• 開催場所:HSR九州
  • 開催日:2023年10月08日(日) 〜 2023年10月08日(日)
【2023年全日本モトクロス選手権 Rd.7 HSR九州大会  IA2クラス】ヒート2で池田凌が今シーズン2勝目! ランキング2番手の横澤拓夢はトップと18点差
jmx7_sun_1 (878).jpg

今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、今大会を含み残り3戦。IA1クラスとIA2クラスのみに限定された第7戦HSR九州大会が、開幕戦でも使用された熊本県のHSR九州で開催された。
ホンダの熊本製作所に隣接した複合モータースポーツ&研修施設の一角にあるHSR九州のモトクロスコースは、阿蘇の外輪山を望むフラットな土地に設けられていて、広いコース幅と超ハイスピードレイアウトを特徴としてきたが、昨年の改修によりテクニカル区間が増加。今大会は、今季開幕戦に続いてそのレイアウトを基本的に踏襲しながら、ジャンプやリズムセクションの変更など、一部がリセッティングされた。本来の土質は阿蘇の噴火に由来する黒土だが、近年は山砂を搬入しながら整備されている。

jmx7_sun_3 (36).jpg

今大会は日曜日のみのワンデースケジュールで開催され、若手と中堅のライダーが中心となるIA2クラスは、公式練習を兼ねた20分間のタイムアタック予選、20分+1周の決勝ヒート1とヒート2を実施。さらに、この2ヒート総合成績で上位15位までに入った選手のみ、全日本最高峰となるIA1クラスの2ヒート総合成績上位15台と混走する15分+1周のIAオープン決勝に出走できるという、変則的な3ヒート制で競われた。
大会当日は朝から強めの雨が降り、前日まではドライだった路面コンディションは徐々に悪化。雨を予想して路面は全体的に固められており、予選の段階ではまだ比較的走りやすい状態だったが、走行と降り止まない雨の影響ですぐに荒れ、決勝はマディコンディションで競われることになった。

jmx7_sun_2 (2762).jpg

■決勝ヒート1
前戦でトップのビクトル・アロンソ(Yamaha,DL)に17点差まで近づいたランキング2番手の#5 横澤拓夢(Honda,BS)は、スタート直後に混戦の中で順位を上げ、一時は中島漱也(Yamaha,DL)を抜いて3番手。
すぐに再逆転されたが、4番手で1周目をクリアした。#11 阿久根芳仁(Kawasaki,BS)や#3 柳瀬大河(Honda,BS)、#18 池田凌(Kawasaki,BS)がこれに続くと、2周目には池田が5番手浮上。横澤は4番手の鈴村英喜(Honda,DL)、池田は横澤を、それぞれ2~3秒差で追った。
4周目、阿久根と6番手を争っていた柳瀬が転倒。これで柳瀬は9番手まで順位を下げた。レースが後半に入った6周目、ややペースが上がらない横澤に池田が近づきパッシングに成功。これで勢いづいた池田は、翌周には数秒先を走っていた鈴村に追いつき逆転した。この段階で上位2台との距離は離れていて、レースは10周でチェッカーとなったことから、池田は3位でフィニッシュ。横澤が5位、4周目から順位を守った阿久根が7位、柳瀬は8位でゴールしている。jmx7_sun_2 (3471).jpg

jmx7_sun_3 (759).jpg

■決勝ヒート2
ホールショットを奪ったのは#3 柳瀬大河(Honda,BS)。ところが1コーナーの先にあるジャンプの着地付近でバランスを崩してコースアウトを喫し、これで田中淳也(Yamaha,DL)がトップ、#18 池田凌(Kawasaki,BS)が2番手、#5 横澤拓夢(Honda,BS)が3番手となった。
3周目には、池田が田中をパスしてトップに浮上。5番手の鈴村英喜(Honda,DL)が4番手の中島漱也(Yamaha,DL)から遅れたことから、トップ集団は池田と田中と横澤と中島の4台となった。
この中で着実にリードを拡大する先頭の池田に対して、横澤はややペースに苦しみ、4周目には中島の先行を許して4番手にダウン。さらにその背後には、一度は遅れていた5番手集団のバトルを制した浅井亮太(Yamaha,DL)が迫ってきた。レース後半、横澤は浅井や鴨田翔(Kawasaki,DL)にパスされて6番手に。一方、トップの池田はやや中島に接近されながらも、トップを独走した。
そして10周のレースで、池田が今季2度目の勝利。横澤が6位、追い上げた柳瀬が9位でゴールした。jmx7_sun_3 (106).jpg

