ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズ NDクラブマン Rd.4

9月24日、富士スピードウェイでロードスター・パーティレースⅢのジャパンツアーシリーズ第4戦が開催された。出場13台となったNDクラブマンクラスは、チェッカー後に大きなドラマが起きた。予選から圧倒的なトップタイムでクラスをリードした松原泰世が反則スタートのため、競技結果に30秒を加算されて4位に降格。これにより中村 進が、参戦5年目での嬉しい初優勝を達成した。

●予選
21年目を迎えたロードスター・パーティレースⅢが、2年ぶりに富士スピードウェイで開催された。2017年から2020年までの4年間はここで交流戦が開催され、各地区のパーティレーサーたちが一堂に会していた。今年から新たにジャパンツアーシリーズが開始され、第4戦の舞台として復活。今回は富士チャンピオンレースシリーズ第4戦の中に組み込まれるカタチで、土曜日のワンデーレースとして行われた。

エントリーはNDシリーズクラスに23台、NDクラブマンクラスに17台で、合計40台という大盛況。それが混走で開催されるが、スケールの大きな富士ということでスターティンググリッドは54台分あり、予選落ちの心配は無用だ。嬉しいことにクラブマンクラスの72号車・oki765（3ショット写真の左）と161号車・木村安志（同・中央）、シリーズクラスの182号車・板垣真斗（同・右）という3名が今回初参加となった。


9月に入ってからの日本列島は天候不順が続いているが、この週末の富士も台風の影響を受けてしまい、前夜からの雨でフルウエットというコンディションだった。公式予選は8時25分からの20分間で始まったが、気温21℃／湿度95%／路面温度22.2℃というのがピットでの計測データ。シリーズとクラブマンの各1台ずつが欠場し、38台がアタックに臨んだ。この日は予選・決勝を通じて、ソフトトップは閉じた状態でも走行OKという旨がブリーフィングで通達されている。

開始早々、ラップモニターの上段は当然のようにシリーズクラスの実力者たちが占めたが、5月の東日本・開幕戦から7月のジャパンツアー第4戦、9月3日の東日本・第3戦と、現在クラブマンクラスで3連勝中の155号車・松原泰世だけは別格だった。最初のアタックで2分33秒778を記録し、その時点で総合でも5番手。さらに5周目に2分33秒037までタイムを縮めて堂々のクラストップに。ただし総合では13位まで順位を落とすことになった。


クラス2番手のタイムは富士のシリーズ戦で優勝経験を持つ38号車の中村 進が記録。タイムは2分33秒892で総合では18位となるため、間に4台のシリーズクラスを挟むことになった。さらに3台のシリーズクラスを挟んだ22番グリッドが52号車の古田孝一で、タイムは2分37秒058。そして24番グリッドからは188号車・江本和彦、23号車・荒川 豊、60号車・黒田行治という順に、クラブマンクラスの入賞圏内から決勝をスタートすることになった。

●決勝
一時は回復に向かった富士の天気だが、決勝の直前から雨が降り出して、予選同様のフルウエットでのバトルとなった。ピットで計測された気温は25℃。湿度は84%と若干下がり、路面温度は26.4℃とわずかに上昇。予選中のアクシデントの影響などでデビュー戦の木村を含む4台（うちクラブマンが3台）がリタイア届けを出したため、合計34台が決勝のグリッドにつくことになった。

ほぼオンタイムでの進行でローリングに入り、12時29分にシグナルがグリーンに変わって7周先のチェッカーを目指したが、オープニングラップに大きなドラマが発生。15番グリッドからスタートしたシリーズクラスの33号車・桂 涼がヘアピン先の300Rでスピンして、一度コース脇にマシンを停車。これを受けて、すかさずセーフティカー（SC）が導入された。その後、桂は自力でピットまで戻ってくるものの、1コーナーからヘアピンにかけて霧が出て視界が悪くなったこともあり、SCランは4周目が終わるまで続いた。


つまり、オープニングラップでSC導入と同時にイエローフラッグが各ポストで提示された後は、その順位がキープされたことになる。クラブマンクラスではトップの松原が1台を抜いて総合12位で先頭をキープ。そして中村がスタートダッシュを決めると同時に、桂のスピンも上手くかわして総合14位までジャンプアップに成功。さらに数台のシリーズクラスを挟んだクラス3番手が古田で、その直後に江本を抜いた荒川がつける展開となった。

視界もやや回復したということで、4周目の周回の途中でセーフティカーのルーフランプが消灯。残り3ラップの短期決戦が始まった。松原はシリーズクラスの89号車のプレッシャーを受けながらも、中村との差は6周目終了時点で約5秒に拡大。続くファイナルラップでは勝利を確信し、その89号車に先を譲ってチェッカーを受けた。そして再開後の後方では古田と荒川のバトルが発生し、6周目に逆転。


クラス5番手と6番手だった江本と黒田以降は、SCランが終わった後も順位の変動はなかった。

しかしながら、松原と黒田にローリングスタートの際に反則行為があったという裁定が下された。この場合、通常ならドライビングスルーというペナルティが課されるのだが、今回はSCランとなったために適用されず、競技結果に対して30秒を加算することに。そのため、クラブマンクラスの優勝は中村となり、2位と3位の表彰台には荒川と古田の順で登壇した。

さらに30秒をプラスしても松原が4位。また5位は江本で、6位には85号車の市川 潤が繰り上がっての入賞となった。

●優勝した中村選手コメント
「今日は2位で初めての表彰台だと思っていたら、優勝だと聞いてビックリです。今年の富士の別のレースで劣化を感じたマフラーやスロットルなど、かなりのパーツをリフレッシュした効果がありました。本当に嬉しいです」

タイヤについては
「今年は岡山のパーティレースと富士のシリーズを戦っていますが、まだ2セット目くらいです。財布に優しいのがメリットですね」


ジャパンツアーシリーズの次の戦いはまた少しインターバルが開いて、11月5日に岡山国際サーキットで第5戦が行われる。またパーティレースの次戦は10月8日、宮城県のスポーツランドSUGOで北日本シリーズ第3戦が開催予定だ。

MOTOR SPORTS
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ROADSTER NR-A
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MAZDA ROADSTER Party Race Ⅲ
https://www.party-race.com/


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