J-TRIP Racing GSX-R1000R スズキ 202 12 9 2:13.762 08:03:54.412
19 60 中島 元気/羽根 巧 DL Honda Hamamatsu ESCARGOT RT CBR1000RR-R ホンダ 202 12 28 2:14.072 08:04:00.280
20 3 柳川 明/松崎 克哉/長谷川 聖 BS Bridgestone KRP SANYOKOGYO & RS-ITOH ZX-10RR カワサキ 200 14 152 2:09.857 08:03:30.741