初代ND王者の梅田が、雨も味方にジャパンツアー2勝目

  • 開催場所:富士スピードウェイ
  • 開催日:2022年09月24日(土) 〜 2022年09月24日(土)
ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズ NDシリーズ Rd.4

9月24日、富士スピードウェイでロードスター・パーティレースⅢのジャパンツアーシリーズ第4戦が開催された。チャンピオンを争うNDシリーズクラスは2016年にNDで初代日本一に輝いた梅田 剛が、開幕戦に続く今季2勝目をマーク。セーフティカーも導入された波乱のバトルで降りしきる雨をも味方につけ、名医のごとく鮮やかなお手並みを披露した。

●予選
21年目を迎えたロードスター・パーティレースⅢが、2年ぶりに富士スピードウェイで開催された。2017年から2020年までの4年間はここで交流戦が開催され、各地区のパーティレーサーたちが一堂に会していた。今年から新たにジャパンツアーシリーズが開始され、第4戦の舞台として復活。今回は富士チャンピオンレースシリーズ第4戦の中に組み込まれるカタチで、土曜日のワンデーレースとして行われた。

エントリーはNDシリーズクラスに23台、NDクラブマンクラスに17台で、合計40台という大盛況。それが混走で開催されるが、スケールの大きな富士ということでスターティンググリッドは54台分あり、予選落ちの心配は無用だ。
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嬉しいことにシリーズクラスの182号車・板垣真斗(3ショット写真の右)、クラブマンクラスの72号車・oki765(同・左)と161号車・木村安志(同・中央)、という3名が今回初参加となった。
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9月に入ってからの日本列島は天候不順が続いているが、この週末の富士も台風の影響を受けてしまい、前夜からの雨でフルウエットというコンディションだった。公式予選は8時25分からの20分間で始まったが、気温21℃/湿度95%/路面温度22.2℃というのがピットでの計測データ。シリーズとクラブマンの各1台ずつが欠場し、38台がアタックに臨んだ。この日は予選・決勝を通じて、ソフトトップは閉じた状態でも走行OKという旨がブリーフィングで通達されている。

開始早々、2分27秒841でリーダーボードの最上段に躍り出たのが116号車の梅田 剛だ。彼は4月のジャパンツアーシリーズ開幕戦で優勝し、5月の第2戦でも2位に入ったポイントリーダーのひとりだ。これに続いたのがランキング3位の88号車の本多永一だったが、タイムは2分30秒840と約3秒の差がついた。以下は少し離れて171号車の野村 充と、本多と並ぶランキング3位タイの103号車・松尾康博が2分32秒台で続いた。

上位陣のタイムが再び動き出したのは、予選も開始後10分を過ぎたあたりから。まず梅田が6周目に2分27秒789と、わずかだがベストラップを更新する。そして北日本の第2戦から東日本第2戦、さらにジャパンツアー第3戦まで3連勝を達成した20歳の若武者、35号車の箕輪卓也が2分31秒199で2番手に浮上すると、さらに30秒837までタイムを削って梅田に並ぶ最前列の確保に成功する。
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一方、その箕輪を2位に従えて先日の東日本第3戦で初優勝を飾った27号車の田中祐也も最後までアタックを継続。2分30秒887を記録するも、これは本多にも一歩届かず4番手まで。そしてグリッド3列目は前述の松尾と、梅田と同点でランキング首位タイの16号車・上田純司が2分31秒台の前半で並んだ。こうして見ると予選では、梅田のタイムが突出していることが明白だった。

●決勝
一時は回復に向かった富士の天気だが、決勝の直前から雨が降り出して、予選同様のフルウエットでのバトルとなった。ピットで計測された気温は25℃。湿度は84%と若干下がり、路面温度は26.4℃とわずかに上昇。予選中のアクシデントの影響などで4台(シリーズクラスは99号車の藤井善豪の1台のみ)がリタイア届けを出したため、合計34台が決勝のグリッドにつくことになった。

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ほぼオンタイムでの進行でローリングに入り、12時29分にシグナルがグリーンに変わって7周先のチェッカーを目指した。ポールの梅田と箕輪という最前列2台は順当に1コーナーに進入していくも、2列目からの本多と田中は一瞬とはいうものの横並びに。さらに6番グリッドの上田は直前の松尾をパスしてオープニングラップを戻ってきた。

