【2023年全日本モトクロス選手権 Rd.7 HSR九州大会 IA OPENクラス】2位入賞を狙った大倉由揮は、レース後半に惜しくも転倒を喫して4位でゴール

全日本モトクロス選手権第7戦HSR九州大会は、IA1とIA2に開催クラスが限定され、各クラスの2ヒート終了後に、IA1とIA2の混走によるIAオープンクラスが実施された。
今大会は日曜日のみのワンデースケジュールかつ変則的なレースフォーマットが用いられ、IA1クラスとIA2クラスともに、公式練習を兼ねた20分間のタイムアタック予選、20分＋1周の決勝ヒート1とヒート2を実施。この2ヒート総合成績で各クラス15位以内となった選手が、15分＋1周のIAオープン決勝に出走できる方式とされた。

IAオープンのレースでは、クラスを考慮せず通常のレースと同様に15位以内でゴールした選手にポイントが与えられ、大会総合成績はこのポイントを含む合計得点により決定された（IAオープンに出場できなかった選手は3ヒート目が0点）。マシンはIA1クラスが4スト450cc、IA2クラスは4スト250ccとなるため、加速などのパワー勝負ではIA1が有利。一方でIA2クラスのマシンは軽さが武器となる。なお全日本におけるIA1とIA2の混走は、2010年の2大会でIAシュートアウトとして試験導入されて以来となる。
大会当日は朝から大量の降雨。この日のラストレースとなったIAオープンの時間帯には雨が止み、直前には各所にコース整備が施されたこともあり路面状況はやや回復傾向とはいえ、かなりスリッピーなコンディションでのレースとなった。

■決勝
IA1勢がスタート直後に上位を占め、小方誠（Honda,DL）とジェイ・ウィルソン（Yamaha,DL）に、#4 大城魁之輔（Honda,BS）と#1 富田俊樹（Yamaha,BS）と#3 渡辺祐介（Yamaha,BS）が続いてレース開始。1周目からクラッシュが多く、IA2の#5 横澤拓夢（Honda,BS）とIA1の#8 内田篤基（Kawasaki,BS）が接触転倒により大きく出遅れた。
2番手に後退した小方がミスする間に、後方からするすると順位を上げてきた#6 大倉由揮（Honda,BS）が逆転。2周目に入るところで大倉は能塚智寛（Kawasaki,DL）に並ばれたが、ここで能塚がエンストして大倉がリードを得た。
2周目には、5番手の富田や8番手の大城が転倒し、大城は負傷リタイア。2番手走行の大倉は、オープニングラップで4秒ほどあったウィルソンとのギャップをやや詰めて約3秒差とした。しかし4周目以降、ウィルソンがスパート。これに大倉も対応したがやや及ばず、両者のギャップは約5秒に拡大した。
6周目、大倉は後方から能塚に迫られたところで転倒。さらに、7周目に入るところでも激しくクラッシュし、IA2の浅井亮太（Yamaha,DL）に接近されたが、ここは最後まで抑え、大倉は4位でフィニッシュした。渡辺は7位、富田は11位、横澤はポイント獲得圏外の17位に終わった。