TGR 86/BRZ Race Rd.3 CLUBMAN Series EXPERT

クラブマンシリーズは才能ある若手ドライバーが突然姿を現すことが多い。2019年のニューカマーの中で最も注目すべきドライバーは＃56鶴賀義幸(ブリヂストン)だろう。開幕戦でいきなり3位表彰台を獲得。第2戦富士では苦戦したものの9位＆6位と徐々にペースを上げた。そして第3戦、前哨戦ともいえる公式の専有走行ではトップタイムをマーク。レース経験はまだ3年目だが冷静でクレバーな判断力がそれを補っているようだ。勢いを感じさせるニューカマーがついに優勝争いに顔を出すのか？

●予選
しかし個性的なコースレイアウトのスポーツランドSUGO。このコースの経験値自体が大きな価値を持つ。ポールポジションを獲得したのは専有走行で2位だった＃130松井宏太(DL)。ヴィッツレースの東北シリーズで活躍した彼にとってSUGOはホームコースであり何度も戦ってきたステージだった。鶴賀は2位となり、3位には＃305水野大（DL）が入った。富士で2連勝してコンディションは悪くないはずの＃84橋本洋平(ブリヂストン)は5位。その他のブリヂストン装着勢では、トップ10に＃703花里祐弥が6位、＃89池島実紅が10位と、4台が入った。

●決勝レース
第1ヒート、鶴賀はスタートで3位へとポジションを落としてしまう。代わりに2位へ浮上したのは水野。そうした混乱もあり松井はギャップを一気に拡げ、オープニングラップで2秒081もの差をつけてみせた。そのギャップはさらに拡がり続けレース後半ではペースを落としてタイヤをケアする余裕を見せて優勝。松井選手にとって初優勝となった。

注目の鶴賀は運に見放されたのか6周目にエンジンチェックランプが点灯してしまう。それによってABSも作動しなくなり難しいブレーキングを強いられることになってしまった。一時は3秒以上ペースを落としたもののフォーミュラの経験もあってやがて順応し2周で元のタイムに戻してみせた。しかし同時に9位にまで順位を落とした。ベテラン橋本は、後ろの＃760岩本佳之(DL)とのバトルをギリギリで制して4位。また花里は6位となった。

第2ヒートでは、とにかく前へ出ることを考えたという橋本がスタートで3位へ。そのまま3位となった。優勝は松井で第1ヒートと同様に最初の2〜3周で大きく差を拡げてその後は余裕を持ったペースで走りきった。2位は水野、鶴賀は9位からスタートし、オープニングラップで7位までポジションを上げ最終的に7位でフィニッシュ。その他のブリヂストン装着勢は、花里が5位、池島が9位。

●コメント
4位＆3位と上位入賞を果たした＃84橋本洋平のコメント。
「このコースはオーバーテイクできないので、順位を上げることができるとすればスタートしかない。だからスタートに賭けていたのですが、上手く決められて3位にポジションを上げることができました。ブリヂストンタイヤは、トラクションが得意な性格なので、コーナーが連続するSUGOは苦手な特性だと思います。それでブリヂストン流に、しっかりと減速してコーナーを立ち上がる走り方で、後続を抑えて3位で表彰台に上がることができました。最低限の仕事はできたのかな、と思っています」