- 開催場所:スポーツランドSUGO
- 開催日:2024年10月19日(土) 〜 2024年10月20日(日)
今季は全8戦となった全日本モトクロス選手権シリーズは、いよいよシーズン最終戦。第62回MFJ-GPモトクロス大会が、今季第4戦の舞台にもなった宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
モトクロス以外にもロードレースやトライアル、エンデューロやスーパーモトの全日本選手権を開催している、複合モータースポーツ施設のスポーツランドSUGO。そのインターナショナルモトクロスコースは、ふたつの丘にまたがるように設けられ、序盤に待ち受ける上り急こう配の「大坂」をはじめ、土地そのものが持つ起伏を活かした豊富なアップ&ダウンも特徴とする。今大会では、アウトラインを第4戦の状態から継承しつつ、ジャンプやリズムセクションのリニューアルなどを施したレイアウトが用いられた。
各クラスの予選などが実施された土曜日の夜に雨が降り、夜中には強風が吹き荒れる嵐のような状態に。しかし翌朝には天候が回復し、決勝が行なわれた日曜日は晴れ時々曇りとなった。粘土質の路面に降雨の影響はほとんどなく、朝の段階でも適度に水分を含んだベストな状態。ただしこれにより、スモールホイールのレディースクラスマシンで攻略するのが難しい、深いワダチが刻まれることになった。レディースクラスの決勝は15分+1周の1レースのみで、昼休み後に実施されたことから、路面はかなり乾いた状況。最高気温は16℃で、東北の秋を感じさせる陽気だった。
このクラスは、前戦終了時点で#1 川井麻央(Honda,BS)と#2 本田七海(Yamaha,BS)が同点で並び、さらに6点差で川上真花(Yamaha,PI)が追うという、し烈なチャンピオン争いがこの最終戦まで継続。川井と本田は、優勝または2位で相手よりも先にゴールすれば、自力でシリーズタイトル獲得を決められる状況だった。
■決勝レース
ホールショットを奪ったのは#2 本田七海(Yamaha,BS)。これに#1 川井麻央(Honda,BS)が続くと、まずは本田が2秒ほどのリードを奪い、川井は箕浦未夢(Honda,DL)の追撃を許した。2周目、川井は箕浦を2秒ほど離したが、ラップタイムは本田のほうが1秒以上速く、本田がアドバンテージを拡大。3周目の段階で、本田のリードは約3.5秒となり、川井は箕浦を6秒以上離した。4~5周目にかけ、本田と川井のラップタイムはほぼ互角。この2台から遅れた箕浦の背後には、川上が接近した。
6周目、本田がジャンプでバランスを崩して転倒しかけ、これで川井が急接近。両者が接近戦となって7周目に突入すると、中盤のリズムセクションで川井が先行した。抜かれた本田は、遅れることなく川井を追撃したが、レースは翌周でチェッカー。そのまま逃げ切った川井が勝利を収めると同時に、2年連続4度目のシリーズタイトル獲得を決めた。本田は、昨年に続いて最終戦の直接対決に敗れ、レースとランキングともに2位。川井は今季7戦中5勝と、勝利数ではライバルを圧倒した。
●川井麻央(決勝レース/優勝)
「決勝は本田七海選手との直接対決となり、1周目からこちらが追いかける展開でしたが、正直なところギャップを縮めることができずにいました。向こうが必死に逃げていることは伝わってきたし、もちろんこちらも全開で走っていたのですが、むしろ離れていくような感覚。何度も転びそうになったので、これはもう無理かもと思いました。でも、最後にチャンスが来るかもしれないし、とにかく必死に追い続けました。そうしたら、なぜ急に差が縮まったのかまるで把握できなかったのですが、とにかく相手が突然目の前にいる状況に。とはいえ、レース時間はもうあまり残されていない感じだったので、こうなったらいけそうなところで勝負するしかないと思いました。
タイヤは、前後ともに軟質路面用のBATTLECROSS X20をチョイス。路面はハードになりかけで、難しいコンディションでしたが、レディースクラスのラインでも十分に路面を捉えてくれて、信頼して走れました。
今年は、マシンの技術規則違反で開幕戦が失格扱いとなり、これで自分がチャンピオンになれなかったら、自分を支えてくれてきた人たちまで悪く見られてしまいそうで、是が非でもシリーズタイトルを獲りたいと思っていました。決勝はもっと緊張するかとも思いましたが、昨年も同じような状況を経験していたからか、意外とカラダは動きました。最後は気持ちで掴み取ったチャンピオン。応援してくれた方々に、本当に感謝しています」
決勝
- 開催日:2024/10/20
- 決勝出走:17
- 完走:17
- (1.6km x 8laps = 12.8km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 1 | 川井 麻央 | BS | T.E.SPORT | CRF150RⅡ | ホンダ | 8 | 2:11.365 | 17:47.815 | |||
2 | 2 | 本田 七海 | BS | TEAM KOH-Z LUTZ with 中⻄建設㈱ | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 2:11.780 | 17:49.167 | |||
3 | 4 | 川上 真花 | PI | bLU cRU YSP大阪箕面 | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 2:13.578 | 18:17.541 | |||
4 | 3 | 箕浦 未夢 | DL | Team ITOMO | CRF150RⅡ | ホンダ | 8 | 2:15.632 | 18:22.238 | |||
5 | 10 | 楠本 菜月 | DL | CRF150R | ホンダ | 8 | 2:20.217 | 19:07.492 | ||||
6 | 7 | 赤松 樹愛 | BS | FACTORY BEAR RACING TEAM CLUB Y's | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 2:23.024 | 19:30.524 | |||
7 | 5 | 瀬尾 柚姫 | DL | TEAM HAMMER | CRF150RⅡ | ホンダ | 8 | 2:19.457 | 19:38.600 | |||
8 | 17 | 河合 華翔菜 | DL | STORY RACiNG with GASGAS岡山 | MC85 | GASGAS | 8 | 2:25.619 | 19:54.007 | |||
9 | 18 | 松永 朋子 | BS | tm&mm | CRF150RⅡ | ホンダ | 8 | 2:26.924 | 19:59.587 | |||
10 | 31 | 大久保 梨子 | DL | KTM TOKAI Racing with ゆめチャンネル&331 | 85SX | KTM | 7 | 1 | 2:27.120 | 18:01.608 | ||
11 | 11 | 穗苅 愛香 | DL | TOMOレーシング&美蔵 | YZ85LW | ヤマハ | 7 | 1 | 2:25.415 | 18:21.173 | ||
12 | 13 | ペレーラ 瞳美 | DL | MC85 | GASGAS | 7 | 1 | 2:25.503 | 18:22.963 | |||
13 | 9 | 松木 紗子 | BS | マウンテンライダーズ | KX85 | カワサキ | 7 | 1 | 2:29.314 | 18:26.793 | ||
14 | 16 | 佐々木 夢月 | BS | Y's Racing with 東北トラス | YZ85LW | ヤマハ | 7 | 1 | 2:32.701 | 19:09.176 | ||
15 | 21 | 鑓水 よう子 | PI | 習志野レーシングクラブ with サドルバック | CRF150RⅡ | ホンダ | 7 | 1 | 2:41.307 | 19:42.792 | ||
16 | 30 | 渡辺 晴海 | DL | 高橋レーシング | KX85L | カワサキ | 7 | 1 | 2:49.166 | 20:19.487 | ||
17 | 39 | 伊與田 彩花 | BS | 98%RACING | YZ85LW | ヤマハ | 6 | 2 | 2:57.957 | 18:06.580 |