img3.jpgオーバルからロード、市街地とさまざまなコースがあるインディカー。もちろん、タイヤもそのような状況の変化に対応する必要がある。

左回りのオーバルコースでは、「スタッガー」と呼ばれる専用セッティングに合わせ、右側のリアタイヤの直径が、左側よりも大きくなっている。ステアリングを切り、フロントタイヤに舵角を与えると、走行抵抗が発生し、エンジン回転は落ちてしまう。そこで、できるだけフロントタイヤに舵角を与えないで、コーナーを回るために考えられたのが、この「スタッガー」だ。一般的な紙コップを想像してみよう。飲み口の方が、コップの底よりも直径が大きくなっているため、これを机の上で転がすと、勝手に旋回する。この原理をクルマに応用しているのだ。こうすることで、コーナー旋回中のステアリングを切る角度を減らし、なるべくエンジン回転を落とさずにコーナーを回り、次のストレートでのエンジン回転を稼いで、直線での速度の伸びに繋げることができるのだ(もちろん、ストレートでは、ドライバーは右にステアリングを若干切る事となるも、それによる走行抵抗は少ない)。

また最近では、2009年からの新レギュレーションにより、ロードコースと市街地コースで開催のレースではプライマリー・タイヤに加え、よりコンパウンドが柔らかい、オルタネイト・タイヤを使用しなければならなくなった。

オルタネイト・タイヤは、柔らかい分当然グリップが高く、ラップタイムの向上が期待できる。しかし、その反面で耐久性が劣るというデメリットがある。それゆえこのオルタネイト・タイヤをどのようなタイミングで使用するかが、レースのカギとなるわけだ。 なお、この2種類のタイヤは識別しやすいようにサイドウォールが色分けされている。真っ黒なプライマリー・タイヤは通称"ブラックタイヤ"。一方のオルタネイト・タイヤはサイドウォールが赤く染められ、通称"レッドタイヤ"と呼ばれている。