- 開催場所:スポーツランドSUGO
- 開催日:2020年08月09日(日) 〜 2020年08月09日(日)
新型コロナウイルスの影響から年4戦で争われることになった2020全日本ロードレース選手権。
最高峰クラスJSB1000は、4戦7レースが行なわれ、開幕戦スポーツランドSUGOでは2レースが開催される。
短期決戦となる今シーズン、ディフェンディングチャンピオン中須賀克行(ブリヂストン)がV10を達成するのか、はたまたそれを阻止する若獅子が現れるのか。
7月末には公式テストが行なわれ、そこでは雨に見舞われた難しいコンディションの中、中須賀のチームメイトであるヤマハワークスの野左根航汰(ブリヂストン)がトップタイムを奪取している。
ホンダ陣営は、ワークス体制での参戦は昨年まで。替わって今季より伊藤真一が監督を務める新チームが発足され、清成龍一(ブリヂストン)、渡辺一馬(ブリヂストン)を起用して注目を集めている。
同体制で継続参戦の水野涼(ブリヂストン)はクラス3年目。念願の優勝を目指す。
また、今季フル参戦を休止したヨシムラだが、開幕戦に渡辺一樹(ブリヂストン)を擁してスポット参戦。彼らブリヂストンユーザーによるハイレベルな戦いが予想される。
SUGO大会は日曜日にレース1、月曜日の祝日にレース2が行なわれるイレギュラーなスケジュールとなり、走行は土曜日からスタートした。
土曜日は朝からウエットコンディション。午前の走行では、野左根、中須賀、前田恵助(ブリヂストン)、午後は中須賀、野左根、前田の順となり、トップ3台をヤマハが独占。
日曜日も朝から雨。予選は野左根がダブルポールポジションを獲得。日曜の午後に行なわれるレース1は野左根、中須賀、前田とヤマハがフロントロウを獲得。セカンドベストタイムによって決まる決勝第2レースのグリッドは野左根、中須賀、清成の順となった。
午後3時から25周で行なわれたレース1。朝から降り続いた雨はやんだものの、路面はウエットコンディション。
好スタートを切ったのは野左根。中須賀、清成、水野、前田が続く。ヤマハワークスの2台は1周目から激しい主導権争いを繰り広げ、何度も順位を入れ替え、中須賀はシケインでも仕掛けたが、オープリングラップは野左根が制す。
このバトルがしばらく続くかに思われた2周目。中須賀が2コーナーでハイサイド転倒を喫し戦線離脱。これによって野左根は単独トップに立ち、ぐんぐんと後続を離していく。
2番手には清成がつけ、水野がこれを追う展開。6周目には背後まで迫り、10周目には水野が2位へ浮上。この2台に前田が加わり、2位争いは3台のグループへ。しかし、前田が12周目に転倒、さらに水野も15周目に転倒を喫し、清成は単独2位へ。
レース前、決勝中に再びの降雨が予想されていたものの雨粒は落ちてこない。少しずつ乾いていく難しい路面に、足下をすくわれるライダーが続出した。
そんな中でも野左根は危なげない走りを続け、5位以下を周回遅れにする速さで開幕戦を制す。2位は清成、3位は濱原がJSB初表彰台を獲得した。
●野左根航汰(予選1位/決勝1位)
「予選から決勝までレインタイヤを使う状況でした。使用したタイヤは、予選も決勝もハード側のコンパウンドを選びました。今回、事前テストや公式練習でレインタイヤを使う機会が多く、このタイヤを気にいっていました。朝の予選も、決勝も同じタイヤです。25周の決勝レースでも、最後まで安定したグリップを発揮してくれました」
●東雅雄(株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー)
「事前テストから雨の日が多く、公式練習・予選ともウエットでの走行、このJSBクラス レース1はウエットコンディションの中で開催されました。多くのライダーから、前週のテストのときとグリップ感が違うというコメントが聞かれましたが、コースコンディションが微妙に変わったのかもしれません。決勝レースではコースアウトや転倒が多く、サバイバルレースになり、ライダー達はコースの状態がつかみにくかったのかと思います。そんな状況でも、ブリヂストンのレインタイヤはしっかりと機能してくれたと思います。ウエットでもテストから好調だった野左根航汰選手が、独走で優勝を飾りました。先輩でありライバルである中須賀克行選手が序盤に転倒し、予想しない展開だったかもしれませんが、圧倒的な速さを見せてくれました。翌日は天候が回復するみたいなので、ドライとなるレース2はまた違ったレースが展開されると思います」
決勝
- 開催日:2020/08/09
- 天候:Cloudy
- 路面:Wet
- 決勝出走:19
- 完走:14
- (3.738km x 25laps = 93.438km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 3 | 野左根 航汰 | BS | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | ヤマハ | 25 | 5 | 1:36.304 | 40:45.635 | ||
2 | 17 | 清成 龍一 | BS | Keihin Honda Dream SI Racing | CBR1000RR-R | ホンダ | 25 | 3 | 1:37.465 | 41:05.220 | ||
3 | 72 | 濱原 颯道 | BS | Honda Dream RT 桜井ホンダ | CBR1000RR-R | ホンダ | 25 | 4 | 1:39.045 | 42:02.219 | ||
4 | 634 | 水野 涼 | BS | MuSASHi RT HARC-PRO.Honda | CBR1000RR-R | ホンダ | 25 | 4 | 1:37.517 | 42:28.287 | ||
5 | 36 | 岩田 悟 | BS | Team ATJ | CBR1000RR-R | ホンダ | 24 | 1 | 8 | 1:41.498 | 41:06.628 | |
6 | 87 | 柳川 明 | BS | Will-RAISEracingRS-ITOH | ZX-10RR | カワサキ | 24 | 1 | 7 | 1:40.763 | 41:10.710 | |
7 | 25 | 亀井 雄大 | BS | Honda Suzuka Racing Team | CBR1000RR-R | ホンダ | 24 | 1 | 6 | 1:41.901 | 41:28.561 | |
8 | 44 | 関口 太郎 | BS | SANMEI Team TARO PLUSONE | S1000RR | BMW | 24 | 1 | 10 | 1:42.642 | 41:43.254 | |
9 | 28 | 児玉 勇太 | BS | Team Kodama | YZF-R1 | ヤマハ | 24 | 1 | 10 | 1:42.843 | 41:54.449 | |
10 | 19 | 中冨 伸一 | DL | HiTMAN RC 甲子園ヤマハ | YZF-R1 | ヤマハ | 24 | 1 | 9 | 1:43.832 | 42:11.013 | |
11 | 21 | 今野 由寛 | BS | Moto Map SUPPLY | GSX-R1000 | スズキ | 23 | 2 | 18 | 1:44.142 | 41:13.963 | |
12 | 42 | 櫻山 茂昇 | PI | 信州活性プロジェクト・Team長野 | S1000RR | BMW | 23 | 2 | 3 | 1:46.506 | 42:07.014 | |
13 | 13 | 津田 一磨 | BS | Baby Face POWERED by YOSHIMURA | GSX-R1000R | スズキ | 22 | 3 | 19 | 1:42.888 | 38:15.725 | |
14 | 090 | 秋吉 耕佑 | BS | au・kosuke racing | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 5 | 3 | 1:40.254 | 33:58.462 |