予選アタックで“武蔵流”が成功した南澤がV2を達成!
- 開催場所:筑波サーキット
- 開催日:2021年05月23日(日) 〜 2021年05月23日(日)
5月23日、茨城県の筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第2戦が行われた。NDシリーズクラスでは、2号車の南澤拓実が予選で路面の回復を待つという作戦が見事に成功。
ポールポジションから逃げ切っての開幕2連勝で、ライバルたちを一歩リードした。
●予選
サーキットは前日までの雨で一部まだ濡れていたが、降ってくる気配はなかった。朝8時の気温は18.3℃、湿度は85%、路面温度は22.1℃というコンディションだった。第1レースのNDシリーズへのエントリーは29台。そのうち、21号車の吉田恭将は唯一初参戦の18歳。この日は富士のスーパー耐久に出場している綜一郎と隆ノ介を兄に持つ吉田3兄弟の末弟で、公道を走れる運転免許こそ取り立てながら、カート歴は兄ふたり同様に豊富だ。
公式予選は8時20分からの15分間で、1台が欠場して28台が出撃。前回同様に先頭でアタックに入った35号車の箕輪卓也だが、タイムは1分10秒602。開幕戦でポールを決めた10秒297には及ばない。開幕戦2位で、かつ前週のSUGOで初優勝を果たした118号車の野島俊哉が1分10秒742で続き、この2台はすぐにピットで待機に入る。その後、132号車の新井博史がアタック2周目に1分10秒902までタイムを削り、少し遅れてコースインした71号車の登坂 紀がアタック1周目に1分10秒978を記録。どうやら上位グリッドは10秒台に入ることがマストになってきたが、そこからしばらく誰も11秒を切れない膠着状態が続く。状況が動いたのは、予選も半ばを過ぎて9分が経過しようとする頃。開幕戦ウイナーの2号車・南澤拓実がアタック1周目に1分10秒374を叩き出す。続いて191号車の菅原達也がコースに入り、1分10秒772から10秒611と刻む。一方、ピットで待機していた箕輪も10秒491、同じく野島も10秒689まで削ってくるが一歩及ばず。ポールは南澤で箕輪が2番手と、開幕戦とは順位は逆だがフロントローを分け合った。2列目は菅原と野島で、3列目の新井と登坂までが1分10秒台。また4列目では159号車・イシカワと16号車・上田純司が1000分の1秒という僅差での勝負だった。
注目の吉田だが予選では今ひとつで1分11秒397と、15番手のタイムにとどまった。さらに走路外走行で2グリッド降格の裁定を受けて、17番グリッドから決勝をスタートすることに。もうひとり、予選では最下位に沈んだ126号車・川島 修は今年デビューしたルーキーだが、4月の北日本シリーズ開幕から5月は「筑波→岡山→SUGO」と、すでにパーティレースの3戦にすべて出場。さらに前日、富士スピードウェイで行われたロードスターカップにも参戦しており、この5月で5レース目に出場したことになる。1カ月にマイカーで5回の公認競技出場は、ギネスブックに申請したら認定されるかもしれない。
●決勝 第1レースの決勝はわずかに遅れての進行で12時9分にスタート。正午現在は気温22.3℃、湿度62%、路面温度33.8℃というコンディションに変わった。 フロントローの南澤と箕輪は無難にスタートを決めるが、3番グリッドの菅原は回転をドロップさせてしまい、野島にかわされてしまう。その後方では4台から5台が一時横並びになる緊迫した場面が見られたが、どうにか全車が無事に潜り抜けることができた。このオープニングラップには、3列目と4列目同士でも順位が入れ替った。5位に登坂が浮上して新井が一歩後退。同じく7位には上田が上がり、イシカワが8位で通過した。
その後、3周目までは箕輪も約0.5秒の差で南澤を追いかけるが、4周目以降はわずかだが差が拡大。トップから5位までほぼ等間隔で1列になって、前後のライバルの状況を探り合うような展開になった。一方で6位争いの集団は、先頭にいる新井のペースが今ひとつで周回を重ねるごとにダンゴ状態になり、一時は8台がテールtoノーズ状態に。さらに後方では初参戦の吉田がジャンプアップ。最終的には17番グリッドからポジションを7つ上げることに成功した。結局8位までの上位グループは2周目以降に順位の変動はなかった。12周目に1.6秒のアドバンテージを得た南澤が、最後は3秒近くまでリードを広げて開幕2連勝を達成。
その開幕戦でポールから26位フィニッシュという屈辱を味わった箕輪も、今回は2位で堂々の初ポディウムを獲得。先週のSUGOを制した野島も2戦連続の表彰台確保で成長を見せた。以下、4位の菅原、5位の登坂、粘り切った6位の新井までが入賞となった。
