• 開催場所:鈴鹿サーキット
  • 開催日:2026年07月05日(日) 〜 2026年07月05日(日)
【2026 FIM 世界耐久ロードレース選手権 EWC】Rd.3 鈴鹿8耐

 第47回コカ・コーラ鈴鹿8時間耐久ロードレースが、三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットで開催された。全長5.821km、コース幅10~16m、今年2月にアスファルトが改修されたばかりの新路面での開催。更には、例年とは約1カ月開催時期が異なり、7月上旬というこの地方の梅雨に当たる時期での開催となり、例年とは異なる闘いが繰り広げられた。
 開催時期が早まったことに伴い、例年テストの約1カ月前に2週間の間隔で2度、計4日間行われていたテスト走行が、今年は1回、2日間へ変更となり、大会直前のテストが1日から2日へ増やされた。この直前テストでは、火曜日、水曜日午前が晴れ、水曜日午後は雨となり両コンディションでの走行を試すことができた。晴れた日の速いチームは2分04秒台をマーク、トップ10のチームほとんどが2分05秒台を記録した一方で、転倒が多く、各チームが新たな路面から新しいデータを収集して本戦へ備えた。テスト走行の段階から、多くのファンがカメラを抱えて朝早くから写真を撮る姿も見られた。
 鈴鹿8耐では木曜日に車検日が設けられ、金曜日には公式のフリープラクティスセッション1と予選1回目、ナイトプラクティスが行なわれる。木曜日以降のスケジュールは例年通りに開催される予定だった。金曜日の午前8時30分から120分間の予定で開催されたフリープラクティスセッション1では、# 12 Yoshimura SERT Motul(Suzuki, BS)がトップタイムを記録した。この走行でも転倒が相次ぎ、3回の赤旗中断があった。

予選1回目

1C5A0599.JPG 金曜日、午後12時から始まった予選1回目は、各チーム3名のライダーがそれぞれ20分ずつ走行する形式。予選順位は20分×2回で開催される予選で上位2名のライダーが記録した最速タイムの平均で決定される。そして、土曜日には予選順位のトップ10に入った各チームの速い2名のライダーが、ひとりずつコースを走るトップ10トライアルが開催される予定だった。
 青腕章ライダーでは、# 76 AutoRace Ube Racing Team(BMW, BS)の浦本修充が2分04秒847を記録してトップタイム。2番手が# 30 Honda HRC(Honda, BS)の高橋巧、3番手が # 37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(BMW, BS)のマーカス・ライターバーガーで続いた。2番手以降は2分05秒台で9番手までが続く激戦だった。
 黄腕章ライダーでは、転倒による赤旗中断が発生。思うようにタイム計測できないチームやマシントラブルに見舞われたチームもある中、# 30 HRCのジョナサン・レイが2分04秒583という今期間中の最速タイムをマークしてトップタイムを記録。2番手は# 99 Elf Marc VDS Racing Team/KM99(Yamaha, BS)のフロリアン・マリノ、3番手には# 21 YAMAHA RACING TEAM(Yamaha, BS)のジャック・ミラーが続いた。
 赤腕章ライダーでは、# 5 TSRのジョン・マカフィーが2分05秒332でトップタイム。2番手には# 37 BMWのマイケル・ファン・デル・マーク、3番手に# 21 YAMAHAのアンドレア・ロカテッリが続いた。
 予選1回目では、青、黄、赤腕章ライダーごとに上位チームが異なり、予選初日ではまだどのチームがトップ10トライアルへ進めるか予想できない状況だった。天候も不安定な中、赤旗中断も多く、どのチームにとっても、タイヤマネジメント戦略が難しい状況となった。