さらに、このオープニングラップに大きなドラマが発生。15番グリッドからスタートした33号車の桂 涼がヘアピン先の300Rでスピンして、一度コース脇にマシンを停車。これを受けて、すかさずセーフティカー(SC)が導入された。その後、桂は自力でピットまで戻ってくるものの、1コーナーからヘアピンにかけて霧が出て視界が悪くなったこともあり、SCランは4周目が終わるまで続いた。
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視界も少し回復したということで、4周目の周回の途中でSCのルーフランプが消灯。残り3ラップの短期決戦が始まった。ここで勝負を決めたのが、先頭だった梅田。セーフティカーが隊列を離れた後は一定のペースを保っていたが、グリーンランプと同時にアクセルONで一気に後続を引き離す。若い箕輪も必死に追いかけるが、5周目を終えてのギャップは3.9秒。さらに6周目には5.6秒まで貯金を増やした梅田が、開幕戦以来のジャパンツアーシリーズ2勝目を達成した。

再開後で一番熱かったのが、本多と上田の3位争い。勢いは上田の方にあり、6周目終了時点は0.053秒差で左後方に超接近。1コーナー進入での逆転を狙うが、ここはベテランの本多がかろうじてポジションを守って表彰台の最後の一角に滑り込んだ。
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●優勝した梅田選手コメント
「視界が悪かったので、セーフティカー導入は正解だったと思います。箕輪さんには筑波で一度抜かれているので、絶対に並ばせないという気合いでリスタートには臨みました。雨を含めてグリップの低いコンディションは得意だと思うので、今日はそれを活かせたと思います」

タイヤについては
「以前に参戦していた時のRE-71に比べると当然グリップレベルは低いのですが、そういう状況でのコントロールを楽しんでいる部分もあります。ライフも長くていいですね」


今回の結果、ジャパンツアーシリーズのランキングは梅田が58ポイントで単独首位に立って、一歩リードした印象だ。これに上田が52ポイント、本多が48ポイントで続いている。ただ、全6戦中4戦の有効ポイント制なのと、梅田が第5戦は欠場を表明しているなど、まだまだシリーズの行方は見通せない。

ジャパンツアーシリーズの次の戦いはまた少しインターバルが開いて、11月5日に岡山国際サーキットで第5戦が行われる。またパーティレースの次戦は10月8日、宮城県のスポーツランドSUGOで北日本シリーズの第3戦が開催予定だ。



レース結果

コース:富士スピードウェイ

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2022/09/24
  • 天候:Rain
  • 路面:Wet
  • 決勝出走:21
  • 完走:19
  • (4.563km x 7laps = 31.941km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 116 梅田 剛 BS Bridgestone 東京美容クリニックロードスター 7 20'21.633
2 35 箕輪 卓也 BS Bridgestone ミノワファクトリーロードスター 7 20'28.207
3 88 本多 永一 BS Bridgestone LEG Eds ロードスター 7 20'34.993
4 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 7 20'35.855
5 27 田中 祐也 BS Bridgestone TCC DR ロードスター 7 20'36.900
6 171 野村 充 BS Bridgestone LAILE RSMロードスター 7 20'42.099
7 122 石川 純二 BS Bridgestone PLUM諏訪姫GIロードスター 7 20'44.641
8 91 沢崎 祐一 BS Bridgestone DELTAロードスター 7 20'45.669
9 69 相澤 康介 BS Bridgestone KAMSP TCRロードスター 7 20'47'033
10 112 本山 賢一郎 BS Bridgestone 九州美包ロードスター メッカ 7 20'52.396
11 89 鈴木 大智 BS Bridgestone OKわーくすM・Yロードスター 7 20'56.397
12 182 板垣 真斗 BS Bridgestone JKCロードスター 7 21'14.488
13 170 桑野 祐希 BS Bridgestone スピリットEOFロードスター 7 21'15.242
14 46 北田 辰男 BS Bridgestone CTMサプライ・ロードスター 7 21'27.469
15 1 菊池 峻斗 BS Bridgestone IDSレイルガルフロードスター 7 21'29.192
16 133 辻田 慈 BS Bridgestone ZEST★ロードスター 7 21'32.330
17 81 瀧口 智弘 BS Bridgestone ALEX笑ってFWロードスター 7 21'42.645
18 10 各務 猛 BS Bridgestone エルム ロードスター 7 22'07.576
19 126 川島 修 BS Bridgestone OKER MS ロードスター 7 22'11.052
- 33 桂 涼 BS Bridgestone サンデボーテHMDロードスター 1 DNF
- 103 松尾 康博 BS Bridgestone 密林雲ロードスター DQ