本多永一が2度目のシリーズ完全制覇で王座に返り咲き
- 開催場所:岡山国際サーキット
- 開催日:2021年11月20日(土) 〜 2021年11月20日(土)
今年の西日本シリーズのフィナーレを飾る第4戦も盛況だった。エントリーはNDシリーズ18台、NDクラブマン11台の計29台。これは従来の27台を上回る最多記録更新となった。
今回もパーティに新しい仲間が加わり、33号車の恵木勇哉(写真右)はシリーズクラスに、107号車の上田 誠(同左)と124号車の松田友明(同中央)はクラブマンクラスに初参戦する。
●予選
15分間の公式予選は、オンタイムの8時ジャストに開始。2019年の北日本シリーズ王者で西日本でも優勝経験のある61号車の杉野治彦が残念ながら欠場し、28台がコースに入る。あるチームが計測した気温は8.4℃で路面温度は10.2℃、湿度は79%。パーティレースの予選がこの日は初めての走行のため、路面も冷え切っていて難しいコンディションとなった。
アタック1周目のベストは前年王者、110号車の末金孝夫でタイムは1分57秒780。
3連勝中の本多と、ここ2戦連続で3位に入っている120号車・佐藤章成が57秒台で続いた。さらに次の周回で佐藤は1分57秒670まで削り込み、このタイムが上位を争う実力者たちのターゲットになった。本多がアタック3周目に57秒731まで刻み、第2戦のポールシッターである45号車・黒原崇正も57秒749を記録するが、一歩及ばない。コンディションが整ってきた残り5分あたりから一気にブレークスルーしたのが、106号車の中川 徹。アタック3周目に出したタイムが1分57秒070。これでポールポジションを確定させた。
さらに次の周もアタックするが57秒260にとどまったため、ピットで待機に入る。この中川は昨年の開幕戦でデビューし、クラブマンクラスながら予選で総合2位(決勝はクラス2位)となった実力者。約1年間のブランクを経て今年の第3戦にシリーズクラスで復帰するも、予選・決勝ともトップ10に入れず惨敗を喫していた。2番グリッドはアタック4周目に57秒508まで削った本多が獲得。2列目には前述のタイムで佐藤と黒原が続き、最初のアタックから更新できなかった末金と、56号車の小林太一までが57秒台を記録した。今年は第3戦までのポールポジションがすべて58秒台だったのに比べると、ハイレベルな戦いとなった。
●決勝
決勝は少し予定より遅れて、10時46分にオールレッドのシグナルがブラックアウト。8周先のチェッカーを目指しての戦いが始まった。スタート前の気温は16℃。路面温度は23℃で始まり、チェッカー後には26℃まで上昇していた。抜群のクラッチミートで先頭に立ったのは、2番グリッドの本多。ポールの中川に「そんなに失敗したつもりはないけど、前に行かれちゃいました」と言わせる好スタートを決めた。3番グリッドの佐藤は順位をキープするも、4番グリッドの黒原はホイールスピンで出遅れてしまい、3列目の末金と小林に抜かれて6位にポジションを落とす。
上位陣では本多と中川が後続を引き離していく一方で、佐藤を先頭とする3位グループが7台数珠つなぎになって一触即発状態に。
5周目には黒原がアトウッドの立ち上がりで小林を抜き去って5位まで挽回。さらに6周目のリボルバーで佐藤が大きく挙動を乱し、これを避けようとした末金がアクセルを緩めたところを2台まとめてパッシング。もう黒原の躍進が止まらないと思った次の周に、再び事件が発生した。得意のはずのアトウッド脱出のシフトアップで、2速に入れてしまいオーバーレブ。一時的にエンジン回転が上がらなくなった黒原はピットに戻り、万事休すとなった。
トップ争いの2台で勢いがあったのは明らかに中川の方。3周目にはこの決勝での最速ラップを刻み、4周目終了時点で0.229秒差、6周目終了時点では0.160秒差と迫るが、最後まで逆転はならず。2016年から4年連続で西日本を制した岡山マイスターの本多が、2年ぶりのチャンピオンを、4年ぶりの全勝パーフェクトで締めくくった。スタートでの出遅れが悔やまれる中川は惜しくも2位。さらに黒原の離脱でポジションを元に戻した佐藤が、これで3戦連続の3位表彰台を獲得した。
以下、4位には参戦2戦目の小林、5位には50号車の川田浩史、6位には遠く沖縄から参戦の158号車・TARO KAJITANIが入賞となった。なお、この日の末金は7周目にも前車のコースオフで順位を落とすことになったが、接触を避けるために最善を尽くした前年王者に敬意を評したい。
優勝した本多選手コメント
「今日は中川さんのクルマの方が決まっていましたね。ボトムも高ければ、アクセルも早く踏めている感じで、スタートがなければ勝ち目がなかったです。いい宿題をもらいました」
タイヤについて
「以前の自分はタイヤのグリップに頼っていましたが、指定タイヤがアドレナリンになってから、丁寧に走らせることが身につきました。それには感謝しています」とコメントした。
決勝
- 開催日:2021/11/20
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:17
- 完走:16
- (3.703km x 8laps = 29.624km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 88 | 本多 永一 | BS | LEG Eds ロードスター | 8 | 16'00.956 | ||||||
2 | 106 | 中川 徹 | BS | HSR レッドロードスター | 8 | 16'01.796 | ||||||
3 | 120 | 佐藤 章成 | BS | CRTMoty'sロードスター | 8 | 16'09.242 | ||||||
4 | 56 | 小林 太一 | BS | youサービスロードスター | 8 | 16'11.316 | ||||||
5 | 50 | 川田 浩史 | BS | 操安開2VDロードスター | 8 | 16'11.984 | ||||||
6 | 158 | TAROU KAJITANI | BS | Mm58ドライブロードスター | 8 | 16'13.792 | ||||||
7 | 97 | 原山 怜 | BS | RWR #5ロードスター | 8 | 16'14.004 | ||||||
8 | 99 | 藤井 義豪 | BS | Mm&MT ロードスター | 8 | 16'14.890 | ||||||
9 | 110 | 末金 孝夫 | BS | K-MAX電材一番ロードスター | 8 | 16'15.607 | ||||||
10 | 192 | 湯川 勲 | BS | エンジョイジージロードスター | 8 | 16'15.919 | ||||||
11 | 130 | 梅津 大輔 | BS | 操安開3VDロードスター | 8 | 16'16.328 | ||||||
12 | 191 | 中島 優太 | BS | TCR ロードスター | 8 | 16'30.737 | ||||||
13 | 170 | 桑野 祐希 | BS | spirit170ロードスター | 8 | 16'34.055 | ||||||
14 | 28 | 岡田 衛 | BS | CP和光pttロードスター | 8 | 16'44.562 | ||||||
15 | 33 | 恵木 勇哉 | BS | ProfiShMCロードスター | 8 | 16'54.984 | ||||||
16 | 45 | 黒原 崇正 | BS | HSR建具屋datロードスター | 6 | 12'07.440 | ||||||
- | 58 | 桂 涼 | BS | サンデボーテG山根ロードスター | 1 | DNF |