【2021年全日本ロードレース選手権 第6戦 岡山 JSB1000 決勝】すでにタイトル獲得の中須賀克行が貫禄のポールto独走ウイン

全日本ロードレース第６戦は岡山国際サーキットでの開催。昨年は台風の影響で岡山大会が中止を余儀なくされたため、２年ぶりの開催となる。すでに前戦の鈴鹿MFJ-GPで中須賀克行（ブリヂストン）がチャンピオンを獲得し、タイトル争いは終了。注目は中須賀が連勝記録を伸ばすのか、それをだれが止めるのか。ウエットコンディションとなった金曜日の午前と午後に１回ずつ練習走行が行なわれたが、午後の走行では清成龍一（ブリヂストン）が中須賀を抑えてトップタイムをマーク。現在ランキング２位につける清成と中須賀が、早くも火花を散らすかっこうとなった。

予選日朝には雨が上がった。午後一番にスケジュールされたJSB1000クラスの予選。早朝には微妙に濡れていた路面も、昼までに完全ドライに。JSB1000クラス予選開始直前に5分ほど雨粒が落ちた。ライダーもスタッフも不安な面持ちで上空を見上げる。雨は路面を濡らしたが、大きな問題にならずに予選が始まった。ノックアウト予選Q1は35分間の計時予選。王者中須賀が真っ先に1分31秒台にタイムを入れ、さらにタイムを詰めにかかる。ほかにだれも1分31秒台のタイムをマークするものは現われず、中須賀がそのままQ1をトップで通過。清成、濱原颯道（ブリヂストン）、名越哲平（ブリヂストン）、岩田悟（ブリヂストン）、加賀山就臣（ブリヂストン）、山口辰也（ブリヂストン）、亀井雄大（ブリヂストン）、関口太郎（ブリヂストン）、秋吉耕佑（ブリヂストン）がQ2への進出を決める。10台でのトップ10チャレンジは15分間。中須賀が1分30秒672と大幅にタイムを更新。文句なしのポールポジション獲得となった。清成が2番手、亀井が最後のフロントロウを獲得した。

決勝日は朝から薄雲が広がったり、青空が覗いたりとくるくると空模様が変化していた。JSB1000クラス決勝スタートの午後2時は曇り空。そんな中で好スタートを切ったのは亀井。すぐに清成が首位奪取。中須賀が亀井を捕らえて2番手に浮上すると清成の背後につけるというオープニングラップから激しい攻防。2周目には清成vs中須賀の一騎打ちが開始される。後方では亀井、加賀山、名越の表彰台争いが勃発する。中須賀は清成の背後につけたまま周回を重ねる。表彰台争いは3周目に亀井から名越に替わる。さらにこの争いに濱原が追いついて4台での争いに発展。

7周目。中須賀が清成の前に出た。中須賀は徐々に清成を引き離し、トップ単独走行の様相。表彰台争いは名越が制して単独3番手走行も、2番手清成からは大きく離されてしまった。これでトップ3台はそれぞれ単独で周回を重ねることに。レース後半は淡々と周回を重ねたトップ3台。そのままの順位でゴール。中須賀は清成に11秒近い大差を築いて今季8勝目をマーク。決勝が行なわれたレースでは開幕8連勝となった。

●中須賀克行（予選1位／決勝1位）
「事前テストでは気温が高く、今週は路面温度が低い状態でしたが、同じコンパウンドでテストよりもさらにいいアベレージが刻めました。レース後半にタイヤがたれてきてからもコントロール性が高かったので、高いアベレージを刻めました。レース後半のきついときでもタイムがキープでき、おかげで勝ちきることができました。今回もタイヤのパフォーマンスに助けられました。勝ちきることができてブリヂストンに感謝しています」