【2021年全日本ロードレース選手権 第7戦 オートリス JSB1000 決勝レース1】中須賀克行が別次元の速さを見せて圧勝

今季の最終戦としてスケジュールされた全日本ロードレース第７戦オートポリス。心配された台風は金曜日の走行に影響したものの、大きな混乱には至らなかった。予選とレース１が行なわれた土曜日は強烈な雨風は収まった。しかし午前中はたまに小雨が落ちてきたり、日が差したりと微妙なコンディション。午前中に行なわれた45分間の予選スタート時の路面はハーフウエット。

セッション開始早々に山口辰也（ブリヂストン）のマシンがストップ。すでに今季のチャンピオンを獲得している中須賀克行（ブリヂストン）が転倒と、波乱の予選セッション。途中、全車がピットインする場面も。セッション中盤。転倒シーンがありながらも、真っ先に1分49秒852と1分49秒台にタイムを入れた中須賀。加賀山就臣（ブリヂストン）が1分49秒873と迫る。セッション残り10分を切り、アタック合戦が激化。濱原颯道（ブリヂストン）が1分49秒197と中須賀のタイムを更新してリーダーボードのトップに躍り出る。残り3分。中須賀がいよいよ1分48秒台に突入。しかも1分48秒082と濱原を1秒以上引き離す。残り１分。たまに細かく降ってきていた雨が強まった。これでだれも自身のタイムを更新することができず、中須賀のポールポジションが確定した。

予選終了後の午後にレース１が行なわれた。不安定な天候だった午前に比べ、日の差す時間が多くなって気温も上昇した午後。レース1は15周という周回数が設定された。好スタートを切ったのは中須賀。オープニングラップからすでに後続を引き離しにかかった中須賀。濱原、亀井雄大（ブリヂストン）、加賀山、名越哲平（ブリヂストン）、岩田悟（ブリヂストン）と続く。2周目。15番手グリッドからスタートした清成龍一（ブリヂストン）が猛烈な追い上げを見せて5番手まで浮上。しかし翌周に転倒を喫してしまう。トップ中須賀は１周につき１秒の差を築くほどの別次元な走りを披露。完全な独走体制に移行する。

　レース後半。濱原と亀井の２位争いが勃発。加賀山は単独4番手で周回。岩田、柳川明（ブリヂストン）、秋吉耕佑（ブリヂストン）、名越が激しい5位争いを展開。最後までハイペースを崩さなかった中須賀は15周のレースで15秒近い大差を築いて優勝。2位争いは濱原に軍配。亀井は3位表彰台を獲得。加賀山は最後まで単独走行で4位フィニッシュ。5位争いは岩田が制した。

中須賀克行（予選１位／決勝１位）
「予選では路面温度が25度から26度くらいだったのですが、決勝では44度から45度くらいにいきなり上がりました。そんな状況でもタイヤのコンパウンドを替えずに安定して走れたのは、タイヤのポテンシャルの高さのおかげです。ほかのライダーも安定して走っていましたが、ほかのライダーよりも高いアベレージタイムで走ることができました。おかげでしっかり結果につなげることができました。どんなコンディションでも安定したタイヤを供給してくれるブリヂストンタイヤに感謝しています」