チャンピオン小山知良はマシントラブルで無念之レースに
- 開催場所:スポーツランドSUGO
- 開催日:2020年08月09日(日) 〜 2020年08月10日(月)
ブリヂストンのワンメイクレースとして開催されるようになり6年目を迎えたST600クラス。
開幕戦には39台がエントリーし、チャンピオン小山知良に挑む若手ライダーが大挙している。
土曜日のフリー走行では、午前中は雨によって赤旗が出されほぼ走れず。午後の走行では、チームを移籍した國峰啄磨がトップタイムをマーク。荒川晃大、長尾健吾がこれに続いた。
35分間の予選は、前日の公式練習同様のウエットコンディションで始まった。
真っ先にトップに立ったのは長尾で1分44秒台前半をマークした。続いて同じYZF-R6に乗る阿部恵斗、18年にこのクラスでタイトルを獲得したカワサキの岡村光矩と和田瑠佳が好タイムをマーク。
しかしコース上に転倒した車両が残ったため、赤旗中断。走行が再開されると、これが合図になり、各車がペースを上げ始め、順位が動き始める。
まず、阿部が43秒台を出してトップに立つと、すぐさま南本宗一郎が44秒フラットで阿部を抜いてリーダーボードの最上位に上がる。続いて荒川晃大がトップタイムを更新、さらに自身のタイムを43秒6まで削った。2番手は岡本、3番手は菅原陸とここまでが43秒。
残り3分、岡本がタイムを更新、小山知良が43秒1をマークしてトップに立つ。小山は最終ラップに42秒8をたたき出して、ポールポジションを獲得。2番手は岡本。
予選のコースインラップで転倒し、周回数が少なかった國峰啄磨は、いきなりリーダーボードの上位に登場、3番手タイムをマークした。南本が4番手、荒川、阿部と続き、12位までが1分43秒台に入っていた。
ようやくドライコンディションとなった決勝日。15分間のウオームアップ走行では18年チャンピオンの岡本が1分31秒945でトップタイムを記録。荒川、南本と若手ライダーが上位を占める。
20周で争われる決勝レースは、ほかのクラスの中断等で、当初のスケジュールから約1時間遅れで始まった。
2番グリッドの岡本がホールショットを奪い、小山、南本、國峰と続く。シケインから10%勾配のホームストレートで南本が小山を捕らえて2番手に浮上。
オープニングラップは、岡本、南本、小山、國峰、長尾、阿部、荒川の順でコントロールラインを通過する。
2周目の馬の背で南本をパスした小山は、先行する岡本を逃がすまいと猛追。南本も2台に食らいついていく。それを尻目に岡本は1分31秒412のファステストラップを刻みながら、少しずつ少しずつ2位以下との差を築いていく。小山、南本もそれぞれ単独で走行。4番手は長尾と荒川がポジションを入れ替えるバトルを展開。
このままの順位で決着かと思われた終盤15周目、2番手にいた小山のペースが落ち遅れ始める。マシントラブルだった。
岡本はスタートから一度もトップを譲らず、ポールtoフィニッシュ。小山の後退により南本が2位浮上、長尾とのバトルから抜け出していた荒川が3位表彰台を獲得した。
小山はトラブルを抱えながらも走り続け、9位でチェッカーを受けた。
●岡本裕生(予選2位/決勝1位)
「SUGOではBATTLAX RACING R10のときに1分31秒0までタイムが出ていました。R11に変わってから去年はなかなか感覚をつかめずにいたのですが、今回は暑い状況でも最後まで機能してくれ、全く不安はありませんでした。そのお陰で最後までプッシュすることができました。タイヤの持久力もアップしていると感じています」
●東雅雄(株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー)
「30度を超える真夏の陽気となった決勝日、各車ともラップタイムをうまく詰められないようでした。その中で、2018年のチャンピオン、岡本裕生選手がスタートから飛び出し、一度もその座を譲ることなく開幕戦を制しました。他のクラス同様、コロナ禍と雨で、多くのライダーはドライでの走り込みができていないと思うので、これから万全の体制を築いてレースに臨んでほしいですね。そんな状況では、やはり経験が豊富なライダーとチームが、この開幕戦では結果を残している傾向があります。特に昨年からST600クラスで上位を走っているライダーは、このクラスの指定タイヤであるバトラックスR11の使い方をよく知っているようです。1年目のライダーがシーズンを経て、経験を積んでおもしろいレースを展開してほしいと思います。十代、二十代のライダーが多く走るこのクラス、ブリヂストンは若手ライダー育成の足元を支えていきます」
決勝
- 開催日:2020/08/10
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:37
- 完走:30