なお、パーティレースがスタートした2002年から出場しているベテランの78 号車・出来利弘は、このレースに通算10年以上、かつ30戦以上参加した功労を讃える「Great Party Racer賞」を受賞している。
優勝した南澤選手コメント 「予選は路面が乾くのを待ったのが正解でしたね。決勝の序盤は無理にプッシュしない作戦でした。ミラーで後ろを見ながら走るのは、優勝したものだけの特権ですね。まだ煮詰めたいこともあるので、奢らずに練習したいです」 タイヤについては 「昨年から使っているおかげで、RE004が僕を勝たせてくれている感じです。もっと仲良くなりたいです」
決勝
- 開催日:2021/05/23
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:28
- 完走:28
- (2.045km x 15laps = 30.675km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 2 | 南澤 拓実 | BS | CP和光モタスポ部ロードスター | 15 | 17'57.583 | ||||||
2 | 35 | 箕輪 卓也 | BS | ミノワファクトリーロードスター | 15 | 18'00.446 | ||||||
3 | 118 | 野島 俊哉 | BS | -Jin-ロードスター#118 | 15 | 18'01.011 | ||||||
4 | 191 | 菅原 達也 | BS | タケトモTCRロードスター | 15 | 18'04.096 | ||||||
5 | 71 | 登坂 紀 | BS | Moty's☆ロードスター | 15 | 18'04.635 | ||||||
6 | 132 | 新井 博史 | BS | ARASHO ロードスター | 15 | 18'19.073 | ||||||
7 | 16 | 上田 純司 | BS | 上伸物流 ロードスター | 15 | 18'19.255 | ||||||
8 | 159 | イシカワ | BS | TCコルセ mtwt ロードスター | 15 | 18'19.381 | ||||||
9 | 28 | 石井 達也 | BS | pttモタスポ部ロードスター | 15 | 18'19.690 | ||||||
10 | 21 | 吉田 恭将 | BS | HTRロードスター | 15 | 18'20.181 | ||||||
11 | 1 | 丹羽 英司 | BS | IDSレイルガルフロードスター | 15 | 18'20.584 | ||||||
12 | 27 | 田中 祐也 | BS | TCC DR ロードスター | 15 | 18'22.126 | ||||||
13 | 78 | 出来 利弘 | BS | ディーテクニック☆ロードスター | 15 | 18'22.549 | ||||||
14 | 29 | 岩田 洋二 | BS | Moty's☆ロードスター | 15 | 18'23.327 | ||||||
15 | 93 | 細井 明宏 | BS | HUSHロードスター | 15 | 18'24.099 | ||||||
16 | 91 | 沢崎 祐一 | BS | DELTAロードスター | 15 | 18'24.475 | ||||||
17 | 14 | Onodera Sho | BS | シグマワークス☆ロードスター | 15 | 18'24.880 | ||||||
18 | 49 | 石川 祥吾 | BS | TC CORSE ロードスター | 15 | 18'25.098 | ||||||
19 | 175 | 中村 公一 | BS | モクモクロードスター | 15 | 18'27.719 | ||||||
20 | 133 | 辻田 佳典 | BS | ZEST★ロードスター | 15 | 18'27.890 | ||||||
21 | 53 | SOSUKE SEKIGUCHI | BS | 五反田珍走団ロードスター | 15 | 18'30.773 | ||||||
22 | 81 | 瀧口 智弘 | BS | 笑っていいTOMOロードスター | 15 | 18'31.994 | ||||||
23 | 22 | 荒井 彦幸 | BS | エフケイスチール ロードスター | 15 | 18'32.879 | ||||||
24 | 92 | アイダ サトル | BS | プロセスUTロードスター | 15 | 18'33.297 | ||||||
25 | 10 | 各務 猛 | BS | エルム ロードスター | 15 | 18'42.800 |