【2022年全日本ロードレース選手権 第6戦 オートポリス ST600】赤旗中断で10周の短期決戦を阿部恵斗が制して全日本初優勝！

全日本ロードレース選手権は夏休みを経て第６戦オートポリスから後半戦をスタートさせた。

ST600クラスにとっては4レース目となったオートポリス大会。ここまでの3戦では羽田太河、小山知良、荒川晃大と3人の勝者が誕生し、混戦ぶりを物語っている。

好天の中での予選は35分間のタイムアタック形式。セッション開始早々、真っ先に1分52秒台にタイムを入れたのは荒川。その荒川はセッション終盤に転倒を喫してしまう。しかし、ほかに1分52秒台にタイムを入れる者は現われず、荒川が開幕から4連続のポールポジション獲得となった。

荒川は予選終了後に「目標タイムには届かなかったが、いい流れはできている。転倒してしまい、体のダメージはないが、マシンが心配。チームに直してもらって、明日の朝のウオームアップ走行で確認したい」とコメント。目標タイムに届かなかった理由としては「昨日（特別走行）と比べると日差しが強くて路面温度が20度くらい上昇したため、タイヤの扱いが難しくなった」とし、転倒の理由としては「路面温度が高くなったことが原因ではなく、頑張って走ったから」と苦笑い。「優勝したSUGOラウンドでもウイークで転倒している。転倒後に自分のペースを取り戻すのは苦手じゃないと思う」と気合いを入れ直していた。

決勝日も好天に恵まれた。前のクラスの赤旗中断の影響で15分遅れで始まったST600クラス決勝。好スタートを切って真っ先に１コーナーに飛び込んだのは鈴木光来。しかし止まりきれずに井手翔太がトップで1コーナーを立ち上がる。その直後、羽田と横山尚太が転倒。これで赤旗中断となる。

再びグリッドにつき直す。横山はマシン修復が間に合ったが、羽田はピットスタートとなってしまう。

周回数を15周から10周に減算しての再スタート。好スタートを切った井手がレースをリード。背後につけた横山はオープニングラップで荒川にかわされる。井手と荒川の熾烈なトップ争いが開始される。3番手に後退した横山には伊達悠太、鈴木が襲いかかる。

3周目終了時点で井手、荒川、伊達、鈴木、追い上げてきた阿部恵斗、さらには小山知良と続く。横山は周回ごとに順位を落としてしまう。

4周目に鈴木を捉えて4番手に浮上した阿部が7周目に伊達を捉え、3番手表彰台圏内に浮上。その間に井手と荒川は完全に集団から抜け出して一騎打ちに移行する。

荒川はぴたりと井手の背後につける。井手は必死に逃げる。

ラスト2周。ついに荒川がトップ浮上。この激しい争いの間に阿部が追いついて3台での争いに発展。

ラストラップ。阿部と荒川が順位を入れ替える。最後までデッドヒートが続き、これを阿部が制して全日本初優勝。荒川は0.068秒という僅差で悔しい2位。井手は3位表彰台を獲得した。

　

●阿部恵斗（予選5位／決勝1位）
「スタートで出遅れてしまい、離されてしまいました。フリー走行はペースを考えて走っていたので、いつもどおりに走れば追いつくと思いました。最後はぎりぎりで、無理なコーナーで抜いたので接触もあって、申し訳ないと思います。でも初優勝はうれしいです」