予選2回目

SVA_EWC26_20260703_164712_3mo.jpg 青空の下でのピットウォークなど、ファンとライダーの交流イベントを挟み、金曜日午後3時30分からは予選2回目が行われた。日差しはまだ高く、路面温度はかなり高い状態で始まった。
 青腕章ライダーでは、# 30 HRCの高橋が2分05秒088でトップタイム。2番手が# 76 AutoRace Ubeの浦本、3番手が# 17 Astemo Pro Honda SI Racingの野佐根航汰だった。
黄腕章ライダーでは、# 30 HRCのジョナサン・レイが2分04秒422をマーク、自身が午前に記録していた今期間中ベストタイムを更新。2番手は# 1 YART Yamaha Official EWC Team(Yamaha, BS)のマービン・フリッツ、3番手は# 99 KM99のフロリアン・マリノの順だった。
 赤腕章ライダーでは、赤旗中断を挟み、路面温度が下がり条件が好天した中での開催となった。# 37 BMWのファン・デル・マークが2分04秒485でトップタイム。ジョナサン・レイの記録に0.063秒差まで迫り、予選後、二人は称え合っていた。2番手は、ファン・デル・マークの後ろに着けて2分04秒712を記録した# 99 KM99のアレッサンドロ・デルビアンコ。3番手も2分04秒台で# 21 YAMAHAのアンドレア・ロカテッリ。
 予選総合は、トップが# 30 HRC、2番手# 37 BMW、3番手# 99 KM99、10番手の# 73 SDG Team HARC-PRO. Honda(Honda, BS)まで10チーム全てがブリヂストン勢。トップ10トライアルに期待が高まっていた。予選2回目の後には、HRCグロムカップの予選が開催され、その後さらにナイトプラクティスが午後6時30分から60分間で開催される予定だった。しかし、ここでもアクシデントが発生、約40分の走行で赤旗が提示され、そのまま終了した。

TOP10トライアル

054A6462.JPG 土曜日の午前中は、毎年恒例、ライダートークショーなどファンとの交流イベントの時間。午後1時から45分間の予定でフリープラクティスセッション2が開催された。場所によりレインフラッグが振られ、部分的にはドライコンディションもあるという鈴鹿らしい路面コンディションの下での走行となった。ここでは# 37 BMWが2分06秒094でトップタイム。2番手# 30 HRC、3番手#12 Yoshimuraが続いた。
 本来であれば、そのままトップ10トライアルが続けて行なわれる予定だった。しかし、午後2時15分から開催される予定だったトップ10トライアルは、急な雨が降り出し、開始2分前に中止が発表された。誰もが残念かつ、仕方がないという心境の中止だった。通常の予選のようにトップ10チーム同時に走行の予選を求める声もあったが、グリッド順は予選総合結果のまま、上位5チームにはポイントが付与された。