jmx7_sun_3 (1041).jpg

●池田凌(決勝ヒート1/3位、ヒート2/優勝、IAオープン/16位)
「第4戦中国大会でようやくIA初優勝を達成して以降、2戦連続で表彰台圏内のゴールすらできずにいたのですが、消極的なレースをしていたわけではなく、攻めた結果の転倒とかだったので、そこまでマイナスに捉えていたわけではありませんでした。同じようにアグレッシブなレースを続けていれば、きっとまた好成績が残せると信じていたので、今大会でそれを再確認できたことがうれしいです。ヒート1はスタートが本当に酷かったのですが、北海道出身なので雪の上でバイクに乗っていた経験が多く、マディに対する苦手意識はまるでないので、しっかり追い上げていこと心がけました。ヒート2は、ラインがかなり限られている状況でしたが、スタート直後に田中淳也選手しか前にいなかったので、確実にパスして引き離すことができました。IAオープンは途中で転倒もあったのですが、それを抜きにしても、うまく走れませんでした。250ccでも5位や6位に入賞している選手がいるので、悔しい結果になりました」
「タイヤは、フロントが軟質路面用のBATTLECROSS X20、リアはマディやサンドに適したX10をチョイス。少し悩みましたが、スタートで前のほうにいないとお話にならないので、それならリアはX10だろうと考えました。予選はかなり平らな路面でしたが、走行によりラインやワダチができてきたので、それなら直進性を優先できると思って、最終的には自信を持って決勝に臨むことができました。結局、スタートでは出遅れましたが、これはタイヤのせいではなく自分のスキルが原因。もっと精度を高めて次戦に臨みます」

レース結果

コース:HSR九州

[ヒート1]

決勝

  • 開催日:2023/10/08
  • 決勝出走:29
  • 完走:29
  • (1.9km x 10laps = 19km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 4 中島 漱也 DL bLU cRU フライングドルフィン サイセイ YZ250F ヤマハ 10 2:18.335 23:20.492
2 9 鴨田 翔 DL Kawasaki PLAZA 東大阪 KX250 カワサキ 10 2:20.197 23:28.739
3 18 池田 凌 BS Bridgestone Yogibo MOUNTAIN RIDERS KX250 カワサキ 10 2:19.983 23:36.368
4 7 鈴村 英喜 DL TEAM HAMMER CRF250R ホンダ 10 2:20.959 23:42.499
5 5 横澤 拓夢 BS Bridgestone TKM motor sports いわて CRF250R ホンダ 10 2:21.053 23:56.316
6 58 V. アロンソ DL Auto Brothers YZ250F ヤマハ 10 2:19.124 23:58.890
7 11 阿久根 芳仁 BS Bridgestone Yogibo MOUNTAIN RIDERS KX250 カワサキ 10 2:20.937 23:59.264
8 3 柳瀬 大河 BS Bridgestone Bells Racing CRF250R ホンダ 10 2:21.310 24:11.815
9 13 福村 鎌 BS Bridgestone Team SBE RM-Z250 スズキ 10 2:22.331 24:15.657
10 2 浅井 亮太 DL bLU cRU フライングドルフィン サイセイ YZ250F ヤマハ 10 2:24.095 24:18.432
11 16 神田橋 瞭 DL Team GANZ KX250 カワサキ 10 2:24.144 24:42.393
12 8 西條 悠人 DL ピュアテックレーシング KX250 カワサキ 10 2:23.861 24:59.235
13 12 渡辺 陵 BS Bridgestone Team PITIN YZ250F ヤマハ 10 2:26.616 25:13.044
14 14 佐々木 麗 BS Bridgestone Y's Racing with 東北トラス YZ250F ヤマハ 10 2:27.000 25:18.806
15 34 山崎 巧也 BS Bridgestone T.E.SPORT CRF250R ホンダ 10 2:29.615 25:19.789
16 17 田中 淳也 DL YSP浜松BOSSRACING YZ250F ヤマハ 10 2:21.873 25:20.388
17 53 尾崎 大二郎 BS Bridgestone YSP浜北大橋レーシング YZ250F ヤマハ 10 2:29.039 25:40.609
18 28 大塚 貴斗 BS Bridgestone T.E.SPORT CRF250R ホンダ 10 2:28.712 25:45.274
19 06 齋藤 銀汰 DL bLU cRU 野田ジュニアRC YZ250F ヤマハ 9 1 2:30.960 23:22.793
20 03 平塚 豪 DL 城北ライダース KX250 カワサキ 9 1 2:27.276 23:24.252

