2024年 全日本ジムカーナ選手権 第8戦 SUGO

　2024年の全日本ジムカーナ選手権第8戦が、宮城県南部に位置するスポーツランドSUGO 西コースで開催された。今季3回目となるダブルヘッダーで、土曜日に第8戦、日曜日に第9戦というスケジュール。また、前2回と同じく使用できるタイヤは2戦を通して1セットのみとなり、天気予報を見ながらタイヤ選びをすることとなる。
コースはカートコースだが、ショートカットシケインを3箇所使用する設定。前半は180度ターンが1回、後半は270度ターンが2回と、ターンセクションが3箇所設けられた。

木曜日の練習日は晴れて路温も50℃を超える暑さであった。だが台風7号が近づいてきており、金曜日の公開練習は午前中雨。午後には止み間もあったが夕方から夜にかけて再び雨。土曜日の第8戦決勝日は朝は雲が広がる天気で、明け方まで降った雨の影響が残って路面はウェット状態。しかし競技が進むにつれて天気は回復し、路面もドライになり、午後には真夏の陽射しが照りつけて路温も50℃を超えるまで上昇。ところが2本目のPN4クラスが走行中に夕立に見舞われ、路面は再びウェットに。

そんな中、RE-71RSを履くPE・PNクラスのPOTENZA装着勢は、PE1クラスで既にシリーズチャンピオンを決めている山野哲也（アルピーヌA110R／ブリヂストン）が7勝目。PE2クラスでは高屋隆一（ZD8BRZ／ブリヂストン）が今季4勝目。PN3クラスではユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）が今季3勝目。また、PE2クラスでは地元の畠山佳（ミニ／ブリヂストン）が3位入る活躍を見せた。
RE-11SやRE-12D TYPE Aも履けるBCクラスのPOTENZA装着勢では、BC2クラスの広瀬献（S2000／ブリヂストン）が今季3勝目を挙げ、既に5勝してシリーズチャンピオンに王手をかけている若林拳人（エキシージ／ブリヂストン）を追いかける展開。その若林も今回2位となる。

＜PE1クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（電動パーキングブレーキ装着車。改造範囲が最も狭い）

前戦でシリーズチャンピオンを決めている山野哲也（アルピーヌA110R／ブリヂストン）が、1本目のウェット路面でトップタイムをマーク。ドライ路面となった2本目には2位のライバルを2秒近く引き離すタイムを出し、7勝目。これで有効7戦の満点チャンピオンとなる。

●優勝した山野哲也選手コメント

「台風の影響で目まぐるしく路面状況が変わる中での第8戦でした。1本目はウェット路面でしたが、ギリギリではありましたがトップタイムを出すことができました。2本目は天気がどうなるか分からない不安がありましたが、結果として真夏の陽射しで路面温度が50℃を超える状況となり、2本目に2秒以上のタイムアップを果たすことができました。タイヤはこの高い温度域でも全く不安要素はなく、スタートからゴールまで素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。これで満点チャンピオンも獲得できてとても満足しています。」

＜PE2クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（オートマチックトランスミッション搭載の2輪駆動車。改造範囲が最も狭い）

今季3勝の高屋隆一（ZD8BRZ／ブリヂストン）と同じく3勝の下村渉（GR86／DL）のチャンピオン争い。1本目は下村がトップタイムを出すが高屋はパイロンタッチの判定で下位に沈む。しかし路面状況が良くなった2本目に高屋が1本目の下村のタイムを抜いてトップに躍り出る。下村もタイムアップするも高屋のタイムに届かず、高屋の4勝目となる。

●優勝した高屋隆一選手コメント

「今回はこのBRZの前オーナーである河本選手とのダブルエントリーとしたことで、ビデオやデータロガーを駆使して走りを比較して悪い部分をどの様にすれば良くなるのかの検討ができたのが良かったです。そのお陰で2本目に果敢に攻めることができ、その走りにRE-71RSがしっかりと応えてくれて優勝することができました。」

＜PN3クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（2007年以降にJAF登録された1500cc以上の2輪駆動（FF・FR）車。改造範囲が最も狭い）

ディフェンディングチャンピオンのユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）。しかし今季はまだ2勝しかできておらず、大多和健人（ロードスターRF／DL・BS）に4勝されて王手をかけられている状態。最終戦までチャンピオン争いを続けるにはこの2連戦を勝たねばならない状況に追い込まれている。そのユウが1本目にトップタイムを出す。2本目、先に走ったユウは攻め過ぎて失敗。しかし大多和も攻めたがユウと同じく攻め過ぎて失敗。見応えのある接戦を征したのはユウだった。

●優勝したユウ選手コメント

「天気が良くなってよかったです。1本目は路温が低い中でしたが、RE-71RSの持つパフォーマンスを引き出すことができました。ちゃんと攻めつつも残すところは残すという走りでトップタイムをマークすることができました。2本目は路温がかなり上がりましたが、コンディションが悪くなった感じはせず、ちゃんと走ればタイムが出ると思って走りだしました。実際にデータを見ると1本目よりタイムは縮んでいる傾向だったのですが、少しミスってこぼれかけたので、これはもうタイムアップは無理と思って諦め、タイヤを明日に温存することにしました。僕と大多和選手の1本目の走りを比較すると、最終ターンまでほぼ同タイムで、ターンへの進入とそこからゴールまでの僅かな区間で勝てただけなんです。明日もこんな感じで彼に勝つのは大変だと思いますが、頑張ります。」

＜BC2クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（後輪駆動車。改造範囲が広い）

今季5勝の若林拳人（エキシージ／ブリヂストン）が王手をかけている状況のこのクラス。まだ2勝の広瀬献（S2000／ブリヂストン）はとにかく勝つしかない。1本目、広瀬が怒濤の攻めを見せてトップタイムをマーク。若林も攻めるが広瀬に1秒以上引き離される。2本目は路面がウェットになり、1本目のタイムで広瀬の今季3勝目となる。

●優勝した広瀬献選手コメント

「今回初めてRE-12D TYPE Aの295/30R18という極太サイズをリアに履いてみました。ここSUGOの路面はミューが高いので、この太いタイヤがマッチして気持ち良く走ることができました。昨年まで他社品を使っていた時もこのサイズを使ったことがあるので、違和感はありませんでした。明日もこのタイヤに頑張ってもらいます。」