【全日本ロードレース選手権第7戦J-GP2クラス】岩戸亮介が地元九州でポールtoウイン ブリヂストンユーザーが表彰台独占

J-GP2クラスにとってシーズン後半戦スタートとなった全日本RR第７戦九州。レースウイークは雨と霧でスタートした。
　土曜日の午前中はすべて予定がキャンセル。予選は午後に延期された。昼にいったんは回復した天候も、午後には再び悪化。他クラスの予定が次々にキャンセルされていく。しかし夕方に向けて天候は回復。最後にスケジュールされたJ-GP2クラス予選は、無事に開始された。
　上空を覆っていた雲は薄くなり、遠くに青空が見えていたもののセッション開始時は雨が降り続いていた。早々にリーダーボードのトップに立ったのは名越哲平（ブリヂストン）。セッション開始10分ほどで岩戸亮介（ブリヂストン）が一瞬トップタイムを更新するも、すぐに名越が逆転。名越はさらに自身のタイムを更新して逃げる。名越に迫ったのは関口太郎（ブリヂストン）。この二人に榎戸育寛（DL）を加えた3人で2分2秒台でのアタック合戦が開始される。
　真っ先に2分1秒台にタイムを入れたのは関口。残り4分で岩戸も2分1秒台に突入。名越も2分1秒台の戦いに参戦。リーダーボードがくるくると入れ替わる激戦を、岩戸が制して3レース連続ポールポジションを獲得。名越が3番手。関口は惜しくもフロントロウを逃し、4番手グリッドに並ぶことになった。

決勝日は好天に恵まれた。好スタートを切ってオープニングラップからトップ独走体制を築いたのは岩戸。関口太郎（ブリヂストン）と名越哲平（ブリヂストン）が2位争いを開始。作本輝介（ブリヂストン）が単独4番手の様相。
　5周目。関口がペースアップして岩戸との差を詰め、名越との差を広げる。作本は名越との差を詰める。これで岩戸、関口、名越、作本と４台がそれぞれ１秒ほどの間隔を開けて周回を開始。
　関口はじりじりと岩戸に迫り、名越はじわじわと離されて作本に迫られる。これでトップ争いと表彰台争いの二つに分かれた。
　8周目。作本が名越を捕らえて3番手浮上。名越を従えたまま猛然とトップ2台を追い、再びトップ争いはブリヂストンユーザー同士の4台の戦いに。
　9周目。関口がトップ浮上。同時にトップ集団に追いついた作本が岩戸を捕らえて2番手に浮上すると、そのままの勢いで関口をもとらえて一気にトップに躍り出る。岩戸は関口を捕らえて2番手に挽回。チーム髙武がワンツー走行を開始する。
　11周目。関口と岩戸が順位を入れ替えながらの激しい2位争いを展開。その間に逃げたい作本だが、関口、岩戸、名越はバトルを展開しながらしっかりとついていく。
　13周目。名越がラインを外し、関口のリズムも崩し、チーム髙武2台に離されそうになる。しかし名越も関口もしっかりと立て直して4台のままレース終盤へ。
　ラスト4周。名越が岩戸を捕らえてチーム髙武のワンツー体制を崩す。名越はさらに作本も捕らえるとトップ浮上。
　ラスト2周。作本が首位奪回。最終ラップの1コーナーで名越が逆転。第2ヘアピンで今度は岩戸が前に出る。岩戸はそのまま名越を抑えてポールtoフィニッシュを達成。名越は0.048秒差の2位。作本は3位表彰台に甘んじた。

●岩戸亮介（予選1位／決勝1位）
「昨日の予選はウエットコンディションでもブリヂストンタイヤは高いグリップ力を発揮してくれてポールポジションを獲得できました。今日は一転して晴れて気温が上がりました。それでも最後まで安定したラップタイムを刻めたのはブリヂストンタイヤのおかげです。もっとペースを上げたかったのだけれど、ライダーの力不足で逃げられませんでした。もっと勉強してブリヂストンタイヤのパフォーマンスをもっと引き出していきたいです」

●山田宏（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「GP2クラスも昨日の予選はウエットコンディションの中で行なわれました。今日のウオームアップはドライコンディションで走れたものの、午後は路面温度も上がったために、かなりコンディションの異なる難しい決勝レースになりました。レース序盤からブリヂストン勢4名がトップグループを形成。レース終盤までその4名による激しいポジション争いが展開されました。最終ラップにもトップが入れ替わる激しいレースとなり、岩戸選手がわずかに名越選手を抑えて今季3勝目を挙げました。最後まで白熱したトップ争いで、上位4位までをブリヂストンユーザーが占めてくれたことをうれしく思います」