【2024年全日本ロードレース選手権 第4戦 筑波 J-GP3】若松怜が開幕3戦連続表彰台、武中駿が全日本初表彰台を獲得と若手が活躍

全日本ロードレース選手権第４戦筑波大会はJ-GP3のみの開催。予選、決勝共に日曜日に行なわれるワンデー開催となった。

予選は前夜に降った雨の影響でウエットパッチが残る中での25分間の計時による戦い。セッション開始早々にタイムアタック合戦が始まる。若松怜（ブリヂストン）、大田隼人（ブリヂストン）が三谷然（DL）、池上聖竜（PI）といった海外で腕を磨くスポット参戦ライダーたちやMoto3経験者でディフェンディングチャンピオン尾野弘樹（DL）と熾烈なタイム合戦を展開する。
次々にトップタイムが更新され、1分00秒台の攻防が落ち着き始めたころ、高杉奈緒子（ブリヂストン）が1分00秒199をマークし、一気にリーダーボードのトップに浮上。高杉は1分00秒121とさらに自身のタイムを更新。
セッション中盤にアタック合戦が激化。岡崎静夏（ブリヂストン）が1分00秒110で高杉を逆転。
残り10分。若松がついに1分の壁を越えて59秒966をマーク。ここからタイムアタック合戦がさらに激しくなるかと思った残り9分。転倒車がコース上に残ってしまい、赤旗が出される。

セッション再開後は59秒台の攻防に突入。高杉も59秒台をマーク。しかし最後に尾野が出した59秒783には届かず。0.120秒差で3番手フロントロウ獲得となった。若松は0.183秒差の4番手。トップ4台が59秒台。岡崎は0.3秒差の5番手から決勝に臨むことになった。ポールポジションタイムから1秒以内に12人がひしめく激戦だった。

午後の決勝は25周という周回数が設定された。予選の混戦を再現するかのような大きな集団が出来上がる。レース前半は若松、木内尚汰（ブリヂストン）、高杉、武中駿（ブリヂストン）を含む7台でのトップグループ。レース中盤には松島璃空（ブリヂストン）、大田隼人（ブリヂストン）も加わり、10台での熾烈なバトルが展開される。
積極的に首位をねらったのは若松。尾野とポジションを入れ替えながら集団を引っ張る。すぐ後ろでは周回ごとに順位を上げた武中が池上と熾烈な表彰台争いを繰り広げる。

残り4周。尾野が逃げにかかる。しっかりと背後につける若松。トップ集団は一気に6台に絞られる。
最終ラップ。逃げる尾野に襲いかかるチャンスをうかがった若松だが、若干コースアウトしたことでマシンが暴れる。これで決着。若松は0.209秒差の2位でチェッカー。武中は僅差で池上に競り勝ち、全日本初表彰台を獲得した。

●若松怜（予選4位／決勝2位）
「最初はブリヂストンのいいところを使って前に出て逃げようと思ったのですが、すぐに尾野選手に抜き返されてしまいました。作戦を変更して、タイヤを温存して最後にスパートをかけることにしました。タイヤの余力はあったのですが、最終ラップでミスしてしまいました。後ろも気にしていたので失敗してしまいました。タイヤはレースがあと何周かあってもいいくらいの余力がありました。気温が上がった分だけ午前中よりもグリップの薄さは感じましたが、尾野選手と比べると、自分の方が少し余力が残っていると感じたものの僅かに届きませんでした」