堤優威選手が今シーズン初優勝を飾り POTENZA RE-09Dが開幕から4戦連続で表彰台を独占
- 開催場所:十勝スピードウェイ
- 開催日:2023年08月19日(土) 〜 2023年08月20日(日)
新型のトヨタGR86とスバルBRZが導入されて2シーズン目を迎えて、ますますの熱戦が繰り広げられているGR86/BRZ Cupの第4戦が8月19〜20日に、北海道の十勝スピードウェイで開催された。北海道の広大な大地にあることを思わせるフラットなコースで、1コーナーを駆け抜けると、ほとんどのコーナーが短い直線でつながれた90度コーナーであるが、それがかえってリズミカルな走りを要し、一見した印象よりも難しいコースとして知られている。 金曜日に行われた専有走行では、前回に続いて#160吉田広樹(ブリヂストン)が好調さを見せ、1分32秒590でトップにつけて、#7堤優威(ブリヂストン)、#87久保凜太郎(ブリヂストン)、#34佐々木雅弘(ブリヂストン)、#98元嶋佑弥(ブリヂストン)、#199平良響(ブリヂストン)の順でPOTENZA RE-09Dを装着するドライバーが上位を独占した。 今回のエントリーは33台で、そのうち23台がPOTENZA RE-09Dを装着する。
●予選
全国的に猛暑が続く中、こと北海道の十勝地区は例外的に、予選が行われた土曜日は上空を雲が覆って、比較的爽やかな天候となっていた。 予選の計測時間は15分間。いつものように、それぞれ1周勝負となった。しかし、夜のうちに雨が降ったことで路面状態が悪化し、先に行われたクラブマンシリーズの予選で、公式練習よりも全体的にタイムが伸び悩んでいたことから、近頃の傾向となっていたセッション前半で好タイムが出るのではなく、若干ながら後半の方がコンディションは向上したようだった。 先頭を切ってコースインした吉田が1分32秒671をマークしてトップに立つも、間もなく1分32秒381を記して上回ってきたのが平良だった。そして、残り5分間のアタックで勝負をかけたのが#18中山雄一(ブリヂストン)。平良のタイムには届かなかったものの、1分32秒505を出して、吉田との間に割って入り、予選の自己ベストとなる2番手につけた。 4番手は#97高橋知己(ブリヂストン)、5番手は堤、6番手が#293岡本大地(ブリヂストン)、7番手は元嶋で、ここまでをPOTENZA RE-09Dを装着するドライバーが占めていた。
●ポールポジションを獲得した#199平良響のコメント
「大きなミスもなかったので、これが限界で、これが実力だと思っています。これ以上、上げられるのかもしれないけど、そこは本当にリスクマネージメントのギリギリとの戦いなので、それが僕のリスクを負ってのアタック、ギリギリというところです。それでトップで終えられたのが、嬉しいですし、実力をちゃんと出せたな、というアタックでした。やっぱりタイヤは内圧の管理が大切なので、チームと内圧を細かく、本当に細かく路面温度と気温と、路面のコンディションもいろいろ考えながら、内圧を決めて行ったので、非常にいいアタックができました」
●予選2番手を獲得した#18中山雄一のコメント
「ラスト5分ぐらいからですね、出て行ったのは。クラブマンのトップタイムが最後に出ていたので、路面が悪いのかなと読んで、タイミングを見て行きました。スリップストリームを使える位置でのアタックはできませんでしたが、昨日ミスしたところを、しっかりまとめて走ることだけに集中していたら、意外とタイムが出てくれました。エンジニアがダンパーのセットを見直して、やってくれた甲斐があって、僕のベストグリッドにもなったので、とても良かったです。雨がけっこう降っていた水曜日にも走行していますし、もともと雨は得意なので、決勝では、雨が降っても晴れても、どちらでも問題はないと思っています。水曜から入った甲斐がありました」
●決勝
翌日の決勝レースもドライコンディションでの戦いになるかと思われたが、天候は一転して雨に見舞われてしまう。しかし、スタート進行が行われる頃には雨は止んで、雲の切れ間から青空が見えるまでに回復。ダンプコンディション(乾きかけの路面)でのレース開始となった。 ポールシッターの平良が1コーナーへのホールショットを決めるも、その後方で誰よりも鋭いダッシュを決めていたのが堤だった。予選5番手から一気に2番手にジャンプアップ。
1周目を終えると、早くも平良と堤の一騎討ちとなり、3番手の中山以下を引き離していた。 2周目の1コーナーで平良がブレーキミスから、軽くオーバーラン。この隙を堤が見逃してくれるはずはなく、2コーナーでトップを奪い取る。しかし、平良も遅れることなく続き、再逆転のチャンスを待つ。 3番手争いも激しく、中山を先頭に岡本、元嶋、吉田らが続いた。この中で最初にアクションを起こしたのは岡本だったが、中山は鉄壁のガードで逆転を許さない。そのバトルの間に接触があった岡本は順位を落とし、逆に中盤からは中山が単独走行となる。 一方、トップ争いも中盤までで、8周目には堤が平良に1秒の差を築き、その差が徐々に広がっていく。逆に終盤に入って前を行く2台より速いペースで走っていたのが中山だ。ラスト3周は平良の背後にまで迫り、最終ラップの8コーナーで仕掛けるも、逆転するまでには至らなかった。 最後は堤が4秒差での快勝。2位は平良が中山の追撃を振り切って獲得。そして3位の中山は、これがGR86/BRZ Cupでの初表彰台となった。4位は元嶋が、最後まで続いた吉田とのバトルを制して獲得。また、岡本は悔しい7位となるも、しっかりファステストラップを記して意地を見せた。ここまでをPOTENZA RE-09D装着ドライバーが占めた。
●第3戦プロフェッショナルシリーズ決勝レースで、優勝した#7堤優威のコメント
