• 開催場所:HSR九州
  • 開催日:2021年10月09日(土) 〜 2021年10月10日(日)
【2021年全日本モトクロス選手権 Rd.6 HSR九州大会 IA1クラス】山本鯨が今季2度目の両ヒート制覇で、ポイントランキングではトップに2点差まで接近!
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9月中旬に予定されていた第5戦近畿大会が、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で中止されたことから、約4ヵ月間のインターバルを挟むことになった全日本モトクロス選手権。第2戦中国大会が11月下旬に延期されているため、この第6戦HSR九州大会がシーズン4戦目となる。
ホンダの二輪車国内生産を一手に受け持つ熊本製作所に隣接した、複合モータースポーツ&研修施設のHSR九州。そのモトクロスコースは阿蘇の外輪山を望むフラットな土地に設けられていて、広いコース幅と超ハイスピードレイアウトを特徴としてきた。今季開幕戦の舞台にもなったが、今大会前にコースの後半を中心にレイアウトを変更。この後半セクションはこれまでよりもややロースピードで、勝負どころとなる低めの6連ジャンプはあるものの、全体としては難しいジャンプが削減された安全性重視の仕様とされた。
阿蘇の火山灰に由来する黒土の路面は、事前に深く掘り起こされたが、長いこと雨が降らず、レースウィークは10月とは思えない最高気温30度前後の暑さが続き、さらに土日とも風が強めだったことから、乾燥により下のほうは深く締まり、その上にパウダー状の粒子が細かい土が多く堆積する状況となった。土曜日は走行や風により大量の土ボコリが舞っていたが、日曜日は入念な散水作業とパウダーの除去により状況がだいぶ改善。ただし、掘り起こしによる効果は薄く、多くのセクションがハードパック路面となった。天候は土日とも晴天。日曜日も最高気温は30度に達した。

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■決勝ヒート1
ホールショットの小方誠(Honda,DL)をパスして、オープニングラップ前半で#1山本鯨(Honda,BS)がトップに浮上。スタート直後、#6小島庸平(Honda,BS)や#10横澤拓夢(Honda,BS)や#14道脇右京(Honda,BS)がクラッシュして出遅れた。レース序盤、山本は1~2秒後方に小方を引き連れながらトップを快走。5周目後半、フラットな中速コーナーで小方がタイヤを滑らせて真横を向くミスしたことで、山本のアドバンテージは約3秒に拡大した。
その翌周、小方はペースを取り戻したが、7周目には再び少しペースダウン。逆に山本は、同じ周にライバルたちより約1秒速いこのレースのファステストラップタイムを叩き出し、リードを拡大していった。10周目、2番手には小方に代わり富田俊樹(Yamaha,DL)が浮上したが、この段階で山本のアドバンテージは約10秒。30分+1周のレースは16周でチェッカーとなり、最後まで危なげなくトップを守った山本が、途中から独走で今季3勝目を挙げた。

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■決勝ヒート2このヒートでも#1山本鯨(Honda,BS)は抜群のスタートダッシュを決め、今回はホールショットでレースを開始。1周目、その背後には渡辺祐介(Yamaha,DL)が迫ったが、2周目になると1~2秒の間隔が築かれた。レース序盤、山本と渡辺のトップ争いは膠着状態となり、その後方には能塚智寛(Kawasaki,DL)や小方誠(Honda,DL)もそれぞれ3秒前後の間隔を開けて続いた。しかし5周目、山本が前の周よりも一気に4秒近くペースアップ。これでまずは約3秒のリードを得た。
後続のライバルに対して揺さぶりをかける山本は、6~10周目もハイペースをキープ。2番手の渡辺は山本よりラップタイムで1~2秒遅く、10周目の段階で山本のリードは約9秒まで拡大した。これにより大きな余裕を得た山本は、11周目以降にややペースを落としながらもトップを独走。レースは再び16周でチェッカーとなり、山本が両ヒート優勝を達成した。今大会の結果、ポイントランキングではトップの渡辺に対して山本が2点差まで迫った。

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●山本鯨(決勝ヒート1/優勝、ヒート2/優勝)
「レースは何が起こるかわかりませんが、終わってみれば完璧なレースができたと思います。6月の第4戦終了時点で、自分はポイントランキングでライバルにリードを許している立場だったので、長いインターバルの間はとにかくやるしかないという気持ちで準備を進めてきました。当初は9月に第5戦が実施される予定で、これまでもこの近畿大会がシーズンのターニングポイントとなることがあったので、そこに向けて調整。9月の段階で一度ピークに達していたのですが、大会中止により計画が狂いました。とはいえ、あの状況で中止というのは仕方がないこと。自分にできることをやるだけと決め、周囲のサポートを得ながら今大会に向けて仕切り直しました。今回は砂の搬入による事前整備がなく、いくら水を撒いてもどんどん黒土が乾き、ハードパックになった部分と削れたパウダー状の土が堆積した部分がある状況。今回もタイヤはX20を使用しましたが、路面状況に合わせて調整を施して、より速さを発揮できるよう工夫しました。ハード路面もパフパフのところも、両方とも得意という意識ですが、決勝ではタイヤに合わせてハードパックのラインを多めに選び、これも速さにつながったと感じています」

レース結果

コース:HSR九州

[ヒート1]

