TGR 86/BRZ Race 2019 Rd.8 CLUBMAN Series OPEN

2本のストレートと連続したコーナーで構成された岡山国際サーキットは、西日本の多くのドライバーたちが集う。ドライバーにとってチャレンジングであり、攻略する喜びを感じるコースであるからだろう。それだけにホームコースとし、スキルアップしてきた地元ドライバーの優位性が出やすいコースでもある。そこに雨というコンディションが加わることで、さらに地元優位という状況となっていた。シリーズを転戦してきたドライバーと、地元ドライバーの対決もまた、オープンクラスのひとつの注目点だった。シリーズチャンピオン争いは、5勝している＃758安藤正明(DL)がトップに立ち、2位の＃40志賀俊方(DL)との差は12.5ポイント。3位＃12今井清則(DL)は28.5ポイント差で、この3人に絞られていた。

●予選
路面はウエットだったが、雨は小康状態となり、霧雨がサーキットを覆うようなコンディションの中、予選がスタートした。
チャンピオンを狙う志賀がトップでコースイン。しかし好タイムを出したのは広島トヨペットの社員で岡山国際をホームコースとする＃33山崎竜生(DL)。その後もアタックを続け、タイムアップを繰り返し、1分59秒台に入れてポールポジションを獲得する。2位にはドライビングシミュレーターメーカーの社員で、これまた地元の＃277窪口綾(ブリヂストン)が入った。彼は第4戦、雨のオートポリスで優勝しており、今回の注目選手のひとりだ。3位にD1GPにも参戦する広島出身の＃333松川和也(DL)と、地元勢が上位を占めた。シリーズチャンピオンを争う安藤は6位、志賀は9位、そして今井は24位となった。

●決勝
ウエットの岡山国際を熟知している地元ドライバーの強さが、第1ヒートでは目立っていた。ポールポジションの山崎選手はスタートを上手く決め、そのままレースをリードしていく。1周目に1秒180、2周目には2秒780と差を拡げていき、2位以下を引き離していく。2位争いの攻防は激しく、それがまた山崎の独走を手助けしていった。2位争いは松川がスタート直後から先頭に立ったが、8周目、＃316樋口千樹(ブリヂストン)がオーバーテイクする。彼もまた岡山チャレンジカップでスキルアップしてきたドライバーで、北海道在住ながら岡山国際がホームコースだ。第1ヒートは山崎が、2位樋口に6秒以上の差をつけてポール・トゥ・ウィン。3位には松川が入った。
翌日の第2ヒート、路面はドライとなり、様相は変わった。2位スタートの樋口がオープニングラップでトップを奪う。その後ろでは、転戦ドライバーの中で最上位となった5位スタートの＃559岡田整(YH)が好スタートを決めて3位に上がる。しかしレースペースが苦しく、コースオフしてリタイヤ。代わりに3位となったのはポイントリーダーの安藤。表彰台の上でチャンピオン獲得の祝福を受けられるかと思ったが、周回遅れをオーバーテイクするタイミングでイエローフラッグが出ており、驚いた周回遅れのドライバーがほぼ停車するほど速度を落としたため、行き場を失い、ポジションを落としてしまった。2台のトップ争いは0秒5前後のタイム差で展開していったものの、オーバーテイクシーンはなく、樋口が初優勝。3位は、レース後にペナルティが複数出たことによって、6位でゴールした安藤が繰り上がりとなり、オープンクラスのチャンピオンを獲得した。

オープンクラス第2ヒートで初優勝を手にした＃316樋口千樹選手(ブリヂストン)のコメント。
「狙っていました！　自分の今年の目標として、86レースで優勝するためにいろいろとやってきました。嬉しいです。絶対に勝つという気持ちでレースに臨みました。北海道に住んでいるんですけど、岡山チャレンジカップに参戦してレース経験を積んでいます。86レースにはスポットでエントリーしていますが、今回は勝ちを狙っていました。同じチームからプロフェッショナルシリーズに参戦している阪口良平選手からのアドバイスをいろいろともらっていて、レベルアップすることができました」