予選、決勝ともにブリヂストンのトップは堤優威 シリーズランキングは井口卓人が2位、堤が4位を獲得
- 開催場所:モビリティリゾートもてぎ
- 開催日:2024年11月23日(土) 〜 2024年11月24日(日)
現行型のトヨタGR86とスバルBRZによって競われるGR86/BRZ Cupは今年で3シーズン目。全8戦で争われるシリーズは、数多の激戦を経てモビリティリゾートもてぎで最終戦を迎えた。前モデルの時代からプロドライバーたちが本気で戦う、ハイレベルなプロフェッショナルシリーズだが、新型になって、闘いのレベル、緊張感はさらに高まっている。その理由は、指定または認定されたパーツの交換が許可され、セッティングの幅が広がり、それに応じたドライビングスキルが求められるようになったからだろう。
そのなかで、ブリヂストンもユーザーがより有利に戦えるよう、万全のサポートを提供している。シーズン中盤からPOTENZA RE-10Dを導入し、持ち味だったロングライフに加え、ウォームアップ性能を向上させて、予選の一発もより狙えるように改められている。
今シーズンは「暑さ」や「雨」との戦いが続いてきたが、この時期になると「寒さ」と向き合うことになる。特に、多くのドライバーが走行を開始した水曜日は極寒の中での走行となり、木曜日は雨に見舞われた。しかし、金曜日以降は一転して安定したドライコンディションとなり、11月下旬とは思えない暖かな陽気の中での走行となった。
第5戦から投入されたPOTENZA RE-10Dも、ここまでの3戦でユーザーの経験値が高まり、迷いなく使いこなせるようになってきた。その成果を示すように、金曜日に行われた専有走行では、中山雄一(ブリヂストン)が2分11秒906を記録し、ブリヂストンユーザーの中で最上位の4番手につけた。トップとはわずかコンマ3秒差という僅差で、さらに上を狙える位置に立っていた。
今回のエントリーは全33台で、そのうち17台がブリヂストンのPOTENZA RE-10Dを装着している。
●予選
土曜日のもてぎは好天に恵まれたものの、予選を前に冷たい風が吹き始め、気温が著しく低下していった。結果的にこのコンディションがブリヂストンユーザーにとって不利に働いてしまう。最初にコースインした吉田広樹(ブリヂストン)は、2分12秒035を記録してトップに立つものの、それも束の間。すでに前戦でチャンピオンを確定させている菅波冬悟(DL)が2分11秒235を叩き出してトップを奪取し、続いて冨林勇祐(DL)が2分11秒358をマークしてこれに続いた。
後半、中山と堤優威(ブリヂストン)が連携するように走行を重ね、アタックの結果、中山は2分11秒933で9番手、堤は2分11秒787で6番手を獲得。両者はブリヂストンユーザーとして上位に名を連ねた。
・第8戦で予選6番手を獲得した堤優威選手のコメント
「昨日の占有走行は、寒さの影響でウォームアップを十分に行ってからアタックしました。セクター3までは良いフィーリングだったのですが、そこでミッションが壊れてしまい、1周を通しての調子が掴めないままの予選になりました。予選は、雄一くん(中山)の後ろについて、ウォームアップのタイミングやスピードを合わせられたことが結果的に良かったのかなと思います。自己ベストタイムを出せて、ブリヂストンユーザーの中でトップに立てたのは、厳しいレースウィークの中では十分な結果です。明日の決勝では追い上げを目指して、シリーズ2位を狙っていきます。」
●決勝
予選で吹いていた冷たい風も止み、決勝が行われた日曜日はさらに穏やかな天候となった。レースは10周での戦い。スタートを2台揃って決めた菅波と冨林のトップ争いは、序盤こそ激しい攻防を見せたものの、折り返しを過ぎた頃から菅波が独走体制を築き始めた。
一方、堤はポジションキープの6番手で1周目を終え、中山はひとつ順位を上げて8番手に浮上。中山は2周目にファステストラップとなる2分12秒330をマークし、貴重な1ポイントを獲得する。その後、堤を先頭に、奥本隼士(DL)を間に挟んで中山、さらに予選12番手から追い上げてきた久保凜太郎(ブリヂストン)による激しい6番手争いが繰り広げられる。特に奥本の攻勢は激しかったが、堤は冷静に守りを固めた。
この勝負が決したのは最終ラップ。トラブルでペースを落とした奥本を、中山と久保が立て続けにかわし、さらに久保は中山も抜き去って7番手に浮上。中山も再逆転を狙ったが、わずかに届かず。最終的に6位に堤、7位に久保、8位は中山がそれぞれ獲得した。
シリーズランキングでは、序盤のポイントが功を奏し、井口卓人(ブリヂストン)が2位を確保。堤が4位、中山が5位でシーズンを終えた。
・第8戦プロフェッショナルシリーズ決勝レースで、6位となった堤優威のコメント
「展開としては、後ろから奥本選手が迫ってきくる状況で、かなり激しい争いがありましたが、ブリヂストンのトップは守ることができたので良かったと思います。レースでは、ピックアップの問題が出てしまいました。それが僕だけの問題なのか、内圧の違いによるものなのかはわかりませんが……。来年に向けて、いいレースができたと感じています。ブリヂストンの開発ドライバーとして、今後も頑張っていきたいと思います。」
決勝
- 開催日:2024/11/24
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:34
- 完走:32