決勝

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 日曜日、午前8時30分から45分間のウオームアップ走行後、ピットウォークを挟み、午前11時30分からは決勝が開催された。一時的に雨が止んだ中で開会式セレモニーが行われ、国歌斉唱後、伝統のルマン式スタートで始まった。全車レインタイヤでスタートした。
 ホールショットを奪ったのは# 12 Yoshimuraだったが、# 76 AutoRace Ubeが程なくトップに立つ。スタートから30分、# 30 HRCも一旦はトップに立つが、不安定な空模様、オイルを撒いた故障車が出現などを見て、戦略的に# 76 AutoRace Ubeを先に行かせたようだった。
 開始35分ほどで、# 4 Tati Team AVA6 Racing(Honda, BS)がオイルを撒きながら走行、後ろに居た# 17 Astemo など数台が転倒。セーフティーカーが導入された。再スタート後は、1時間を迎えようとする頃に最初のルーティンピットに入るチームが増えた。スタートから1時間30分が経過した頃に、この日2度目のセーフティーカーが入り、その間に雨脚が強くなった。
 ピット作業とセーフティーカーにより順位が入れ替わり、差が縮まる中、2時間経過ではトップが#30 HRC、2番手は# 37 BMW、3番手が# 21 YAMAHAという順だった。2時間15分経過した頃にセーフティーカーは解除され、# 30 HRCがその後もトップを維持。2番手にはセーフティーカー解除直後に# 37 BMWを抜いた# 21 YAMAHAが上がった。3時間経過の時点では、# 76 AutoRace Ubeが# 37 BMWをかわして3番手。
SVA_EWC26_20260705_115826-5_3mo.jpg 雨脚も強まる時間帯には、レストランで推しチームのコラボメニューを楽しむファンの姿もあった。折り返しを迎える頃には、路面が少し乾き始め、280km/hを超えるハイスピードも記録されていた。折り返し時点でも、引き続きトップは# 30 HRC。# 76 AutoRace Ubeはここまでのレース最速、2分16秒249をマークし、# 21 YAMAHAの前へ出て2番手浮上。# 21 YAMAHAが3番手で折り返した。
 4時間20分を迎える頃、トップの# 30 HRCは100周を走破。今度は# 21 YAMAHAが2分16秒034のレース最速を記録して、再び2番手へ上がった。5時間経過時点では、トップの# 30 HRCから13番手# 50 MARUKAME TEAM KODAMA(Yamaha, BS)までがブリヂストンサポートチームだった。
 不安定な天候は続く中、路面が乾いてくると290km/hをマークするチームも現れた。残り3時間では、トップ争いは# 30 HRCと#21 YAMAHAの一騎打ちの様相を呈した。その後ろでは、# 76 Auto Race Ube、# 37 BMW、# 1 YARTによる3位表彰台争いが展開された。さらに後ろでは、給油中、倒れそうになったマシンを触ったメカニックのための10秒ペナルティーを受けた# 12 Yoshimuraと# 5 TSRが激しく6位争いをしていた。しかし、# 5 TSRはガス欠のためのストップで、大きく順位を落とした。代わりに7番手にはエクスペリメンタルクラスの #0 Team SUZUKI CN CHALLENGE(Suzuki, BS)が上がった。
 8番手以降は、# 11 KWT Kaedear(Kawasaki, BS)、# 73 SDG HARC-PRO.、#88 Honda Asia-Dream Racing with Astemo, #40 Team ATJ with NTT docomo business(Honda, BS)、# 50 MARUKAME TEAM KODAMA(Yamaha, BS)、# 95 S-PULSE DREAM RACING SUZUKI(Suzuki, BS)とトップから13チームをBS勢が独占する展開となった。
1C5A7435.JPG 残り1時間を迎える頃には、# 30 HRCと #21 YAMAHAのトップ争いは約20秒まで詰まった。3番手には# BMWが上がった。残り1時間を切って、4番手# AutoRace Ubeにピット作業時にエンジンを切らなかったための10秒ペナルティーが科され、ペナルティーの間に# 1 YARTが4番手へ浮上。
 最後の1時間では、一時# 21 YAMAHAがトップの# 30 HRCに約15秒差まで迫ったが、残り約35分に危険な降雨量となったためセーフティーカーが導入された。セーフティーカーの導入のタイミングにより、2台の差は一気に1分以上に広がり、雨脚が弱まることがなく、セーフティーカーが導入されたままレース終了となる8時間を迎えた。そのため規定によりチェッカーフラッグではなく、レッドフラッグが振られてレースが終了した。
054A7063.JPG 雨雲の影響もあり、会場の暗さは増して、マシンのライトとグランドスタンドの色とりどりのペンライトが雨に反射して一層輝き、感動的な光景が広がった。
 優勝は# 30 HRCで、チームとしては5連勝、高橋巧個人としては8勝目を挙げた。2位は昨年に続き# 21 YAMAHA、3位は#37 BMWで鈴鹿8耐初の外国車の表彰台を獲得。トップから13位の#11 KWTまでがブリヂストンサポートチームが占めた。1997年以来となる完全ウエットの過酷なレースの中、参加50台中、46台が完走した。
 ライダー2人で走り切り優勝した# 30 HRC高橋は「セーフティーカーのままチェッカーって、絶対的に微妙ですよね」と表彰台で語り、観客を沸かせていた。2位の# 21 YAMAHAジャック・ミラーは、シューイと呼ばれるオーストラリア式のブーツでシャンパンを飲むパフォーマンスを披露していた。
 FIM EWC年間ポイントは#1 YARTが4位に入り、トップをキープ。FIM EWC 第4戦の最終戦、ボルドールは9月に控えている。

