【全日本ロードレース選手権 第4戦 もてぎ JSB1000 レース-1 】雨のレース1はヤマハファクトリー2台の対決！赤旗中断のレースは途中成立で野左根航汰が5連勝！

全日本ロードレース第4戦もてぎラウンドは、いつもより一日早い木曜日から走行が始まった。
木曜日と金曜日の二日にわたって午前と午後に1回ずつの走行があったが、この4本の走行すべてでトップタイムをマークした野左根航汰（ブリヂストン）。
野左根はウイーク直前に来季の世界スーパーバイク選手権フル参戦を発表。「まずは、きっちりと今季の全日本タイトルを獲得したい」との意気込みを胸にサーキット入りした野左根の気合いが表われた形となった。

ドライコンディションでの二日間の走行の後、予選と決勝レース1が行なわれた土曜日は朝から雨に見舞われた。気温も低く、観客側にも参戦側にも厳しい一日になった。
午前中に行なわれた予選は40分間のタイムアタック形式。セッション開始時には雨粒は細かくなっていたが、各車、豪快に水しぶきを上げながらのアタック合戦。それでも野左根は好調さをキープし、リーダーボードのトップに君臨。チームメイトの中須賀克行（ブリヂストン）が2番手につけ、ヤマハファクトリーレーシングチームが1番手、2番手で進行。濱原颯道（ブリヂストン）と清成龍一（ブリヂストン）が3番手争いを展開する。
残り5分。清成がヤマハファクトリー2台の間に割って入る。残り1分を切ると加賀山就臣（ブリヂストン）が4番手に浮上と、激しい争いが展開される。
最終アタックで清成がついにトップ浮上。しかし、その直後に野左根が唯一の1分58秒台となる1分58秒674でポールポジションの座を取り返す。これで野左根が3大会連続ポールポジション獲得。2番手の清成、3番手の中須賀の二人が1分59秒台。加賀山は2分00秒で4番手となった。

午後に行なわれたレース1も雨が降り続いていた。ウエット宣言が出され、周回数も23周から21周に減算された。
好スタートを切ったのは野左根。清成、中須賀、水野涼（ブリヂストン）と続く。しかしオープニングラップの5コーナーで水野のインをついた秋吉耕佑（ブリヂストン）が水野のマシンに接触。2台共に転倒し、マシンからは火の手が上がる。これで赤旗中断に。
周回数は21周のまま、改めてグリッドに向かう。水野はＴカーに乗り換えてウオームアップラップに出たが、ピットから出た秋吉はウオームアップラップ中にマシンが止まり、再びピットに戻ってしまった。
2回目のスタートも野左根がホールショット。中須賀が続き、オープニングラップからヤマハファクトリー2台が後続を引き離す。セカンド集団は加賀山を先頭に岩田悟（ブリヂストン）、清成、濱原颯道（ブリヂストン）の4台で形成される。
3周目に岩田が加賀山を捕らえて3番手浮上。その2台を今度は清成が相次いでパス。集団トップに躍り出ると、単身、トップ2台を追いかけ始める。しかしヤマハファクトリー2台はすでに7秒ほどのアドバンテージを築いていた。

中須賀を背後に従えてトップで周回を重ねる野左根。清成は単独3番手走行。岩田と加賀山は濱原を引き離して2台で4位争いを展開する。
レース終盤に入ると清成のペースが落ち始め、加賀山が3番手浮上。野左根と中須賀の一騎打ちは新たな局面を迎えるのかと思われた16周目。亀井雄大（ブリヂストン）が転倒。マシンがコース上に残ってしまい、再び赤旗が出される。そして、そのまま15周完了時点でレース成立。野左根が開幕5連勝。中須賀が2位、加賀山が3位表彰台獲得となった。

●野左根航汰（予選1位／決勝1位）
「選んだソフトめのタイヤが、最初から暖まりがすごくよくて、レース序盤から安定したペースで飛ばすことができました。レース後半は雨量が増えましたが、コンディションが違う中でも同じようなペースが維持できたのは、タイヤがしっかりグリップしてくれたおかげです」

●東雅雄（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「1戦目のSUGOも雨でしたが、あのときと比べると気温も低く、ライダーにとっては厳しい雨になったのではないでしょうか。レースはヤマハのファクトリー2台が序盤から速かったです。特に野左根選手はウイーク入って全セッションで1位。ドライでもウエットでも乗れています。中須賀選手がずっと背後につけていたので、どこかで仕掛けると思っていましたが、赤旗で最後まで周回できませんでした。その点では不完全燃焼のまま終わってしまいました。また、レース序盤の４台での3位争いから清成選手が抜け出しましたが、ここ数戦、トップ争いに加わっているので、CBR勢の中では一番マシンが仕上がっているのではないでしょうか。これで野左根選手が開幕5連勝。世界スーパーバイク選手権参戦の発表もあり、波に乗れています。明日は天候が回復しそうですので、ドライコンディションでもすばらしいレースを見せてくれることを期待します」