POTENZA RE-09Dがデビューウィンを達成。堤が優勝、吉田、地頭所が続き、表彰台独占を果たす
- 開催場所:鈴鹿サーキット
- 開催日:2022年10月29日(土) 〜 2022年10月30日(日)
新型マシンが投入され、シリーズ名称も一新。より一層話題を集めるようになったGR86/BRZ Cupの第4戦は10月29〜30日に、日本のモータースポーツの聖地、鈴鹿サーキットで開催された。コーナーは低速から高速までバランス良く、2本のストレートを挟んで配されたコースはF1日本グランプリの舞台でもあり、世界中から選りすぐられた猛者たちさえも唸らせるほど難しく、そして挑戦しがいのあるサーキットだ。
ブリヂストンは従来モデルのPOTENZA RE-07D、そしてRE-08Dで培ってきた技術をもとに、今回からより進化させたPOTENZA RE-09Dを新たに投入した。
ここまでの3戦はレースウィークのどこかで雨が降り、その都度セッティング変更を強いられたため、運に左右される部分も大きくプロドライバーたちを持ってしても苦戦を余儀なくされていたが、このレースウィークは天候に恵まれ、コンディションはほぼ一定。順調にタイヤのマッチングを含めた、セットアップが進められていった。逆をいえば、セッティング、ドライバー、タイヤそれぞれの本当の実力が試されるということになったわけだ。
予選前日の専有走行において、今回から投じられたPOTENZA RE-09Dのポテンシャルをいち早く引き出していたのは、#160吉田広樹(ブリヂストン)でトップタイムをマーク。2番手に#7堤優威(ブリヂストン)がつけ、吉田のチームメイトの#552地頭所光(ブリヂストン)が3番手。さらに#98元嶋佑弥(ブリヂストン)、#700阪口良平(ブリヂストン)が続いて上位を独占していた。
第4戦のプロフェッショナルシリーズのエントリー台数は34台となり、そのうち22台がPOTENZA RE-09Dを装着する。
●予選
土曜日も天候に恵まれ、まさに秋晴れとなった。完全なドライコンディションでの予選は今シーズン初。ようやくGR86/BRZ Cupらしいワンアタック合戦が繰り広げられることが予想された。
午前10時50分から予選が開始。こういった状況であれば、通常は前半から勝負をかけるドライバーと、少しでも路面状態が良くなる後半に勝負をかけるドライバーとで、はっきり二分されがちだが、今回、前半にアタックするドライバーが集中したのは、ドライバーブリーフィングで「タイムスケジュールの関係上、赤旗が出たら、その時点で終了になる」と釘を刺されていたからのようだ。
そんな中、前半のうちにトップタイムを記したのは#10菅沼冬悟(DL)で、続く2番手は堤。3番手に#60小河諒(DL)、4番手は地頭所となる。
後半に勝負をかけたのは、わずか4人のみ。そのうちのひとりである吉田が、地頭所を押さえて4番手に割って入った。6番手は#293岡本大地(NX)が獲得。9番手に元嶋、そして10番手には#11脇阪寿一(ブリヂストン)が入り、POTENZA RE-09D装着のドライバーがトップ10のうち5台を占めた。
●決勝
日曜日、サーキット上空には青空が広がり、これ以上ないレース日和の中で決勝レースが行われた。スタートシーンは、まさに圧巻の一言だった。堤が無難にダッシュを決めたのに対し、ポールシッターの菅波は出遅れたばかりか、ストレートエンドで堤に寄せてきたが、堤は冷静に接触を回避するとともにトップに浮上。2番手には小河が上がり、さらに吉田がデグナーで菅波をかわして3番手に、地頭所も130Rで4番手に浮上する。
2周目に入ると、堤、小河、吉田の3人によるトップグループが形成されるも、4周目のデグナーで吉田が前に出て2番手に浮上。その後のヘアピンでダートに足を落としてしまった小河はペースが鈍り、スプーンでは地頭所の先行も許していた。
これによりトップ3台はPOTENZA RE-09Dユーザーによって占められるようになり、なおも激しくトップ争いが繰り広げられる。吉田と地頭所は、事前にロングのテストもできていたことから、終盤のペースでは堤を上回るも、要所をしっかりと抑えられ逆転するまでには至らない。逃げ切った堤は、前回の十勝で戦わずしてリタイアした悔しさを払拭するとともに、初優勝を飾った2018年の第2戦スポーツランドSUGO以来となる、勝利を挙げた。
POTENZA装着勢は5位に元嶋、9位に脇阪、10位に阪口が入った。
シリーズポイントランキングでは2位に堤、6位に吉田となっている。
最終戦岡山は2レース制となっておりシリーズポイント争いも目が離せない。
〈ドライバーコメント〉
●第4戦ブロフェッショナルシリーズ決勝レースで、優勝を飾った#7堤優威のコメント
「ありがとうございます、久しぶりの優勝です。前回のレースでは僕のミスで出場できなかったので、チームに恩返しができました。スタートで菅波選手がミスったのかだいぶ寄せられて、『おおっ』と思いましたが、そこで前に出られたことが勝因だったと思います。ロングのテストが全くできていなかったので、埼玉の2台(吉田、地頭所)が後半速かったのはミラーを見ていても分かりました。その中でもポジションは有利だったので、抑えるべきところを抑えられて最後まで戦えました。木曜日から4回の練習だけで合わせ込めたのはチームとしても良かったですし、何よりブリヂストンタイヤの3人がこうやって表彰台に上がれて良かったです。」
決勝
- 開催日:2022/10/30
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:34
