- 開催場所:ツインリンクもてぎ
- 開催日:2020年10月17日(土) 〜 2020年10月18日(日)
全日本ロードレース選手権第4戦もてぎの予選はウエットコンディションとなった。気温も低く、勢いのある若手がタイムアタック合戦を繰り広げた。
積極的にタイムアタックしたのは岡本裕生、埜口春木、阿部恵斗。セッション残り5分で2番手に浮上した埜口は、翌周には唯一の2分3秒台前半のタイムを出してトップ浮上。しかし残り2分で阿部が2分2秒台をマーク。リーダーボードのトップに返り咲く。そしてそのまま阿部が全日本初ポールポジション獲得。埜口が2番手、岡本が3番手という新鮮なフロントロウの面子になった。
セッション直後に阿部は「うれしい気持ちと動揺が半々。雨は得意だけれど、ポールポジションが取れるとは思っていなかった」とコメント。事前に練習に訪れたときにウエットコンディションでいいフィーリングで走れたことが予選の勝因とし、「ここのコースは得意ではないが、雨に味方された予選だったと思う。スタート位置が一番前なのだから、勢いに乗って優勝したい」と笑顔を見せた。
決勝日は好天に恵まれた。しかし早朝は霧に包まれスケジュールが遅れたため、ST600クラス決勝は周回数が16周から14周に減算される。
好スタートを切ったのは長尾健吾。オープニングラップを制したのは岡本。3番手争いの先頭は阿部恵斗。2周目に阿部をかわして3番手に浮上したのは小山知良。岡本と長尾の2台が抜け出して一騎打ちを開始。ファステストラップを連発して単独3番手走行を始めた小山がトップ2台との距離を詰める。
レース中盤。小山が追いついて3台でのトップ争いに発展。小山と長尾の2位争いが激化した間に岡本が逃げを打つ。
9周目。ついに小山が長尾を捕らえて2番手浮上。小山はペースを上げて長尾を振り切り、岡本を追う。
レース終盤。ついに岡本の背後につけた小山。しかしラストラップ突入時点で岡本は小山にコンマ5秒の差を付けていた。小山はその差を埋めることができず、岡本が今季2勝目。小山は2位でチェッカー。長尾は単独3位で表彰台を獲得した。
●岡本裕生(予選3位/決勝1位)
「前の週にテストができて、調子は悪くなく、ドライコンディションでは余力を残してもレコードタイムを超えることができました。でも目標の1分52秒台には届かなかったし、予選は雨になってしまったので、やはり1分52秒台の挑戦ができませんでした。雨のフィーリングは去年からよくなくて、改善してセッティングも詰めたのでフロントロウを取れました。決勝はドライだったので自信を持って走り切りました。決勝中は余力があったわけではないです。アベレージタイムは悪くないけれど、タイヤのグリップをうまく引き出すセッティングが見つけられなかったことが悔やまれます」
●東雅雄(株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー)
「木曜日から金曜日のドライで行われたフリー走行では岡本選手が全セッショントップタイムでしたので、決勝がドライコンディションなら岡本選手が有利だと思っていました。ただ、雨の予選で岡本選手は3番手。ポールポジションを獲得した阿部選手、2番手の埜口選手と、これまで上位にいなかった新しいライダーが出てきました。決勝に向けて楽しみでしたが、ふたを開けてみるとドライで好調の岡本選手とベテラン小山選手の二人が抜け出してのトップ争いとなりました。岡本選手は優勝で最大ポイントを獲得。2位の小山選手は1戦目のマシントラブルでポイントが少なく、チャンピオン争いは厳しい状況です。最終戦の鈴鹿ではST600クラスらしい激しい戦いが予想されます。ブリヂストンは今シーズン最後までST600オフィシャルサプライヤーとして、すべてのライダーの足元をしっかり支えていきたいと思います」
決勝
- 開催日:2020/10/18
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:37
- 完走:29
- (4.801km x 14laps = 67.214km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 41 | 岡本 裕生 | BS | 51ガレージニトロレーシング | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 13 | 1:53.982 | 26:43.671 | ||
2 | 1 | 小山 知良 | BS | 日本郵便 Honda Dream TP | CBR600RR | ホンダ | 14 | 3 | 1:53.826 | 26:44.872 | ||
3 | 50 | 長尾 健吾 | BS | NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 3 | 1:53.869 | 26:52.043 | ||
4 | 2 | 南本 宗一郎 | BS | AKENO SPEED・YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 9 | 1:54.463 | 26:56.005 | ||
5 | 39 | 阿部 恵斗 | BS | ウェビックチームノリックヤマハ | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 9 | 1:54.530 | 26:58.397 | ||
6 | 54 | 荒川 晃大 | BS | MOTOBUM HONDA | CBR600RR | ホンダ | 14 | 3 | 1:54.402 | 26:59.316 | ||
7 | 104 | 國峰 琢磨 | BS | TOHO Racing | CBR600RR | ホンダ | 14 | 2 | 1:54.565 | 26:59.694 | ||
8 | 71 | 埜口 遥希 | BS | SDG Mistresa RT HARC-PRO. | CBR600RR | ホンダ | 14 | 10 | 1:55.177 | 27:00.819 | ||
9 | 36 | 井手 翔太 | BS | AKENO SPEED・YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 2 | 1:55.284 | 27:09.963 | ||
10 | 18 | 横山 尚太 | BS | ガレージL8 RACING TEAM・YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 5 | 1:55.284 | 27:10.078 | ||
11 | 33 | 中山 耀介 | BS | 伊藤レーシング & TEAM SHOTA | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 6 | 1:55.383 | 27:10.327 | ||
12 | 98 | 佐野 勝人 | BS | TEAM VITAL SPIRIT | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 9 | 1:55.249 | 27:10.562 | ||
13 | 32 | 名越 公助 | BS | Team Plusone | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 13 | 1:55.748 | 27:15.402 | ||
14 | 11 | 伊達 悠太 | BS | BATTLE FACTORY | CBR600RR | ホンダ | 14 | 2 | 1:55.833 | 27:18.034 | ||
15 | 53 | 家根谷 大晟 | BS | Team MF&KAWASAKI | ZX-6R | カワサキ | 14 | 3 | 1:56.018 | 27:23.087 | ||
16 | 340 | 岡村 光矩 | BS | KRP三陽工業&RS-ITOH | ZX-6R | カワサキ | 14 | 14 | 1:56.535 | 27:23.393 | ||
17 | 4 | 田所 隼 | BS | Honda Suzuka Racing Team | CBR600RR | ヤマハ | 14 | 12 | 1:56.871 | 27:33.898 | ||
18 | 90 | 齊藤 魁 | BS | テルル・MotoUP レーシング | CBR600RR | ホンダ | 14 | 3 | 1:56.917 | 27:34.805 | ||
19 | 20 | 船田 俊希 | BS | BLUE MAX+加藤建設 | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 4 | 1:57.983 | 27:46.385 | ||
20 | 44 | 平野 ルナ | BS | TransMap Racing with ACECAFE | YZF-R6 | ヤマハ | 14 | 3 | 1:57.929 | 27:51.786 |