2022年 全日本ジムカーナ選手権 第４戦　名阪スポーツランド

　2022年の全日本ジムカーナ選手権第4戦が、奈良県北東部に位置する近畿のジムカーナのメッカ、名阪スポーツランドCコースで開催された。
　コースは、外周を半周して内周に入り、スラロームを含むパイロンセクションや島回りをこなし、そのあと外周をほぼ2周するという設定。JG10クラス以外にはパイロンセクションに360度ターンが組み込まれていた。
　1本目のJG10クラスのスタート時は晴れで気温は20℃、路温27℃。午前中は薄い雲の間から太陽が見え隠れして路温は一時37℃まで上昇したものの、雲が厚くなった午後は徐々に路温は下がり、JG6クラス以降は2本目の方が路温が低い状態での走行となる。
　そんな中、主にRE-12D TYPE Aを履くJG10〜JG6クラスのPOTENZA装着勢は、JG10クラスで安木美徳（スイフト／ブリヂストン）が優勝。JG8クラスでは小林規敏（ロードスター／ブリヂストン）が第2戦からの3連勝。JG6クラスではユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）が開幕4連勝と、3クラスを制覇。また、JG7クラスでは西野洋平（GR86／ブリヂストン）が2位に入り、表彰台に上った。
　JG4〜JG1クラスのPOTENZA装着勢は、RE-11SのWS3とWH2、RE-12D TYPE Aの3種類をそれぞれの戦略で選択。JG4クラスでは橋本克紀（シビック／ブリヂストン）がフロントWH2、リアWS3を履いて2位、JG1クラスでは菱井将文（ランサー／ブリヂストン）がRE-12D TYPE Aを履いて2位と、それぞれ表彰台の一角を占める活躍を見せた。

＜JG10クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A（フロント）RE-71RS（リア）装着＞
（AT限定免許で運転できる2WDのP・PN・AE車。改造範囲が最も狭い）

開幕から圧倒的なタイムで3連勝している山野哲也（アルピーヌA110S／ブリヂストン）が今回は他のレースと日程が重なったため欠場する中、ランキング2位につける安木美徳（スイフト／ブリヂストン）が1本目に2位を1秒引き離すトップタイムをマークし、そのタイムを守りきって優勝。2018年の第10戦でSA1クラス（当時）のシビックを駆って雨の鈴鹿を征して以来2度目の全日本優勝となる。

●安木美徳選手コメント
「4年振りの優勝ですが、他の選手のミスに助けられての優勝なので手放しでは喜べないと思っています。河本晃一選手（ZD8BRZ／ブリヂストン）の生タイムに1秒離されていますし、山野哲也選手は不在でしたし。しかし、前戦からリアにRE-71RSを装着して戦っているのですが、これが功を奏した感があります。前後のバランスが良くて走り易いです。今後夏場の暑い時季でもセッティングの幅が拡がると思っています。次戦以降はまた山野選手が復活してくるので、彼に少しでも追いつける様、また、追い越せる様に頑張っていきたいです。」

＜JG8クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞
（2006年以降にJAF登録された1600cc以下の2WD車。改造範囲が最も狭い）

第2戦・第3戦と2連勝し、上り調子の小林規敏（ロードスター／ブリヂストン）が今回も強さを発揮。1本目にトップタイムを出すも、2位以下のライバル達も僅差につけており、2本目は少しのタイムアップで順位が入れ替わるという状況。しかし、誰も1本目の小林のタイムを上回ることなく、クラス最終走者の小林は前走者が走り終えて勝利を確信してのウイニングランとなる。ところが、そんな中でも果敢に攻めて自身のタイムを更に0.5秒縮めるスーパータイムを叩き出し、今季の強さを見せつける結果となる。

●小林規敏選手コメント
「連勝ってなかなかできない、過去できなかったことが今できているってことは、嬉しいのはもちろんですが自分のやってきたことが間違ってなかったことの証明となり、安定して走れる自信に繋がる1勝になったかなと思います。今回の名阪Cコースも優勝経験のあるコースなので相性は悪くないはずなんですが、ここ最近は土曜日に速くても日曜日の決勝で結果が出ないということが多かったです。でも今回は地元広島のコースを走っている様な感覚で走れたので、それが良かったのかなと思います。次戦北海道にも自信を持って臨みます。」

＜JG6クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞
（2012年以降にJAF登録された1600cc超2000cc以下のRWD車。改造範囲が最も狭い）

開幕戦から3連勝しているユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）。今回も1本目から2位を1秒引き離すトップタイムを出し、格の違いを見せつける。2本目、ライバル達も僅かにタイムアップをしてくるものの1本目のユウのタイムには遠く及ばず、そのユウは0.5秒ものタイムアップで更にライバル達を引き離し、開幕4連勝を達成。

●ユウ選手コメント
「午後は雨かもっていう予報があったので、1本目にしっかりタイムを残す走りを心掛けました。太陽が出て路温が上がってくれたので、RE-12D TYPE Aのポテンシャルを十分に発揮できたと思います。走り始めからゴールまで安定したグリップ感があって走り易かったです。2本目は少し路温が下がりましたが、タイヤも傷んでなかったのでしっかりプッシュできてタイムアップを果たせたという、理想の試合運びができたのがよかったです。前半4戦を終えて4連勝となりましたが、後半戦も気を抜かずに頑張っていきたいです。」