【2023年全日本ロードレース選手権 第8戦 鈴鹿 J-GP3】木内尚汰が優勝、彌榮郡が2位でブリヂストン若手がワンツーフィニッシュ

全日本ロードレース第8戦鈴鹿は最終戦。シーズンが進むにつれて成長ぶりを結果に結びつけられるようになったブリヂストン若手ライダーたち。最後の争いに向けて気合いを入れていた。

【予選】予選は30分間のタイムアタック形式。セッション開始10分経過時点で2分17秒871をマークした大和颯（ブリヂストン）がリーダーボードのトップに立つ。その時点で2分17秒946と2番手タイムをマークした木内尚汰（ブリヂストン）は直後に転倒。
残り１分、２分17秒台をマークしているのは大和と木内の二人だけ。しかし尾野弘樹（DL）が最終アタックで２分16秒633と、ポールポジションを奪っていった。「ポールポジションを取るしかない！」と強い気持ちで予選に臨んでいた木内は「焦りが出た。これじゃ子供みたいだなって自分で反省した。冷静になろう」と前を向く。

【決勝】決勝日朝は雨模様だったが、天候は急速に回復。朝のウオームアップ走行は完全なウエットコンディション。しかし路面は乾き始め、グリッドではタイヤ交換の準備を整え、慌ただしいスタート前になった。
好スタートを切ったのは尾野。高杉奈緒子（ブリヂストン）、上江洲葵要（DL）と続く。オープニングラップを制したのは尾野。高杉は順位を落とし、2番手は上江洲。彌榮郡（ブリヂストン）、木内、大和、若松怜（ブリヂストン）、高杉、徳留真紀（ブリヂストン）の順で1周目を終える。

2周目に2番手浮上の彌榮が3周目にはトップに浮上。その彌榮を捕らえたのは順位を回復した高杉。その高杉を木内がパスしてトップ浮上、4周目には尾野が首位奪回と混戦状態に突入。
10台のトップ集団はそこここで順位を入れ替えながら周回。特に尾野と彌榮、木内は何度も順位を入れ替えながらトップに立つドッグファイトを展開する。さらにここに大和、若松も加わり5台での激しい争いに。

ラスト2周。トップに立った彌榮がラストスパートをかけて後続を引き離しにかかる。しかし逃げ切ることはできず、すぐに木内、尾野との三つ巴に。
真っ先に最終ラップに突入したのは木内。尾野、彌榮がコーナーごとに仕掛ける。しかし木内はそのままトップでゴールして今季初優勝。僅差の2位でチェッカーの彌榮は「タイヤはすごくよかった。最後まで違和感なく走れたし、最後までフィーリングが替わらなかった。終盤の方が走りやすかったくらい。でも2位じゃダメだ」と悔しさをにじませていた。

●木内尚汰（予選３位／決勝1位）
「難しいコンディションでも最初から最後まで高いグリップを得ることができました。最後はフロントが安定感を保ってくれたので、余裕を持ってシケインに入ることができました」