決勝

  • 開催日:2021/10/10
  • 決勝出走:21
  • 完走:20
  • (1.9km x 16laps = 30.4km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 1 山本 鯨 BS Bridgestone Honda Dream Racing Bells CRF450R ホンダ 16 7 2:05.50 33:55.76
2 2 富田 俊樹 DL YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZ450FM ヤマハ 16 6 2:06.49 34:00.21
3 3 渡辺 祐介 DL YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZ450FM ヤマハ 16 10 2:06.69 34:02.42
4 5 能塚 智寛 DL Team Kawasaki R&D KX450SR カワサキ 16 7 2:07.30 34:19.31
5 4 小方 誠 DL Honda Dream Racing HAMMER CRF450R ホンダ 16 3 2:06.60 34:23.49
6 19 安原 志 DL 八尾カワサキ ANNEX KX450 カワサキ 16 3 2:08.45 34:47.78
7 16 池本 凌汰 DL KTMうず潮レーシング福山 450SX-F KTM 16 6 2:09.97 34:52.83
8 6 小島 庸平 BS Bridgestone Bells Racing CRF450R ホンダ 16 5 2:09.38 34:55.68
9 10 横澤 拓夢 BS Bridgestone TKM motor sports いわて CRF450R ホンダ 16 9 2:10.60 35:18.28
10 7 大塚 豪太 BS Bridgestone T.E.SPORT with GOSHI CRF450R ホンダ 16 5 2:11.51 35:21.81
11 28 町田 旺郷 BS Bridgestone TEAM 887 with YSP浜松 YZ450F ヤマハ 16 3 2:11.08 35:24.86
12 12 星野 裕 BS Bridgestone Team SBE RM-Z450 スズキ 16 6 2:12.41 35:47.19
13 14 道脇 右京 BS Bridgestone TEAM KOHSAKA with CARVEK CRF450R ホンダ 16 4 2:11.12 35:55.73
14 11 池谷 優太 DL TEAM HAMMER CRF450R ホンダ 15 1 2 2:12.37 34:04.61
15 18 道脇 白龍 BS Bridgestone TEAM KOHSAKA CRF450R ホンダ 15 1 3 2:14.48 34:24.26
16 05 西 元気 BS Bridgestone オートスポーツ清水 RM-Z450 スズキ 15 1 7 2:15.57 34:26.12
17 17 宗本 駿真 DL SP忠男広島 YZ450F ヤマハ 15 1 3 2:15.55 34:58.28
18 22 中村 泰介 DL RT MIKURA with ALL-ONE YZ450F ヤマハ 15 1 5 2:17.44 35:30.09
19 07 上原 巧 BS Bridgestone オートスポーツ清水 RM-Z450 スズキ 15 1 5 2:17.21 35:41.48
20 39 高原 佳紀 DL with T-factor RM-Z450 スズキ 14 2 4 2:22.56 34:40.00

レース結果

コース:HSR九州

[ヒート2]

決勝

  • 開催日:2021/10/10
  • 決勝出走:21
  • 完走:21
  • (1.9km x 16laps = 30.4km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 1 山本 鯨 BS Bridgestone Honda Dream Racing Bells CRF450R ホンダ 16 5 2:05.99 34:17.21
2 5 能塚 智寛 DL Team Kawasaki R&D KX450SR カワサキ 16 9 2:07.66 34:22.50
3 2 富田 俊樹 DL YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZ450FM ヤマハ 16 7 2:07.55 34:25.23
4 3 渡辺 祐介 DL YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZ450FM ヤマハ 16 7 2:07.12 34:33.76
5 4 小方 誠 DL Honda Dream Racing HAMMER CRF450R ホンダ 16 5 2:10.09 35:10.04
6 19 安原 志 DL 八尾カワサキ ANNEX KX450 カワサキ 16 7 2:10.95 35:34.02
7 6 小島 庸平 BS Bridgestone Bells Racing CRF450R ホンダ 16 7 2:12.07 35:45.19
8 14 道脇 右京 BS Bridgestone TEAM KOHSAKA with CARVEK CRF450R ホンダ 16 4 2:11.93 35:47.88
9 10 横澤 拓夢 BS Bridgestone TKM motor sports いわて CRF450R ホンダ 16 8 2:12.81 35:51.16
10 16 池本 凌汰 DL KTMうず潮レーシング福山 450SX-F KTM 16 13 2:12.50 35:52.32
11 12 星野 裕 BS Bridgestone Team SBE RM-Z450 スズキ 16 8 2:12.31 35:52.44
12 7 大塚 豪太 BS Bridgestone T.E.SPORT with GOSHI CRF450R ホンダ 16 8 2:12.31 35:52.44
13 28 町田 旺郷 BS Bridgestone TEAM 887 with YSP浜松 YZ450F ヤマハ 16 7 2:13.85 36:07.64
14 31 平山 力 DL RC弘前 & TSF KX450F カワサキ 15 1 4 2:15.41 34:44.70
15 11 池谷 優太 DL TEAM HAMMER CRF450R ホンダ 15 1 3 2:13.35 34:50.99
16 05 西 元気 BS Bridgestone オートスポーツ清水 RM-Z450 スズキ 15 1 6 2:16.29 35:08.07
17 18 道脇 白龍 BS Bridgestone TEAM KOHSAKA CRF450R ホンダ 15 1 2 2:16.89 35:29.99
18 17 宗本 駿真 DL SP忠男広島 YZ450F ヤマハ 15 1 8 2:19.33 35:38.56
19 07 上原 巧 BS Bridgestone オートスポーツ清水 RM-Z450 スズキ 15 1 2 2:18.76 36:03.53
20 22 中村 泰介 DL RT MIKURA with ALL-ONE YZ450FM ヤマハ 15 1 5 2:21.95 36:26.51