総合成績では鳥谷部が2位!
- 開催場所:HSR九州
- 開催日:2022年10月08日(土) 〜 2022年10月09日(日)
全7戦で競われる今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、シーズン前半こそインターバルが長めだったが、ラスト3戦は隔週開催。その初戦として、第5戦HSR九州大会が実施された。
今季開幕戦の舞台ともなった熊本県のHSR九州は、ホンダの熊本製作所に隣接した複合モータースポーツ&研修施設。その一角にあるモトクロスコースは、阿蘇の外輪山を望むフラットな土地に設けられていて、広いコース幅と超ハイスピードレイアウトと長めの全長を特徴としてきた。しかし今大会では、コース前半のハイスピードセクションが一部カットされ、レイアウト変更により低速区間が少し増加。さらに、本来の土質は阿蘇の噴火に由来する黒土だが、今大会の前にさまざまなセクションに大量の山砂が搬入され、マシンのパワーを喰われるようなサンド質路面の低速ターンも設けられた。
天候は、各クラスの予選が実施された土曜日が曇りのち晴れで、翌日の決勝日は朝から曇天。IA2決勝ヒート1のスタート直前から一時的に雨が降り、硬い路面が露出したセクションはややスリッピーになったが、コースコンディションにそれほど大きな影響を与えることはなかった。日曜日の最高気温は20℃で、陽射しがなく風が強めだったことから、肌寒い1日となった。
若手中心で競われる、4スト250ccマシンまたは2スト125ccマシンで出場できるIA2クラスは、同じHSR九州での開幕戦は15分+1周の決勝3ヒートで競われたが、今大会は30分+1周の2ヒートが設定された。
■決勝ヒート1
#10 柳瀬大河(Honda,BS)は2番手、#4 鳥谷部晃太(Yamaha,BS)は6番手で1周目をクリア。ところが2周目、ジェイ・ウィルソン(Yamaha,DL)に抜かれて3番手に後退した柳瀬は、前を走る鈴村英喜(Honda,DL)の攻略を試みたところで転倒し、9番手まで後退した。これで5番手に浮上した鳥谷部は、徐々に前との距離を詰め、5周目に入ったところで4台による2番手争いに加わった。
そしてこの周、鳥谷部は中島漱也(Yamaha,DL)と鈴村を次々に抜いて3番手浮上。さらに前を走る西條悠人(Kawasaki,DL)に接近すると、7周目には逆転に成功した。この段階でウィルソンは10秒以上先行。鳥谷部は西條を4秒ほど引き離した。一方の柳瀬は、7周目に6番手まで順位を回復。一時は前を走る中島に迫ったが、13周目以降にややペースが落ちた。レースは17周で終了。鳥谷部が今季2度目の2位、柳瀬が6位となった。
■決勝ヒート2
スタート直後、#4 鳥谷部晃太(Yamaha,BS)は#10 柳瀬大河(Honda,BS)に次ぐ5番手のポジションを確保したが、混戦の中で他車との接触があり順位を落とし、1周目15番手の苦しいレース展開となった。そのオープニングラップで、#36 横澤拓夢(Honda,BS)が柳瀬を抜いて4番手浮上。横澤は3周目に鈴村英喜(Honda,DL)をパスして、3番手に浮上した。柳瀬は鈴村の攻略に手間取り、この間に横澤が6秒ほどリードした。
7周目、柳瀬は鈴村を抜いて4番手に浮上すると、ここから横澤を猛追。10周目には両者が接近戦となり、12周目に柳瀬が先行した。この段階で、柳瀬と前を走る西條悠人(Kawasaki,DL)は約5秒差。しかし柳瀬は再び徐々に距離を詰め、14周目にあっさりとパスした。そしてレースは17周でチェッカー。柳瀬が2位に入賞して、全日本での自己最高位を更新した。また鳥谷部は、怒涛の追い上げで4位入賞を果たした。
●鳥谷部晃太(決勝ヒート1/2位、ヒート2/4位)
「今回は路面にサンドがかなり入れられた状態だったので、土曜日の段階からタイヤの選択に悩みました。土曜日までは前後とも軟質路面用のBATTLECROSS X20で走ったのですが、スタート直後のストレートから1コーナーにかけてもサンドが多めだったので、スタートのことも考え、フロントはX20のままリヤをサンド向きのX10にしました。ヒート1は、1周目6番手あたりでしたが、そこから自分のリズムをつかめ、久々にいい走りができたと思います。ヒート2も、スタート直後は5番手あたりと悪くなかったのですが、混戦の中で他車に2回接触され、それでバランスを崩したのと自分の焦りを招き、15番手まで落ちてしまいました。そこからは、最初の10分と最後の10分を勝負と考えて追い上げ、最後は3番手と2番手のライダーが見えるところまで上がれたのですが、一歩届きませんでした。先月下旬にモトクロス・オブ・ネイションズに出場させてもらい、そこで学んだことをとくにヒート1では発揮できましたが、まだ優勝したジェイ・ウィルソン選手は遠かったです。でも残り5ヒートあるので、最後まで諦めず挑んでいきます」
