TGR 86/BRZ Race 2021 クラブマンシリーズオープンクラス 第11戦

ネッツカップ・ヴィッツレースのステップアップカテゴリーとして、2013年にスタートしたTGR86／BRZレースは、いうまでもなく参加型レースだ。そういう意味では、クラブマンシリーズのオープンクラスこそ、このレースの本質と言っていいだろう。そして、その目的を十分に果たしたことを証明するかのように、最後のレースには69台ものアマチュアドライバーたちが富士スピードウェイに集結した。
すでに前戦十勝ラウンドでシリーズチャンピオンは＃870塙瞬佑(DL)に決定しており、最終戦はチャンピオン争いのプレッシャーのない、伸び伸びとしたレースが期待された。

●予選
11月も半ばを過ぎた富士スピードウェイは、冬の寒さに包まれる。天候は快晴、いわゆる冬晴れの抜けるような空の下、公式予選が行われた。69台のマシンが同時にコースインすることはできないため、2組に分けての予選となった。予選1組を制したのは、今シーズンのチャンピオンを獲得した塙。周回を重ねながらタイヤをゆっくりと温め、2分05秒718をマークした。2番手の＃16大久保仁(YH)は0秒064差と僅差だった。続いて行われた予選2組では、初参戦の＃115三浦尭保(YH)が2分06秒213でトップタイムを奪った。タイムで勝った1組がアドバンテージとなり、ポールポジションは塙、セカンドグリッドに三浦という並びになった。ブリヂストン装着勢は、8位に＃296細川由依花が入った。

●決勝
オープンクラスの決勝レースは、日曜日の午前中、空には雲が拡がっていたこともあり、路面温度は低かった。スタート直後からいくつかのアクシデントが発生した。軽い接触でも横Ｇが大きいコーナリング中では、マシンは簡単にコントロールを失うことになる。そうしたアクシデントによって何台かのマシンはリタイヤに追い込まれたが、同時に黄旗2本の提示(＝徐行)区間で、コースを外れたり、オーバーテイクしてしまったりして、レースは荒れた展開になっていった。そうした混乱と無縁に、ポールポジションからスタートの塙は後続のマシンとのギャップをキープしていたものの、終盤になってペースは苦しくなり、2位へポジションを上げてきた＃559岡田整(YH)に迫られる展開になっていった。しかしポジションを渡すことはなく、ポール・トゥ・ウィンで今シーズン4勝目を挙げた。3位は2016年の初参戦以来、初の表彰台となる＃16大久保仁(YH)が手にした。
ブリヂストン装着勢は、8位に2015年から参戦しているベテラン＃9青柳クニトシ、9位にランキング3位の＃124西澤嗣哲、そして10位には東海地区スバルグループの＃555葉賀大輔となりチーム初ポイントを獲得した。

●クラブマンシリーズ・オープンクラス決勝レースで、8位入賞を果たした＃9青柳クニトシ選手のコメント。
「予選のベストタイムが走路外走行に判定されて、14位になってしまいました。レースではそれが逆に良かったのかもしれないんですけど、前のほうでアクシデントが起きて、それをしっかり避けることができました。直後を走っていたら巻き込まれていたかもしれません。順位が上がっていったのはわかっていたのですが、このモデルの最後のレースで入賞できて、うれしいですね」