【2023年全日本ロードレース選手権 第2戦 鈴鹿2&4 JSB1000】コンディションの変化にも対応した中須賀克行が王者の貫禄で完勝

全日本ロードレース第2戦は鈴鹿2&4として、4輪のスーパーフォーミュラと併催された。2輪は最高峰クラスのJSB1000クラスのみの開催。それでも鈴鹿８耐の参戦権をかけた８耐トライアルが設定されたこともあり、参加台数は70台に膨れた。レースウイークは木曜日からスタート。AとBの２組に分かれ、木曜日と金曜日には練習走行が行なわれた。いずれも絶対王者の中須賀克行（ブリヂストン）が総合結果でトップに立った。

【予選】土曜日の午前中に行なわれた予選では、A組に中須賀が登場。BSBから出戻った水野涼（ブリヂストン）が何とか中須賀と勝負をしようと果敢にタイムアタック。しかし中須賀は2分5秒520をマーク。2番手の水野は2分6秒246にとどまる。
B組では岡本裕生（ブリヂストン）が2戦連ポールポジションをねらう。しかし2分6秒000と、2分6秒の壁を破ることができない。セッション残り5分。ホンダエースの意地をかけた名越哲平（ブリヂストン）が2分5秒534と、２分5秒台をマーク。同時に転倒車が出て赤旗が出る。その後、残り5分でセッションが再開されたがリーダーボードは替わることなく終了。この時点で中須賀のポールポジションが決定した。なお、レース2のグリッドを決めるセカンドラップタイムのトップも中須賀で、ダブルポールポジションとなった。

【レース１】予選時と同様に風は強いものの、晴れてドライコンディションに恵まれた土曜日の午後。予選を通過した44台のフルグリッドで、14周のレース1がスタート。
ホールショットは中須賀が奪い、岡本、名越、津田拓也（ブリヂストン）の順で進む。ターン7で岡本が先頭に立つと、オープニングラップを制す。2周目、名越が130Rで中須賀をパスして2位に浮上。中須賀はすぐ後ろで様子をうかがう。3周目、シケインで名越を抜き返した中須賀は岡本の背後に迫る。この2台を名越と水野が単独で追いかけていく。

レース中盤、名越がトップ集団に加わる一方、水野は単独4位へ。岡本を先頭に、中須賀、名越の順で膠着状態でレースは進む。何度か岡本に仕掛ける様子を見せた中須賀だが、前には出ない。
12周目、満を持して中須賀が岡本を抜いてトップに浮上。中須賀はその後にペースを上げて後ろを離し、悠々とトップチェッカー、今シーズン3勝目を挙げた。2位は岡本、3位名越が表彰台を獲得。スポット参戦の日浦大治朗（ブリヂストン）が単独4位、5位津田拓也、6位作本輝介（ブリヂストン）、水野は7位でチェッカーを受けた。

【レース２】日曜日も天候に恵まれた鈴鹿サーキット。澄み渡る青空の下、16周の決勝レース2が行なわれた。
抜群のスタートを決めた名越が7番グリッドからホールショットを奪取。2番手に水野、ポールポジションの中須賀は3番手につけ、岡本、作本、津田の順でオープニングラップを終える。2周目の最終シケインでトップを奪った水野だが、次の1コーナーでややアウトに膨らんだところを名越が抜き返す。
3番手にいた中須賀は4周目の西ストレートで水野を抜いて2位に上がり、先頭集団は名越、中須賀、水野、岡本、作本、日浦の6台に。5周目、130Rで水野をパスした岡本が3位に浮上。4位につけた水野だったが、6周目にはチームメイトの作本、7周目には日浦にもかわされる。その間にトップ3台との差ができ、日浦、作本、水野はセカンド集団で4位を争う。

レース中盤、トップ名越と中須賀はテールtoノーズの状況。岡本は一時、この2台に離されそうになるが、挽回して食らいついていく。12周目、再び名越と中須賀が接近。14周目の1コーナーで中須賀がトップに浮上。これを逃したくない岡本は、ヘアピン、MCシケインで名越に仕掛けて2位へ。対して名越も130Rで抜き返し、15周目には名越vs.岡本の戦いが激化。それを尻目に中須賀は独走態勢を築く。
ラストラップ、中須賀は2位に2秒5の差を持って見事勝利。2位争いは岡本に軍配、3位は名越と、今季の4レースすべてで同じ結果となった。4位争いは、チームメイト同士の戦いを水野が制し、作本が5位でチェッカーを受けた。一方の日浦はトラブルにより15周でレースを終えている。

●中須賀克行（予選1位／決勝レース1・1位、レース2・1位）
「昨日とはコンディションが変わり、日曜は路面温度が一気に49℃から50℃くらいまで上がっていました。それに加えてレース1より2周多い16周のレースということで、タイヤには厳しいコンディションだったのですが、ブリヂストンタイヤは最後まで安定してくれていました。残り2周のときにトップに出ましたが、そこからもしっかりとペースを上げることができたので、タイヤのパフォーマンスを最大限生かせたと思います。こうやってしっかり勝ち切れたことは、次につながるいいレースになりました」