• 開催場所:オートポリス
  • 開催日:2018年05月12日(土) 〜 2018年05月13日(日)
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 全⽇本ロードレース選⼿権第3戦がオートポリスで開催された。第2戦鈴⿅に続いて、今回も4輪のスーパーフォーミュラとの併催となる2&4レース。事前テストはなく、⾦曜⽇のフリー⾛⾏から各チームが⾞両セットアップを⾏った。
 フリー⾛⾏の⾏われた⾦曜⽇、そして予選が⾏われた⼟曜⽇は好天に恵まれ、予選Q2で中須賀克⾏(ブリヂストン)がコースレコードを更新する1分46秒909を記録。このタイムは2番⼿となった渡辺⼀樹(ブリヂストン)に1秒340という⼤差をつけるラップタイム。3番⼿に津⽥拓也(ブリヂストン)が続き、ブリヂストン勢がフロントロウに並び、上位9番⼿までを占めた。
「素直にうれしいですね。条件さえ合えばとは思っていましたが、1分46秒909は出来すぎかなと思います」と開幕戦から連続ポールポジション記録を更新する中須賀はコメント。

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 決勝⽇が⾏われる⽇曜⽇は天候が悪化。朝から⾬が降り、オートポリスは霧に包まれてしまった。午前中に予定されていた決勝朝のフリー⾛⾏はスケジュールが変更され、天候の回復を待つことに。お昼前には雲は厚いも
のの天候はやや回復、決勝直前の11時50分より15分間のフリー⾛⾏が⾏なわれた後、決勝レースは当初の予定より短い15周で争われることになった。
 12時15分に決勝レースに向けたスタート進⾏開始。この時点で、路⾯はまだウェットながら⾬は⽌んでおり、タイヤ選択の難しい状況だった。上位9名ブリヂストンユーザーのうち、7名がレインタイヤを選択。Kawasaki Team GREENの渡辺⼀⾺(ブリヂストン)と松﨑克哉(ブリヂストン)がスリックタイヤを装着してレースに臨んだ。
 好スタートを切ったのは6番グリッドスタートの⾼橋巧(ブリヂストン)。中須賀・渡辺⼀樹の順で続くが、1周⽬の第2ヘアピン進⼊で中須賀が⾼橋を交わしてトップに浮上。⾼橋・渡辺・秋吉耕佑(ブリヂストン)・津⽥拓也(ブリヂストン)の順で1周⽬のコントロールラインを通過する。渡辺⼀⾺は1周⽬16番⼿だった。レース序盤の4周⽬には中須賀・⾼橋巧・渡辺⼀樹の3⼈が先に抜け出して競り合いを繰り広げる。6周⽬のホームストレートエンドで渡辺⼀樹が⼀気にトップに浮上、第2ヘアピンでは中須賀が⾼橋巧を交わして2番⼿上がるが、⾼橋巧も7周⽬の第2ヘアピンでトップを奪還すると、そこから中須賀と渡辺⼀樹を引き離して単独トップに⽴つ。
 ところが、このころスリックタイヤを選択していた渡辺⼀⾺がハイペースでポジションを回復。8周⽬5番⼿・9周⽬4番⼿に浮上してきた。スリックタイヤを選択していた渡辺⼀⾺は、⾼橋巧より1周につき5秒ほど速いペースで追い上げ、ついにトップ集団に加わる。11周⽬には⾼橋巧の真後ろに迫ると、第1ヘアピン先の⾼速の8コーナーであっという間にパスしトップに浮上する。
 そこから渡辺⼀⾺はハイペースで周回を重ね、念願のJSB1000クラス初優勝を飾った。チームメイトで同じくスリックを選んだ松﨑が、同様に中盤以降ハイペースでポジションを挽回し、JSB1000初表彰台となる2位に⼊賞。松崎は決勝中のファステストラップも記録した。カワサキの全⽇本JSB1000クラス優勝は2007年筑波⼤会の柳川明以来であり、Team GREENはホームコースのオートポリスで1-2フィニッシュと最⾼の結果を残した。
 3位にスリックタイヤを選択した⾼橋裕紀(PI)が続き、ハードコンパウンドのレインをチョイスしていた⾼橋巧は、乾いていく路⾯状況の中で何とか踏ん張り4位でゴールした。

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●渡辺⼀⾺(Kawasaki Team GREEN・予選5位・決勝1位)
「路⾯が徐々に乾いてくる状況だったので、レース序盤は路⾯にまだ濡れているところあってリスクはあるかなと思っていた。しかし⾬も降っていなかったし、乾いてくれば⾃分たちに勝機があると思って、チームみんなでスリックタイヤを選択して、それがズバリ当たった結果となったと思います。もともと、路⾯温度がもっと⾼く、より速いペースでの決勝レース20周を想定して選んでいたスリックタイヤだったので、性能⾯は全く問題ありませんでした。優勝できて本当にうれしいです」