レース結果

コース:HSR九州

[ヒート2]

決勝

  • 開催日:2023/10/08
  • 決勝出走:27
  • 完走:27
  • (1.9km x 10laps = 19km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 18 池田 凌 BS Bridgestone Yogibo MOUNTAIN RIDERS KX250 カワサキ 10 2:21.659 23:41.646
2 4 中島 漱也 DL bLU cRU レーシングチーム 鷹 YZ250F ヤマハ 10 2:21.333 23:50.937
3 17 田中 淳也 DL YSP浜松BOSSRACING YZ250F ヤマハ 10 2:22.737 23:57.398
4 2 浅井 亮太 DL bLU cRU フライングドルフィン サイセイ YZ250F ヤマハ 10 2:22.366 24:08.327
5 9 鴨田 翔 DL Kawasaki PLAZA 東大阪 KX250 カワサキ 10 2:22.023 24:12.076
6 5 横澤 拓夢 BS Bridgestone TKM motor sports いわて CRF250R ホンダ 10 2:22.826 24:17.669
7 7 鈴村 英喜 DL TEAM HAMMER CRF250R ホンダ 10 2:24.284 24:18.650
8 16 神田橋 瞭 DL Team GANZ KX250 カワサキ 10 2:25.522 24:43.847
9 3 柳瀬 大河 BS Bridgestone Bells Racing CRF250R ホンダ 10 2:26.304 24:48.704
10 25 土屋 元希 IRC 京都ボブキャット KX250 カワサキ 10 2:27.263 24:52.099
11 58 V. アロンソ DL Auto Brothers YZ250F ヤマハ 10 2:20.377 24:53.758
12 8 西條 悠人 DL ピュアテックレーシング KX250 カワサキ 10 2:24.974 24:56.782
13 12 渡辺 陵 BS Bridgestone Team PITIN YZ250F ヤマハ 10 2:25.472 25:09.620
14 14 佐々木 麗 BS Bridgestone Y's Racing with 東北トラス YZ250F ヤマハ 10 2:25.445 25:10.777
15 03 平塚 豪 DL 城北ライダース KX250 カワサキ 10 2:28.859 25:27.185
16 28 大塚 貴斗 BS Bridgestone T.E.SPORT CRF250R ホンダ 10 2:30.558 25:33.094
17 13 福村 鎌 BS Bridgestone Team SBE RM-Z250 スズキ 10 2:28.007 25:37.017
18 56 那須 愛斗 BS Bridgestone ★MOTION RACING★ YZ250F ヤマハ 10 2:29.777 25:47.388
19 04 千葉 蓮希 BS Bridgestone T.E.SPORT CRF250R ホンダ 10 2:30.472 25:58.119
20 36 根岸 瑞生 BS Bridgestone T.E.SPORT CRF250R ホンダ 10 2:31.825 26:10.905