- 完走:33
- (5.807km x 8laps = 46.456km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 7 | 堤 優威 | BS | T by Two カバナ BS GR86 | 8 | 19'51.497 | ||||||
2 | 160 | 吉田 広樹 | BS | 埼玉トヨペットGB BS GR86 | 8 | 19'51.981 | ||||||
3 | 522 | 地頭所 光 | BS | GB CAMP BS GR86 | 8 | 19'52.381 | ||||||
4 | 293 | 岡本 大地 | NX | Nfera SportsR GR86 | 8 | 19'57.792 | ||||||
5 | 98 | 元嶋 佑弥 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 8 | 19'58.921 | ||||||
6 | 504 | 冨林 勇佑 | DL | エアバスターDL・GR86 | 8 | 19'59.392 | ||||||
7 | 60 | 小河 諒 | DL | OTG DL GR86 | 8 | 19'59.698 | ||||||
8 | 80 | 伊東 黎明 | DL | OTG DL GR86 | 8 | 19'59.899 | ||||||
9 | 11 | 脇阪 寿一 | BS | Owltech BS GR86 | 8 | 20'01.941 | ||||||
10 | 700 | 阪口 良平 | BS | MOTUL TWS GR86 | 8 | 20'02.287 | ||||||
11 | 199 | 平良 響 | BS | COROLLA MIE GR86 | 8 | 20'02.759 | ||||||
12 | 123 | 松井 孝允 | DL | NETZ富山Racing GR86 | 8 | 20'08.901 | ||||||
13 | 988 | 井口 卓人 | BS | RECARO BS BRZ | 8 | 20'09.039 | ||||||
14 | 31 | 青木 孝行 | BS | ケーエムエス フェニックスGR86 | 8 | 20'10.009 | ||||||
15 | 70 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL GR86 | 8 | 20'11.245 | ||||||
16 | 97 | 高橋 知己 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 8 | 20'11.614 | ||||||
17 | 550 | 宗藤 昌太朗 | BS | 名神タイヤGR86 | 8 | 20'12.763 | ||||||
18 | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO 86 BS GR86 | 8 | 20'12.851 | ||||||
19 | 56 | 鶴賀 義幸 | BS | 栃木トヨタT2F BS GR86 | 8 | 20'14.370 | ||||||
20 | 112 | 石森 聖生 | BS | Owltech GR86 | 8 | 20'15.413 | ||||||
21 | 910 | 坂 裕之 | DL | 佐藤重量 DL GR86 | 8 | 20'16.874 | ||||||
22 | 987 | 久保 凜太郎 | BS | RECARO BS BRZ | 8 | 20'17.133 | ||||||
23 | 556 | 呉 良亮 | DL | 86RACER' SIDI GR86 | 8 | 20'17.639 | ||||||
24 | 5 | 井上 尚志 | BS | レストアパーツBSまんさくGR86 | 8 | 20'18.188 | ||||||
25 | 291 | 近藤 翼 | NX | Nfera SportsR GR86 | 8 | 20'19.130 | ||||||
26 | 76 | 森川 基雄 | DL | ウィニング制動屋 NUTEC GR86 | 8 | 20'19.585 | ||||||
27 | 3 | 翁長 実希 | NX | KIMI GR86 | 8 | 20'19.811 | ||||||
28 | 50 | 高島 登 | BS | 南船場炭火焼肉一閃GR86 | 8 | 20'20.531 | ||||||
29 | 17 | 岡田 整 | BS | COVERS K-one GR86 | 8 | 20'21.426 | ||||||
30 | 770 | 石坂 瑞基 | BS | FORCE LABO カバナ GR86 | 8 | 20'33.983 | ||||||
31 | 10 | 菅波 冬悟 | DL | OTG TN滋賀 GR86 | 8 | 20'40.208 | ||||||
32 | 55 | 鎌倉 裕貴 | BS | YS PRODUCE GR86 | 8 | 20'44.513 | ||||||
33 | 82 | 谷口 信輝 | BS | KTMS GR86 | 7 | 18'05.870 | ||||||
- | 18 | 中山 雄一 | BS | IBARAKI TOYOPET GR86 | 0 | DNS |