- (3.738km x 20laps = 74.75km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 41 | 岡本 裕生 | BS | 51ガレージニトロレーシング | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 5 | 1:31.412 | 30:47.847 | ||
2 | 2 | 南本 宗一郎 | BS | AKENO SPEED・YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 3 | 1:31.688 | 30:56.658 | ||
3 | 54 | 荒川 晃大 | BS | MOTOBUM HONDA | CBR600RR | ホンダ | 20 | 3 | 1:31.864 | 31:01.145 | ||
4 | 50 | 長尾 健吾 | BS | NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 3 | 1:32.060 | 31:06.748 | ||
5 | 39 | 阿部 恵斗 | BS | ウェビックチームノリックヤマハ | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 2 | 1:32.587 | 31:12.807 | ||
6 | 10 | 古山 颯太 | BS | OZT Racing with YSP名古屋西 | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 6 | 1:32.864 | 31:23.954 | ||
7 | 18 | 横山 尚太 | BS | ガレージL8 RACING TEAM・YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 15 | 1:33.168 | 31:24.261 | ||
8 | 31 | 鈴木 光来 | BS | MOTOBUM HONDA | CBR600RR | ホンダ | 20 | 8 | 1:33.279 | 31:25.392 | ||
9 | 1 | 小山 知良 | BS | 日本郵便 Honda Dream TP | CBR600RR | ホンダ | 20 | 3 | 1:31.500 | 31:31.620 | ||
10 | 97 | 佐野 優人 | BS | TEAM VITAL SPIRIT | CBR600RR | ホンダ | 20 | 7 | 1:33.737 | 31:41.866 | ||
11 | 33 | 中山 耀介 | BS | 伊藤レーシング & TEAM SHOTA | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 5 | 1:33.934 | 31:41.960 | ||
12 | 17 | 田所 隼 | BS | Honda Suzuka Racing Team | CBR600RR | ホンダ | 20 | 13 | 1:33.652 | 31:41.972 | ||
13 | 341 | 和田 留佳 | BS | KRP三陽工業&RS-ITOH | ZX-6R | カワサキ | 20 | 6 | 1:33.617 | 31:43.896 | ||
14 | 71 | 埜口 遥希 | BS | SDG Mistresa RT HARC-PRO. | CBR600RR | ホンダ | 20 | 5 | 1:34.331 | 31:43.934 | ||
15 | 340 | 岡村 光矩 | BS | KRP三陽工業&RS-ITOH | ZX-6R | カワサキ | 20 | 18 | 1:34.031 | 31:44.282 | ||
16 | 32 | 名越 公助 | BS | Team Plusone | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 8 | 1:34.561 | 31:50.234 | ||
17 | 46 | 芳賀 涼大 | BS | ニトロレーシング | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 8 | 1:34.170 | 31:53.813 | ||
18 | 53 | 家根谷 大晟 | BS | Team MF&KAWASAKI | ZX-6R | カワサキ | 20 | 11 | 1:34.101 | 31:54.561 | ||
19 | 90 | 齊藤 魁 | BS | テルル・MotoUP レーシング | CBR600RR | ホンダ | 20 | 11 | 1:34.447 | 31:54.655 | ||
20 | 38 | 伊藤 元治 | BS | MOTOBUM HONDA | CBR600RR | ホンダ | 20 | 12 | 1:34.725 | 31:56.297 |