決勝
- 開催日:2022/10/09
- 決勝出走:30
- 完走:28
- (1.9km x 17laps = 32.3km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | J. ウイルソン | DL | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZ250F | ヤマハ | 17 | 7 | 1:52.760 | 32:30.240 | ||
2 | 4 | 鳥谷部 晃太 | BS | bLU cRU TEAM エムFACTORY by NCXX | YZ250F | ヤマハ | 17 | 7 | 1:54.067 | 32:49.141 | ||
3 | 7 | 西條 悠人 | DL | ピュアテックレーシング | KX250 | カワサキ | 17 | 6 | 1:54.772 | 32:51.465 | ||
4 | 21 | 浅井 亮太 | DL | bLU cRU フライングドルフィン サイセイ | YZ450F | ヤマハ | 17 | 5 | 1:55.027 | 32:53.338 | ||
5 | 5 | 中島 漱也 | DL | bLU cRU レーシングチーム 鷹 | YZ250F | ヤマハ | 17 | 13 | 1:55.024 | 32:54.594 | ||
6 | 10 | 柳瀬 大河 | BS | Bells Racing | CRF250R | ホンダ | 17 | 5 | 1:54.694 | 33:00.601 | ||
7 | 36 | 横澤 拓夢 | BS | TKM motor sports いわて | CRF250R | ホンダ | 17 | 8 | 1:55.865 | 33:11.339 | ||
8 | 26 | 阿久根 芳仁 | BS | マウンテンライダーズ | KX250 | カワサキ | 17 | 5 | 1:55.721 | 33:14.319 | ||
9 | 33 | 小笠原 大貴 | BS | Auto Brothers | YZ250F | ヤマハ | 17 | 7 | 1:55.693 | 33:16.270 | ||
10 | 11 | 鴨田 翔 | DL | BLITZ | KX250 | カワサキ | 17 | 8 | 1:55.901 | 33:23.806 | ||
11 | 9 | 鈴村 英喜 | DL | TEAM HAMMER | CRF250R | ホンダ | 17 | 15 | 1:56.458 | 33:27.834 | ||
12 | 18 | 福村 鎌 | BS | Team SBE | RM-Z250 | スズキ | 17 | 6 | 1:57.154 | |||
13 | 17 | 小川 孝平 | DL | Team ITOMO | YZ250F | ヤマハ | 17 | 8 | 1:57.373 | 33:50.112 | ||
14 | 28 | 米田 海斗 | DL | YSP浜松 / BOSS RACING | YZ250F | ヤマハ | 17 | 10 | 1:58.041 | 33:51.851 | ||
15 | 22 | 佐々木 麗 | BS | Y's Racing with 東北トラス | YZ250F | ヤマハ | 17 | 9 | 1:57.892 | 33:52.373 | ||
16 | 55 | 佐藤 沙弐 | BS | TSF RACING & ガーディアンツリー | KX250 | カワサキ | 17 | 7 | 1:57.896 | 34:05.478 | ||
17 | 09 | 那須 愛斗 | BS | ★MOTION RACING★ | YZ250F | ヤマハ | 17 | 7 | 1:58.942 | 34:07.167 | ||
18 | 51 | 高師 永潤 | DL | ピュアテックレーシング | KX250 | カワサキ | 17 | 17 | 1:58.449 | 34:07.923 | ||
19 | 46 | 室井 政伸 | BS | 竹沢OFC | YZ250F | ヤマハ | 17 | 13 | 1:58.675 | 34:12.494 | ||