「スタートがもう最高でした。路面が難しかったため、合わせるのは難しかったのですが、クラッチミートとアクセルミートでしっかり合わせ込んで、うまくダッシュできたことがいちばんの勝因だと思います。トップに立ったのは2周目の2コーナー。平良選手が1コーナーでミスした隙に前に出られました。レースペースも序盤、中盤ともに良くて、終盤はセーブしながらでも引き離せました。まさかこんなにうまくいくとは思いませんでした。良かったです」
レース公式WEB: https://toyotagazooracing.com/jp/86brz/
タイヤ製品情報: https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/re09d/
決勝
- 開催日:2023/08/20
- 天候:Cloudy
- 路面:Wet
- 決勝出走:32
- 完走:29
- (5.091km x 14laps = 71.28km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 7 | 堤 優威 | BS | CABANA BS GR86 | 14 | 22:40.443 | ||||||
2 | 199 | 平良 響 | BS | COROLLA MIE GR86 | 14 | 22:44.510 | ||||||
3 | 18 | 中山 雄一 | BS | IBARAKI TOYOPET GR86 | 14 | 22:45.275 | ||||||
4 | 98 | 元嶋 佑弥 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 14 | 22:46.269 | ||||||
5 | 160 | 吉田 広樹 | BS | 埼玉トヨペットGB BS GR86 | 14 | 22:46.489 | ||||||
6 | 88 | 井口 卓人 | BS | 東京スバル BS BRZ | 14 | 22:47.012 | ||||||
7 | 293 | 岡本 大地 | BS | BRMネッツトヨタ南国GR86 | 14 | 22:49.504 | ||||||
8 | 10 | 菅波 冬悟 | DL | OTG TN滋賀 GR86 | 14 | 22:51.923 | ||||||
9 | 87 | 久保 凜太郎 | BS | 千葉スバル BS BRZ | 14 | 22:54.062 | ||||||
10 | 97 | 高橋 知己 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 14 | 22:55.282 | ||||||
11 | 112 | 石森 聖生 | BS | 奏の森 Resorts GR86 | 14 | 22:56.335 | ||||||
12 | 550 | 宗藤 昌太朗 | DL | 名神タイヤGR86 | 14 | 22:58.261 | ||||||
13 | 700 | 地頭所 光 | BS | Wrigson/カバナ GR86 | 14 | 23:01.940 | ||||||
14 | 770 | 山田 遼 | BS | HYPERWATER/カバナ GR86 | 14 | 23:04.052 | ||||||
15 | 70 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL GR86 | 14 | 23:07.510 | ||||||
16 | 60 | 小河 諒 | DL | OTG DL GR86 | 14 | 23:07.668 | ||||||
17 | 909 | 小暮 卓史 | DL | RECARO DL BRZ | 14 | 23:07.991 | ||||||
18 | 31 | 青木 孝行 | BS | ケーエムエス フェニックスGR86 | 14 | 23:10.466 | ||||||
19 | 56 | 鶴賀 義幸 | BS | 栃木トヨタT2FACTRY BS GR86 | 14 | 23:17.478 | ||||||
20 | 340 | 三宅 淳詞 | NX | 4MINUTES GR86 | 14 | 23:20.172 | ||||||
21 | 17 | 奥本 隼士 | BS | K-one Racing GR86 | 14 | 23:21.278 | ||||||
22 | 910 | 坂 裕之 | DL | MプランニングDLエンドレスGR86 | 14 | 23:21.805 | ||||||
23 | 556 | 呉 良亮 | BS | 86RACER' SIDI GR86 | 14 | 23:22.100 | ||||||
24 | 225 | 小山 美姫 | BS | KTMS TGR-DC GR86 | 14 | 23:26.686 | ||||||
25 | 5 | 井上 尚志 | BS | レストアパーツBSまんさくGR86 | 14 | 23:26.988 | ||||||
26 | 12 | 神 晴也 | BS | こばんにゃんねるGR86 | 14 | 23:27.582 | ||||||
27 | 114 | 翁長 実希 | DL | RSS DUNLOP GR86 | 14 | 23:37.210 | ||||||
28 | 32 | 今井 清則 | DL | BRIDE DL K-One GR86 | 14 | 24:22.096 | ||||||
29 | 1 | 冨林 勇佑 | DL | エアバスターEXEDY DL GR86 | 10 | 16:29.098 | ||||||
- | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO BS GR86 | 0 | DNF | ||||||
- | 11 | 脇阪 寿一 | BS | 奏の森 Resorts BS GR86 | 0 | DNF | ||||||
- | 121 | 蒲生 尚弥 | BS | tomicaネッツ兵庫 GR86 | 0 | DNF |