TGR 86/BRZ Race 2019 Rd.5 CLUBMAN Series EXPERT

4月の第2戦に続き今シーズン2度目の開催となる富士スピードウェイ。今回は2ヒート制ではなくシンプルな1ヒート制が採用され、スプリントレースらしいスリリングなレース展開が期待された。その第2戦を2ヒートともに制した＃84橋本洋平(ブリヂストン)は、第4戦オートポリスでも2ヒートを制覇。この第5戦でも大本命と目されていた。とはいえライバルたちも、ポイントリーダーである橋本がリードを拡げていくのを黙って見ているわけにはいかない。エントリー台数は40台と今シーズン最大の参加台数となった。

●予選
梅雨真っ只中、レースウィークに入って富士スピードウェイ週末の天気予報はいずれも雨だった。しかし結果としては、パラパラと水分を感じることはあってもわずかで、路面を湿らせるほどの雨が降ることはなかった。多くのチームがさまざまな対応を検討していたウエットにはならず、コンディションは常にドライだった。予選開始とともにコースインした＃130松井宏太(DL)が2分06秒634のトップタイムをマーク、しかしすぐに橋本が2分06秒539で更新する。＃38神谷裕幸(DL)は2分06秒575でわずかに届かない。しかし終盤、2度目のタイムアタックで＃29松沢隆弘(DL)が2分6秒505を出し、ポールポジションを獲得することになった。
今回の予選、そのポールポジションのタイムから1秒以内に20台が入るという、まるでプロフェッショナルシリーズの予選結果のような接近戦となった。ブリヂストン装着勢はトップ10の中に、2位の橋本の他に、5位に＃703花里祐弥、8位には＃56鶴賀義幸が入った。

●決勝レース
注目されたスタート、橋本は見事なダッシュを決め、対照的にポールポジションの松沢はホイールスピンで遅れ1コーナーまでに完全にトップを奪っていた。橋本にとってはベストシナリオだ。同じように上手くスタートを決めた花里だったが、しかし1コーナーの手前で松沢のイン側に並びかけたところでスペースを失い、ダートへと入ってしまう。結果としてブレーキングできず、1コーナーではアウト側に居た神谷とクラッシュ。左フロントを大きく破損し、そのままリタイヤすることになってしまった。神谷は右ドアに損傷を受けたものの、そのままレースは続けることができた。
1周目で2秒以上の差を付けた橋本だったが、2位松沢にその差を少しずつ詰められていくものの、2分6秒台のハイペースで安定した周回を見せる。そして5周目、後方集団で2台がダンロップコーナーでクラッシュ。そのうちの1台が縁石に乗り上げたまま動けなくなり、セーフティカーが導入された後、赤旗中断となった。
残り3周でセーフティカースタートで再開されたが、橋本は終始落ち着いた走りを見せ、トップチェッカーを受けた。2位は松沢、3位には予選6位から追い上げた＃305水野大(DL)が入った。これによって橋本はシリーズランキングでも2位水野大との差を21.5ポイントへと拡げた。
ブリヂストン装着勢は、優勝した橋本の他、5位に鶴賀、10位に＃413蓬田昭男が入った。

今シーズン5勝目を挙げた＃84橋本洋平のコメント
「スタートで優位なことはわかっていたので、スタート直後にすぐにトップに立つことができたのが、最大の勝因ですね。ポテンザRE-12Dのトラクション性能の高さを生かすことができました。オープニングラップで2秒以上差を拡げることができたし、途中赤旗中断になりましたけど、それほど慌てることもなく、トップを守りきることができました。シリーズチャンピオンに向けて、この調子で後半戦も戦っていこうと思います」