【全日本ロードレース第8戦 鈴鹿 J-GP3 結果レポート】 大荒れの最終戦！長谷川聖が魅せた新王者としての力強い走り！

全日本RR選手権最終戦MFJ-GP鈴鹿は通常よりも一日早く、木曜日から練習走行が始まった。走行初日から天候に恵まれ、各車走り込みに専念した。

土曜日の予選は30分間1本勝負。青空のもとでタイムアタック開始。計測2周目で高杉奈緒子（DL）が2分18秒台という圧倒的なタイムをマーク。残り3分を切って転倒車による赤旗中断があり、残り4分でセッション再開という時間の使い方が難しい予選となり、高杉以外は好タイムを出せないままセッション終了となった。
ブリヂストン勢は最上位が5番手の福嶋佑斗（ブリヂストン）。今大会限りでの引退を表明した中山愛理（ブリヂストン）が10番手。前戦オートポリスでチャンピオンを獲得した長谷川聖（ブリヂストン）は16番手と、決勝で逆転をねらうことになった。

好天に恵まれた決勝日。朝10時に決勝の火ぶたが切って落とされた。しかしオープニングラップのダンロップコーナー手前で宇井陽一（DL）、岡崎静夏（DL）高橋直輝（DL）らが多重クラッシュが発生。ここにBS勢予選トップの福嶋も巻き込まれてしまう。
これで赤旗中断となり当初の予定どおり13周で仕切り直しのスタートとなる。高杉、鈴木大空翔（DL）、村瀬健琉（DL）、成田彬人（DL）、古里太陽（DL）に細谷翼（DL）の6台でトップ集団を形成。
レース中盤からは混戦状態になったことで中山ら3台が加わり、一気にトップ争いは9台に膨れ上がる。
多くのコーナーで順位が入れ替わる激戦が続く中、引退を表明した中山が高杉を巻き込んで転倒。マシンを起こしてピットに向かったものの、そのままリタイアとなってしまう。
一方、オープニングラップを11番手で終えた長谷川が周回ごとに順位を上げる。最後には5台に絞られたトップ争いに迫る長谷川。しかし周回数が足りず、トップ集団の背後でチェッカーとなった。

●東雅雄（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「長谷川聖選手が前戦でタイトルを獲得。チャンピオンとして力強いレースを見せてくれることを期待していました。ただ、予選までトラブルを抱えてしまったようで、なかなか思うように走れずに決勝に向けてマシンのセットアップにも時間が掛かっていたようです。その決勝ではJ-GP3クラスらしく集団で引っ張り合うレース展開となりました。レース後半に向けて長谷川選手も追い上げ、トップ集団のすぐ後ろに迫る勢いで、チャンピオンらしい粘り強い走りを見せてくれました。スタート直後に転倒の福嶋佑斗選手はケガがなかったのが幸いでした。さらに引退レースとなった中山愛理選手はヘアピンで転倒という残念な結果で終わりましたが、ブリヂストンユーザーとしてこれまで全日本J-GP3クラスを盛り上げてくれたことに感謝したいです」