2019_mxt_1.JPG全日本モトクロス選手権で使用されるオートバイは、レース専用マシン(公道走行不可)ではあるが、基本的には国内4メーカー、海外メーカーが市販している車と同じモデルである。同様に、タイヤも公道を走ることはできないが、競技専用の市販タイヤとして販売されているものを使うのが基本だ。

使用されるのはブロックタイヤ。より路面に食い込み、さらに路面をかくことができるよう、コンディションに合わせたタイヤが準備される。ぬかるんだ路面のときは泥が詰まらないようにブロックの隙間が大きいものを、逆に路面が固いときは、接地面積を増やすためにブロックの隙間が小さいものを使用するのが一般的で、路面コンディションに応じた、ハード-ミディアム-ソフト-マッド用のパターンがあり、状況によって使い分ける。モトクロスは走行ラインも様々で、ライダーの好みや走り方によってタイヤの選択が分かれる事も多い。
現在のブリヂストンの商品ラインアップは、ハード用:X40、ミディアム用:X30、ソフト用:X20、マッド、サンド用:X10となっている。

モトクロスのタイヤ開発は難しい。MotoGP™や全日本ロードレース選手権といった、サーキットを舞台とするレースと違い、常に変化する路面状況、コンディションで使われる為テストやタイヤ評価も難しい。その上タイヤのグリップやハンドリング性能の良し悪しも、ライダーのライディングスタイルや好みで変わる事が多いので、良いタイヤの定義もしにくいのだ。
ポイントとなるのは、「ライダーのフィーリングにマッチしているか」ということ。モトクロスの場合、路面にグリップさせるだけでなく、意図的にスライドさせて走らせることもある。つまり、いかにライダーの意のままにコントロールできるタイヤであるかということが問われるのだ。
例えばモトクロスのライダーたちは、レースが進むにつれてコースにできる轍(わだち)や、柔らかさが変わったりする路面状況を見ながら、ライン取りや走り方を変える。そんな刻々と変化するライダーの要求にタイヤは応えられなければならない。そこがロードレース用タイヤの開発と最も異なるポイントであり、タイヤメーカーの技術力の見せ所と言える。

ブリヂストンは、モトクロス特有のさまざまな状況に対応するため、多種多様なブロック・パターンやコンパウンドのタイヤを用意して、モトクロスレース会場に臨む。