- 開催場所:ツインリンクもてぎ
- 開催日:2019年08月17日(土) 〜 2019年08月18日(日)
全日本ロードレース選手権第5戦は、もてぎ2&4レースとしてJSB1000クラスのみの開催。第4戦はJSB1000以外の3クラス開催だったため、JSBライダーにとっては約3カ月のインターバルを経てのシーズン後半戦スタートとなった。
台風一過で気温がぐんぐん上昇した土曜日の予選。Q1は全車走行、Q2はQ1のトップ10台によるタイムアタック。昼過ぎに30分間のQ1開始時には気温32.5度とアナウンスされた。その中で高橋巧(ブリヂストン)、水野涼(ブリヂストン)、野左根航汰(ブリヂストン)、中須賀克行(ブリヂストン)、渡辺一馬(ブリヂストン)、渡辺一樹(ブリヂストン)、岩戸亮介(ブリヂストン)、加賀山就臣(ブリヂストン)、秋吉耕佑(ブリヂストン)、前田恵助(ブリヂストン)がQ2に進出。ブリヂストンユーザーがトップ10を制覇した。
Q2開始時は気温35.5度に上昇。厳しい暑さの中で10台が20分間の最終決戦に臨む。1分49秒451と真っ先に1分49台をマークしたのは水野。すぐに高橋巧が1分49秒118で応戦。翌周に水野が1分48秒902とやはり真っ先に1分48秒台に突入。高橋巧は1分48秒765をマークし、リーダーボードのトップは水野と高橋巧の名前がくるくると入れ替わる。中須賀克行が1分48秒785を出して二人の間に割って入る。中須賀に迫られた高橋巧は1分48秒693とタイムを詰めて決着。中須賀は2番手、水野は3番手も全日本初フロントロウを獲得した。
予選日と同じように朝から気温が上昇した決勝日。23周という長丁場の戦いは昼過ぎに始まった。場内では気温32.5度、路面温度45.9度とアナウンスされた。
好スタートを切ってホールショットを奪ったのは3番手スタートの水野。しかしオーバースピードではらんでしまい、中須賀に首位を奪われる。野左根航汰が中須賀の背後につけ、オープニングラップから逃げようとペースアップする中須賀を追い始める。水野は4番手まで後退したものの、すぐに高橋巧を捕らえて3番手まで挽回。中須賀、野左根、水野の3台でトップ集団が形成される。レース序盤は「思った以上に路面コンディションが悪くて合わせきれなかった」とペースが上がらなかった高橋巧。必死でトップ3台を追いかける。
5周目。水野が野左根をとらえて2番手浮上。簡単にあきらめる訳にはいかない野左根は水野と熾烈な2位争いを開始。しかし8周目に野左根が単独転倒。すぐにマシンを起こしてコース復帰したものの、順位を大きく落としてしまう。これで水野は単身、中須賀を追いかける形に。
レース中盤、水野が中須賀との差を詰め始める。13周目にファステストラップをたたき出した水野は、ついに中須賀の前に出る。しかし百戦錬磨の中須賀はすぐに首位奪回。コントロールラインを通過したときには元の順位に戻っていた。
中須賀と水野はつかず離れずの膠着状態のままレース終盤を迎える。ラストラップには中須賀がベストラップをたたき出して水野を引き離しにかかり、水野は為す術なし。そして中須賀が今季3勝目を飾り、水野は2位に甘んじたもののJSB初表彰台を獲得。ポイントリーダーの高橋巧は単独3番手走行で周回を重ね、「ベストは尽くした。最低限のポイント差で終えられてよかった」と3位表彰台を得た。
●中須賀克行(予選2位/決勝1位)
「金曜日から路面温度が上がったり下がったりと天候が変化しました。さらに四輪のラバーが乗ったりと、いつもの絶対的なグリップを得ることはできませんでした。ですが、レースではしっかりとタイヤマネージメントができ、安定的なタイムを刻むことができました。それが優勝という結果につながったと思います。マネージメントしやすいタイヤを供給してくれたブリヂストンに感謝の言葉を言いたいです」
●東雅雄(株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー)
「優勝した中須賀選手とチームの皆様にお祝いを申し上げます。今回のレースで特筆すべきは、中須賀選手、高橋選手、野左根選手の3人が各レースの表彰台をほとんど獲得していたシーズン前半に対し、水野選手が表彰台に立ったことです。しかも水野選手は最後まで中須賀選手を苦しめるレース展開を見せてくれました。今後も恐らく水野選手が上表彰台常連の3人を掻き回して素晴らしいレースを見せてくれると期待しています。今回からの後半戦は彼ら4人以外にも今レースは転倒してしまいましたがカワサキの渡辺一馬選手、さらにヨシムラの渡辺一樹選手、加賀山就臣選手がトップ争いに加わってくるでしょう。激しいバトルが展開されるレースを、我々ブリヂストンも支えていきたいと思います。今日のレースでは、暑い中でもラップタイムの低下があまり見られず、安定した性能のタイヤを供給出来た事を喜ばしく思います。今後も安定した品質、性能の良いタイヤを供給できるよう、開発陣と共に頑張っていきたいと思います」
