【全日本ロードレース第8戦 鈴鹿 ST600 結果レポート】 見応えある激しいトップ争い！小山知良がタイトルを、南本宗一郎が勝利を獲得！

小山知良がランキングトップ。岡本裕生が9ポイント差でランキング2位。タイトル争いは二人に絞られて最終戦に突入した。
快晴のもとで始まった30分間のタイムアタック。開始10分ほどで全日本ルーキーの荒川晃大が2分11秒810のコースレコードでリーダーボードのトップに立つ。南本宗一郎が同じくコースレコードとなる2分11秒818と僅差の2番手タイムをマーク。さらにランキングリーダー小山知良が2分11秒945で追いかけ、予選から激戦が展開される。
チェッカーが振られるまで各車積極的にタイムアタックを継続。しかしトップタイムを更新するものは現れず、荒川が全日本初ポールポジションを獲得。
荒川は「鈴鹿サーキットは去年からしっかり走り込んでいるから自信があった。がむしゃらに頑張って一発タイムをねらった」とコメント。自己ベストタイムを1秒詰め「自分でもびっくり。2分11秒台を出さないとトップ争いには加われないと思っていた。しっかりタイムを出せたしポールポジションも取れたから、決勝も頑張って3位以内に入りたい」と笑みをこぼした。

好スタートを切ってレースをリードしたのは南本。小山、岡本、古山颯太、岩田悟、荒川の6台でトップ集団が形成される。
徐々に荒川、岩田が遅れ出し、トップ争いは4台に絞られる。4周目に古山が2番手浮上。小山は淡々と3番手で周回も、レース中盤に4番手のタイトルを争う岡本が背後に迫ったのを見て小山は古山をパス。しかしタイトル争いにはからまず一つでも前でゴールしたい古山はストレートで小山をパス。この激しい2位争いに乗じて南本は独走態勢に移行。
10周目に三度古山の前に出た小山。一気にペースを上げて古山を引き離し、単独2番手走行を開始。さらに南本との差を詰めてトップ争いに持ち込む。一方の岡本は12周目に単独転倒。この時点で小山のタイトル獲得が決定。しかし小山は攻撃の手を緩めない。最後まで南本とドッグファイトを展開。
優勝争いは南本に軍配。小山は2位でタイトルを獲得。古山が最終ラップ最終シケインで転倒したため荒川が3位表彰台を獲得した。

●南本宗一郎（予選2位／決勝1位）
「今年の目標は優勝することと、最後までタイトル争いをすることでした。鈴鹿8耐のケガで調子を崩したけれど、地元の鈴鹿だし、ここではアジア選手権で勝っているから自信をもって臨みました。小山選手を何とか抑えきって勝てたことがうれしいです」

●東雅雄（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「ST600クラスらしい混戦のレースになったと思います。タイトル争いの小山知良選手、岡本裕生選手を含んだ2位争いは見応えがあったと思います。トップで引き離していた南本宗一郎選手に小山選手が追いつき、岡本選手はレース終盤に残念な転倒を喫し、この時点で小山選手のタイトルが決まりました。最終ラップの南本選手と小山選手のトップ争いは非常に激しく、チャンピオン獲得を優勝で飾りたい小山選手の強い走りを、地元レースとなる南本選手が抑えきりました。今シーズン、タイヤが新たにR11になり、多くのレースでコースレコードが更新されました。レースも非常にスリリングな展開となりましたが、そのようなレースの足元を支えられたことを大変、光栄に思います」