20 | 45 | 渡辺 陵 | BS | Team PITIN | YZ250F | ヤマハ | 17 | 5 | 1:57.715 | 34:12.954 |
決勝
- 開催日:2022/10/09
- 決勝出走:30
- 完走:27
- (1.9km x 17laps = 32.3km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | J. ウイルソン | DL | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZ250F | ヤマハ | 17 | 4 | 1:52.901 | 32:40.397 | ||
2 | 10 | 柳瀬 大河 | BS | Bells Racing | CRF250R | ホンダ | 17 | 10 | 1:54.501 | 32:48.987 | ||
3 | 21 | 浅井 亮太 | DL | bLU cRU フライングドルフィン サイセイ | YZ250F | ヤマハ | 17 | 4 | 1:54.216 | 32:51.625 | ||
4 | 4 | 鳥谷部 晃太 | BS | bLU cRU TEAM エムFACTORY by NCXX | YZ250F | ヤマハ | 18 | 9 | 1:54.770 | 32:54.557 | ||
5 | 7 | 西條 悠人 | DL | ピュアテックレーシング | KX250 | カワサキ | 17 | 4 | 1:53.436 | 32:55.442 | ||
6 | 5 | 中島 漱也 | DL | bLU cRU レーシングチーム 鷹 | YZ250F | ヤマハ | 17 | 10 | 1:54.327 | 32:57.044 | ||
7 | 36 | 横澤 拓夢 | BS | TKM motor sports いわて | CRF250R | ホンダ | 17 | 3 | 1:54.315 | 32:58.103 | ||
8 | 9 | 鈴村 英喜 | DL | TEAM HAMMER | CRF250R | スズキ | 17 | 10 | 1:55.293 | 32:58.273 | ||
9 | 11 | 鴨田 翔 | DL | BLITZ | KX250 | カワサキ | 17 | 3 | 1:55.468 | 33:08.257 | ||
10 | 18 | 福村 鎌 | BS | Team SBE | RM-Z250 | スズキ | 17 | 10 | 1:56.406 | 33:20.155 | ||
11 | 45 | 渡辺 陵 | BS | Team PITIN | YZ250F | ヤマハ | 17 | 8 | 1:55.648 | 33:23.893 | ||
12 | 26 | 阿久根 芳仁 | BS | マウンテンライダーズ | KX250 | カワサキ | 17 | 6 | 1:56.846 | 33:26.348 | ||
13 | 20 | 神田橋 瞭 | DL | Team 輪生館 | KX250 | カワサキ | 17 | 10 | 1:56.470 | 33:27.760 | ||
14 | 22 | 佐々木 麗 | BS | Y's Racing with 東北トラス | YZ250F | ヤマハ | 17 | 5 | 1:57.229 | 33:32.373 | ||
15 | 17 | 小川 孝平 | DL | Team ITOMO | YZ250F | ヤマハ | 17 | 15 | 1:56.677 | 33:33.554 | ||
16 | 28 | 米田 海斗 | DL | YSP浜松 / BOSS RACING | YZ250F | ヤマハ | 17 | 3 | 1:57.554 | 33:46.687 | ||
17 | 31 | 近藤 雄紀 | BS | Team SBE | RM-Z250 | スズキ | 17 | 9 | 1:57.735 | 33:48.304 | ||
18 | 46 | 室井 政伸 | BS | 竹沢OFC | YZ250F | ヤマハ | 17 | 5 | 1:58.312 | 34:04.105 | ||
19 | 33 | 小笠原 大貴 | BS | Auto Brothers | YZ250F | ヤマハ | 17 | 2 | 1:57.357 | 34:07.979 | ||
20 | 51 | 高師 永潤 | DL | ピュアテックレーシング | KX250 | カワサキ | 17 | 5 | 1:57.905 | 34:10.034 |