決勝
- 開催日:2019/08/18
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:28
- 完走:24
- (4.801km x 23laps = 110.423km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 1 | 中須賀 克行 | BS | YZF-R1 | ヤマハ | 23 | 22 | 1:49.458 | 42:10.112 | |||
2 | 634 | 水野 涼 | BS | CBR1000RR SP2 | ホンダ | 23 | 13 | 1:49.365 | 42:11.221 | |||
3 | 13 | 高橋 巧 | BS | CBR1000RR SP2 | ホンダ | 23 | 3 | 1:49.644 | 42:22.057 | |||
4 | 26 | 渡辺 一樹 | BS | GSX-R1000L9 | スズキ | 23 | 5 | 1:49.710 | 42:38.096 | |||
5 | 090 | 秋吉 耕佑 | BS | CBR1000RR SP2 | ホンダ | 23 | 3 | 1:50.796 | 42:48.958 | |||
6 | 12 | 加賀山 就臣 | BS | GSX-R1000L9 | スズキ | 23 | 3 | 1:50.763 | 42:50.134 | |||
7 | 64 | 岩戸 亮介 | BS | ZX-10RR | カワサキ | 23 | 3 | 1:50.888 | 42:58.231 | |||
8 | 15 | Z.ザイディ | BS | CBR1000RR SP2 | ホンダ | 23 | 11 | 1:51.105 | 43:01.162 | |||
9 | 75 | 前田 恵助 | BS | YZF-R1 | ヤマハ | 23 | 5 | 1:51.322 | 43:09.805 | |||
10 | 35 | 亀井 雄大 | BS | CBR1000RR SP2 | ホンダ | 23 | 4 | 1:51.743 | 43:12.343 | |||
11 | 4 | 野左根 航汰 | BS | YZF-R1 | ヤマハ | 23 | 7 | 1:49.648 | 43:12.674 | |||
12 | 87 | 柳川 明 | BS | ZX-10RR | カワサキ | 23 | 6 | 1:51.764 | 43:27.286 | |||
13 | 18 | 津田 一磨 | BS | YZF-R1 | ヤマハ | 23 | 15 | 1:52.626 | 43:34.263 | |||
14 | 71 | 津田 拓也 | DL | GSX-R1000 | スズキ | 23 | 13 | 1:52.522 | 43:35.265 | |||
15 | 19 | 濱原 颯道 | BS | CBR1000RR SP2 | ホンダ | 23 | 3 | 1:52.890 | 43:37.746 | |||
16 | 36 | 今野 由寛 | BS | GSX-R1000R | スズキ | 23 | 5 | 1:52.994 | 43:39.267 | |||
17 | 46 | 星野 知也 | PI | S1000RR | BMW | 23 | 3 | 1:52.780 | 43:40.387 | |||
18 | 85 | 中冨 伸一 | DL | YZF-R1 | ヤマハ | 23 | 20 | 1:53.562 | 43:49.514 | |||
19 | 40 | 菅原 陸 | BS | YZF-R1 | ヤマハ | 23 | 5 | 1:52.974 | 43:49.670 | |||
20 | 70 | 清末 尚樹 | BS | ZX-10RR | カワサキ | 22 | 20 | 1:54.897 | 42:30.659 |