レース結果

コース:鈴鹿サーキット

決勝

  • 開催日:2026/07/05
  • 天候:Rain
  • 路面:Wet
  • 決勝出走:50
  • 完走:46
  • (5.821km x 188laps = 1094.348km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 30 高橋 巧 /J.レイ/S. チャントラ BS Bridgestone Honda HRC CBR1000RR-RSP ホンダ 188 117 2:17.097 07:54:19.425
2 21 中須賀 克行 /J. ミラー/A. ロカッテリ BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 ヤマハ 188 102 2:16.034 07:55:53.705
3 37 M. レイターバーガー /S. オデンダー/M.V.D.マーク BS Bridgestone BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM M1000RR BMW 188 167 2:16.097 07:56:03.512
4 1 K. ハニカ /M. フリッツ/L. メルカド BS Bridgestone YART - YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 188 156 2:16.988 07:58:03.869
5 76 浦本 修充 /S. ギュントーリ/C.ポンソン BS Bridgestone AutoRace Ube Racing Team M1000RR BMW 188 86 2:16.249 07:58:05.538
6 12 G. ブラック /D. リンフッド/渥美 心 BS Bridgestone YOSHIMURA SERT MOTUL GSX-R1000R スズキ 186 2 159 2:17.025 07:54:21.221
7 0 津田 拓也 /水野 涼/E. マッソン BS Bridgestone Team SUZUKI CN CHALLENGE GSX-R1000R スズキ 186 2 83 2:17.974 07:55:53.936
8 73 國井 勇輝 /名越 哲平/阿部 恵斗 BS Bridgestone SDG Team HARC‐PRO. Honda CBR1000RR-R ホンダ 185 3 105 2:18.204 07:56:01.065
9 88 N. アティラプワバ /K.I. パウィ/M. D. プタラ BS Bridgestone Honda Asia-Dream Racing with Astemo CBR1000RR-R ホンダ 185 3 149 2:18.409 07:56:07.708
10 40 岩田 悟 /鈴木 光来/國峰 琢磨 BS Bridgestone Team ATJ with NTT docomo Business CBR1000RR-RSP ホンダ 184 4 94 2:18.717 07:55:52.653
11 95 西村 硝 /J. フォルガー/J. グアノニ BS Bridgestone S-PULSE DREAM RACING SUZUKI GSX-R1000R スズキ 183 5 94 2:20.338 07:55:52.135
12 50 児玉 勇太 /M. スタファー/高橋 匠 BS Bridgestone MARUMAE Team KODAMA YZF-R1 ヤマハ 183 5 131 2:20.189 07:55:57.149
13 11 R. ラモス アルバロ /C. ガマリノ/G. ルブラン BS Bridgestone KWT Kaedear ZX-10RR カワサキ 182 6 113 2:18.620 07:54:22.699
14 52 長島 哲太 /亀井 雄大/伊達 悠太 DL NCXX RACING with RIDERS CLUB CBR1000RR-R ホンダ 181 7 5 2:21.850 07:55:53.024
15 25 大久保 光 /伊藤 元治/鳥羽 海渡 DL TEAM ÉTOILE M1000RR BMW 181 7 130 2:21.511 07:56:07.379
16 77 O. グティエレス /J. トレス フェルナンデス/G. ジャンニーニ DL Wójcik Racing Team #77 SST CBR1000RR-RSP ホンダ 181 7 148 2:21.410 07:56:08.410
17 38 B. コバックス /J. ブーン/L. クレソン DL Champion-Hert Powered by MRP M1000RR BMW 181 7 89 2:21.788 07:57:59.272
18 65 D. ガイガー /T. スミッツ DL Motobox Kremer Racing by 321 YZF-R1 ヤマハ 180 8 111 2:20.587 07:56:00.772
19 23 佐野 優人 /佐野 勝人/柳川 明 BS Bridgestone KRP SANYOKOGYO & RS-ITOH ZX-10R カワサキ 180 8 90 2:22.126 07:56:06.459
20 17 野左根 航汰 /羽田 太河/荒川 晃大 BS Bridgestone Astemo Pro Honda SI Racing CBR1000RR-R ホンダ 179 9 90 2:17.322 07:54:20.721