- (4.801km x 10laps = 48.01km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | 菅波 冬悟 | DL | OTG 滋賀トヨタ GR86 | 10 | 22'18.390 | ||||||
2 | 504 | 冨林 勇佑 | DL | エアバスターEXEDY DL GR86 | 10 | 22'19.867 | ||||||
3 | 31 | 青木 孝行 | DL | ケーエムエス フェニックスGR86 | 10 | 22'24.254 | ||||||
4 | 123 | 松井 孝允 | DL | NETZ富山Racing GR86 | 10 | 22'24.443 | ||||||
5 | 60 | 小河 諒 | DL | OTG DL GR86 | 10 | 22'25.047 | ||||||
6 | 7 | 堤 優威 | BS | CABANA BS GR86 | 10 | 22'27.510 | ||||||
7 | 87 | 久保 凜太郎 | BS | 千葉スバル BS BRZ | 10 | 22'28.460 | ||||||
8 | 18 | 中山 雄一 | BS | IBARAKI TOYOPET GR86 | 10 | 22'28.802 | ||||||
9 | 70 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL GR86 | 10 | 22'33.266 | ||||||
10 | 160 | 吉田 広樹 | BS | GR Garage 浦和美園 BS GR86 | 10 | 22'33.843 | ||||||
11 | 121 | 蒲生 尚弥 | BS | tomicaネッツ兵庫 BS GR86 | 10 | 22'36.142 | ||||||
12 | 906 | 近藤 翼 | DL | RECARO DL BRZ | 10 | 22'36.526 | ||||||
13 | 80 | 伊東 黎明 | DL | OTG DL GR86 | 10 | 22'39.099 | ||||||
14 | 98 | 元嶋 佑弥 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 10 | 22'40.458 | ||||||
15 | 97 | 高橋 知己 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 10 | 22'41.105 | ||||||
16 | 199 | 小林 利徠斗 | DL | COROLLA MIE GR86 | 10 | 22'42.812 | ||||||
17 | 910 | 坂 裕之 | DL | MプランニングDLエンドレスGR86 | 10 | 22'43.817 | ||||||
18 | 909 | 小暮 卓史 | DL | RECARO DL BRZ | 10 | 22'44.196 | ||||||
19 | 700 | 地頭所 光 | BS | DTS WRF/カバナ GR86 | 10 | 22'44.393 | ||||||
20 | 293 | 岡本 大地 | BS | BRMネッツトヨタ南国BSGR86 | 10 | 22'44.981 | ||||||
21 | 550 | 宗藤 昌太朗 | DL | 名神タイヤGR86 | 10 | 22'45.970 | ||||||
22 | 225 | 平良 響 | BS | KTMS GR86 | 10 | 22'47.443 | ||||||
23 | 38 | 野中 誠太 | DL | NSI Racing DL GR86 | 10 | 22'49.382 | ||||||
24 | 17 | 谷口 信輝 | BS | K-one 愛知トヨタ GR86 | 10 | 22'49.854 | ||||||
25 | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO BS GR86 | 10 | 22'51.235 | ||||||
26 | 114 | 翁長 実希 | DL | CBP DL RSS GR86 | 10 | 22'51.636 | ||||||
27 | 56 | 鶴賀 義幸 | BS | 栃木トヨタT2F BS GR86 | 10 | 22'53.130 | ||||||
28 | 5 | 井上 尚志 | BS | レストアパーツBSまんさくGR86 | 10 | 22'54.686 | ||||||
29 | 3 | 一條 拳吾 | BS | RECARO KIMI GR86 | 10 | 22'55.072 | ||||||
30 | 72 | 坂口 夏月 | NX | NEXEN 4MINUTES GR86 | 10 | 22'55.582 | ||||||
31 | 8 | 渡辺 圭一 | BS | JCS GR 浦和美園 GR86 | 10 | 23'05.640 | ||||||
32 | 85 | 奥本 隼士 | DL | AT K-one DL GR86 | 10 | 23'51.804 | ||||||
- | 1 | 井口 卓人 | BS | 東京スバル BS BRZ | 5 | DNF | ||||||
- | 62 | 加藤 潤平 | DL | ATRACT/K BRZ | 1 | DNF |