名越哲平が全日本初優勝・前田恵助が全日本初表彰台

  • 開催場所:筑波サーキット
  • 開催日:2016年04月10日(日) 〜 2016年04月10日(日)
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 ブリヂストンのワンメイクレースとして2年目となった全日本ロードレース選手権ST600クラス。初年度となった昨年は予選と決勝で1セットのタイヤルールだったが、2年目の今年は2セットに変更された。昨年チャンピオンの横江竜司は今季はエントリーしておらず、ランキング3位の大久保光は世界戦に挑戦開始。昨年のランキング2位のデチャ・クライサー、4位のチャロンポン・ポラマイというタイ人ライダー二人に加え、若手も多く参戦。開幕戦のエントリーは37台を数えた。
 土曜日の予選を制して全日本初ポールポジションを獲得したのは中山真太郎。2番手には筑波をホームコースとする榎戸育寛、3番手岩戸亮介と、若手の二人が健闘を見せる。ポラマイが2列目4番手グリッド。チームメイトのクライサーは金曜日の走行で転倒して体を痛め、9番手に沈んでしまう。

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 決勝では中山が好スタートを切ってレースをリードしたが、3周目には岩戸がトップ浮上。同時にトップ争いに加わっていた榎戸が転倒、7周目にはクライサーが転倒と激しい展開。11周目に全日本ルーキーの和田留佳が転倒し、赤旗となってレース中断。10周終了時点での順位でグリッドにつき直し、15周でレース再開。しかしスタート直後に亀井雄大が転倒。これでまたしても赤旗が提示された。
 3回目のスタート。今度はポラマイがホールショットを奪って集団を引っ張る。追いかけたのは岩戸。前田恵助・スポット参戦の高橋英倫・赤旗提示前に3番手に浮上していた名越哲平の3台が、表彰台争いを開始する。11周目、岩戸がトップ浮上。徐々に前田と高橋が遅れ出し、優勝争いは岩戸・ポラマイ・名越の3台に絞られた。
 ラスト2周にトップ奪回をねらったポラマイが転倒した挙句に岩戸に激突。2台が戦線離脱。これで名越が悠々とトップでチェッカーを受け、全日本初優勝を飾った。4位争いから2位争いに転じたバトルを前田が制し、全日本初表彰台を獲得した。

●名越哲平(予選8位/決勝1位)
「最終ラップに入るまで勝てるとは思いませんでした。岩戸選手がトップに立ってからペースが速く、付いて行くのに必死だったのですが、自分のペースで走ろうと切り替えて走ることを心がけました。前の2台が転倒してしまったので運もありますが、優勝することができてうれしいです」

●山田宏(株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー)
「ブリヂストンバトラックスR10のワンメイク2年目となるこのクラス、筑波サーキットでの開催は初めてとなります。今年から変更の予選・決勝でタイヤ2セット使用ルールも、ライダーには好評でした。今大会、25周で行なわれるはずでしたが、転倒車の影響で2回の赤旗中断となりました。走行が中断されてからの再スタートという、ライダーとタイヤにとって厳しい環境となってしまいましたが、R10を履いた各車は、最後まで安定したペースを維持していました。このクラスも、ベテランと若手の争いという構図ができています。例えば予選上位の3人は、ポールポジションが38歳の中山真太郎選手、2番手が17歳の榎戸育寛、3番手には18歳の岩戸亮介となっています。荒れた展開のレースでしたが、常に安定した速さで18歳の名越哲平が初優勝を果たしました。2位には18歳の前田恵助選手、3位に35歳の高橋英倫選手が入り、若手がベテランを越えて成長していくというカテゴリーのコンセプトに合った理想的な形ができています」

レース結果

コース:筑波サーキット

[ST600]

決勝

  • 開催日:2016/04/10
  • 天候:Cloudy
  • 路面:Dry
  • 路面温度:33℃
  • 決勝出走:30
  • 完走:25
  • (2.07km x 25laps = 51.75km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 73 名越 哲平 BS Bridgestone MuSASHi RT Jr. CBR600RR ホンダ 25 58.446 9:52.768+14:50.451
2 5 前田 恵助 BS Bridgestone 伊藤レーシングGMDスズカ YZF-R6 ヤマハ 25 5 58.254 9:53.298+14:56.428
3 57 高橋 英倫 BS Bridgestone 桜プロジェクト with アクタホールディング & MF ZX-6R カワサキ 25 58.791 9:58.084+14:57.093
4 23 津田 一磨 BS Bridgestone AKENO SPEED YZF-R6 ヤマハ 25 58.969 9:59.347+14:57.211
5 19 中山 真太郎 BS Bridgestone TEAMしんたろうwith KRT CBR600RR ホンダ 25 58.527 9:55.225+14:57.448
6 85 松崎 克哉 BS Bridgestone RS-ITOH & 能塚 ZX-6R カワサキ 25 58.784 9:59.196+14:57.637
7 14 伊藤 和輝 BS Bridgestone UQ & テルル・Kohara RT CBR600RR ホンダ 25 58.999 9:59.542+14:57.784
8 20 清末 尚樹 BS Bridgestone RS-ITOH ZX-6R カワサキ 25 58.761 9:55.552+14:57.947
9 41 田所 隼 BS Bridgestone TEAM PLUS ONE CBR600RR ホンダ 25 58.790 9:59.951+14:58.205
10 42 名越 公助 BS Bridgestone GBS レーシング マツエ 7 YAMAHA YZF-R6 ヤマハ 25 58.788 10:00.413+14:58.668
11 74 奥野 翼 BS Bridgestone AKENO SPEED・YAMAHA YZF-R6 ヤマハ 25 59.042 9:59.754+14:59.303
12 40 山元 聖 BS Bridgestone 51ガレージチームイワキ YZF-R6 ヤマハ 25 59.010 10:01.871+15:06.918
13 28 北岡 慎也 BS Bridgestone 伊藤レーシングGMDスズカ YZF-R6 ヤマハ 25 59.016 10:02.272+15:07.006
14 39 中村 豊 BS Bridgestone MOTO BUM HONDA CBR600RR ホンダ 25 59.185 10:02.693+15:07.178
15 55 谷津 裕亮 BS Bridgestone ENDLESS TEAM SHANTI CBR600RR ホンダ 25 59.486 10:07.274+15:07.394
16 44 松川 泰宏 BS Bridgestone MOTO BUM+SAI CBR600RR ホンダ 25 59.265 10:05.123+15:07.612
17 47 豊田 浩史 BS Bridgestone D;REX Racing Team YZF-R6 ヤマハ 25 59.199 10:06.018+15:09.588
18 70 木村 思音 BS Bridgestone 中村エンジン研究所&焼肉和光 CBR600RR ホンダ 25 59.436 10:06.730+15:10.333
19 35 櫻井 賢一 BS Bridgestone ホンダドリーム高崎 B'WISE RT 中央前橋 CBR600RR ホンダ 25 1:00.154 10:18.374+15:21.918
20 31 澤村 俊紀 BS Bridgestone ホンダドリーム高崎 B'WISE RT 中央前橋 CBR600RR ホンダ 25 1:00.748 10:19.871+15:25.832