●松永真利(株式会社ブリヂストン・MCタイヤ開発部)
「今回は事前テストなしのレースでしたが、予選では中須賀選⼿が1分46秒909とコースレコードを更新してポールポジションを獲得。順当にブリヂストンユーザーが上位に並びました。ところが、⽇曜⽇の決勝は朝から⾬となり、タイヤ選択が勝敗を分けるレースとなりました。その中でKawasaki Team GREENの2 ⼈がスリックを選んだことが、レースのポイントでしたね。コンディションをうまく読み切れたカワサキのチーム⼒だと思いますし、カワサキの2007年以来の勝利に貢献できたのはよかったと思います」

レース結果

コース:オートポリス

[JSB1000]

決勝

  • 開催日:2018/05/13
  • 天候:Cloudy
  • 路面:Wet-Dry
  • 路面温度:20
  • 決勝出走:28
  • 完走:27
  • (4.674km x 15laps = 70.11km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 11 渡辺 一馬 BS Bridgestone Kawasaki Team GREEN ZX-10RR カワサキ 15 1:53.201 29:29.057
2 15 松崎 克哉 BS Bridgestone Kawasaki Team GREEN ZX-10RR カワサキ 15 1:52.984 29:33.638
3 72 高橋 裕紀 PI KYB MORIWAKI MOTUL RACING CBR1000RR SP2 ホンダ 15 1:54.423 29:44.604
4 1 高橋 巧 BS Bridgestone Team HRC CBR1000RR SP2 ホンダ 15 1:58.124 29:50.010
5 46 星野 知也 PI TONE RT SYNCEDGE 4413 S1000RR BMW 15 1:55.424 29:51.671
6 26 渡辺 一樹 BS Bridgestone ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000L8 スズキ 15 1:59.055 29:59.635
7 31 津田 一磨 BS Bridgestone Team Baby Face YZF-R1 ヤマハ 15 1:55.582 30:01.609
8 34 岡村 光矩 DL KRP三陽工業&RS-ITOH ZX-10RR カワサキ 15 1:56.601 30:09.400
9 21 中須賀 克行 BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 ヤマハ 15 1:59.142 30:09.735
10 22 児玉 勇太 BS Bridgestone Team Kodama YZF-R1 ヤマハ 15 1:55.843 30:10.345
11 12 津田 拓也 BS Bridgestone ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000L8 スズキ 15 2:00.244 30:28.953
12 090 秋吉 耕佑 BS Bridgestone au・テルル MotoUP RT CBR1000RR SP2 ホンダ 15 1:59.871 30:48.669
13 5 野左根 航汰 BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 ヤマハ 15 2:01.488 30:51.867
14 14 中冨 伸一 DL HiTMAN RCKOSHiEN YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 15 2:01.476 30:51.947
15 35 近藤 湧也 BS Bridgestone JOYNET GBSレーシング YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 15 2:01.750 30:53.012
16 23 清成 龍一 PI KYB MORIWAKI MOTUL RACING CBR1000RR SP2 ホンダ 15 2:01.382 30:53.817
17 7 濱原 颯道 BS Bridgestone Honda Dream RT 桜井ホンダ CBR1000RR SP2 ホンダ 15 2:01.346 30:54.031
18 51 Z.ザイディ BS Bridgestone Honda Asia-Dream CBR1000RR SP2 ホンダ 15 2:02.729 31:04.503
19 40 小島 一浩 DL Honda緑陽会熊本レーシング CBR1000RR ホンダ 15 2:03.155 31:12.900
20 71 加賀山 就臣 DL Team KAGAYAMA GSX-R1000L8 スズキ 15 2:00.776 31:14.943
[JSB1000]

予選

  • 開催日:2018/05/12
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 路面温度:48
  • 決勝出走:28
  • (4.674km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 21 中須賀 克行 BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 ヤマハ 4 1:46.909
2 26 渡辺 一樹 BS Bridgestone ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000L8 スズキ 3 1:48.249
3 12 津田 拓也 BS Bridgestone ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000L8 スズキ 7 1:48.437
4 5 野左根 航汰 BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 ヤマハ 6 1:48.462
5 11 渡辺 一馬 BS Bridgestone Kawasaki Team GREEN ZX-10RR カワサキ 6 1:48.729
6 1 高橋 巧 BS Bridgestone Team HRC CBR1000RR SP2 ホンダ 3 1:48.855
7 090 秋吉 耕佑 BS Bridgestone au・テルル MotoUP RT CBR1000RR SP2 ホンダ 3 1:48.964
8 634 水野 涼 BS Bridgestone MuSASHi RT HARC-PRO.Honda CBR1000RR SP2 ホンダ 5 1:49.278
9 15 松崎 克哉 BS Bridgestone Kawasaki Team GREEN ZX-10RR カワサキ 5 1:50.066
10 72 高橋 裕紀 PI KYB MORIWAKI MOTUL RACING CBR1000RR SP2 ホンダ 4 1:51.443