【2024年全日本ロードレース選手権 第1戦 鈴鹿2&4 JSB1000】波乱の開幕レースをディフェンディングチャンピオン中須賀克行が制する！

全日本ロードレース選手権2024シーズンの幕開けは鈴鹿2&4。JSB1000クラスのみの開催だ。
そのJSB1000クラスはチーム加賀山がドゥカティのSBKチャンピオンマシンで参戦、ライバルタイヤメーカーが新規参戦、Moto2から野左根航汰が復帰と話題が豊富。例年以上に注目される開幕戦となった。ライバルから勝負を挑まれ、他メーカーで開発が進んでいた海外車両を受け入れることになったブリヂストンにとっては、気合いの入るシーズンとなった。

ウイークは、激動を物語るかのように波乱で始まった。予選日は朝から晴れ間と小雪が交互にやって来る奇妙な天候。状況が安定せず、予選はセッション開始直前にキャンセル。決勝グリッドは、MFJ国内競技規則に基づいて金曜日のART走行の総合結果で決定されることになった。その結果、長島哲太（DL）がポールポジション。初めてのドゥカティで新たなスタートを切った水野涼（ブリヂストン）が2番手。岡本裕生（ブリヂストン）が3番手とフロントロウはホンダ、ドゥカティ、ヤマハと3メーカーが並ぶことになった。

決勝日は空気の冷たさは変わらずも朝から快晴に恵まれた。14周のレースは12時25分にスタート。長島、水野、中須賀克行（ブリヂストン）の3台がトップ集団を形成。しかしトップグループが4周目に突入したとき、後方で渡辺一樹（TOHO Racing）が転倒。赤旗中断。周回数は14周のままでクイックリスタートとなる。

12時50分。サイティングラップが開始され、仕切り直しのレースがスタート。ホールショットを奪ったのは長島。中須賀、岡本が背後につける。若干出遅れた水野はすぐに３台に追いつくと、あっという間にトップ浮上してオープニングラップを制する。水野、中須賀、長島、岡本のトップ集団をスポット参戦の渥美心（ブリヂストン）が追いかけ、首位集団は5台に膨れる。
長島、岡本、渥美の3位争いが過熱。水野と中須賀は3台を引き離して一騎打ちを開始。中須賀は水野の背後にピタリとつけて周回を重ねる。
７周目のスプーンコーナーでいよいよ中須賀が首位奪取。水野を引き離し始める。一方の表彰台争いは長島が遅れ始め、岡本と渥美の一騎打ちに。
10周目のS字コーナーで渥美が転倒。これでセーフティカーが導入される。その間に転倒車が出て、そのまま赤旗中断、レース成立。中須賀優勝。水野はドゥカティに全日本初表彰台をプレゼント。岡本が3位でヤマハファクトリーチームは表彰台２席を獲得となった。

●中須賀克行（グリッド4番手／決勝1位）
「例年よりも開催時期が１カ月早くて寒いコンディションでの開幕戦になりました。そんな中でもブリヂストンが冬用タイヤを用意してくれて、それがしっかりと機能してくれました。今朝の10度以下というウオームアップ走行でもパフォーマンスを発揮してくれました。午後は路面温度が少し上がり、いつもと替わらないハイアベレージを刻めました。結果は赤旗で終了ということになりましたが、タイヤが最後までしっかり機能してくれたことが勝利につながったのだと思います」