初代ジャパンツアー決戦は、21歳の箕輪卓也に軍配!
- 開催場所:モビリティリゾートもてぎ
- 開催日:2022年11月20日(日) 〜 2022年11月20日(日)
11月20日、栃木県のモビリティリゾートもてぎでロードスター・パーティレースⅢのジャパンツアーシリーズ第6戦が開催された。初代王者を決めるNDシリーズはランキングトップタイの2台が予選から火花を散らし、決勝も最前列からテールtoノーズの大接戦を展開。そんな中でチャンピオンに輝いたのは、この日最後までトップの座を譲らなかった、35号車の箕輪卓也だった。
●予選
今回のエントリーはNDシリーズクラスが17台、NDクラブマンクラスが6台。クラブマンには欠場が出たが、シリーズは全車が8時25分からの公式予選に臨んだ。上空のほとんどは雲に覆われていたが、青空も少し見えて雨の気配はなく、規定通り全車がオープンで20分間のアタックにコースイン。コンディションは気温9℃/湿度77%/路面温度12.4℃だった。
まずタイムを出してきたのは箕輪。10月8日から各地区のシリーズで3連勝を飾り、先週のSUGOこそ2位に終わったが、北日本シリーズのチャンピオンを確定させた21歳の大学生だ。ジャパンツアーシリーズもランキング1位タイで、この最終戦に臨んでいる。最初のアタックで2分27秒553を記録し、次の周も27秒534まで削って早々にピットイン。この時点では2番手が2分29秒台で、まさにブッチギリ状態だった。
その後、最初にタイムを28秒台に入れてきたのは171号車の野村 充。アタック2周目に2分28秒734を叩き出して、ピットに戻った。
そしてランキング3位でわずかに逆転の可能性を残していた東日本王者、16号車の上田純司もアタックを開始。序盤は2分29秒を切れず、ようやく3周目に2分28秒892を記録するが、そこまで。
そして10分過ぎ、ラップモニター上段に姿を見せたのがもうひとりのポイントリーダー、116号車の梅田 剛。アタック2周目に2分28秒669を記録し、さらに次の周で28秒073までタイムを削ってきた。
結局、2分27秒台は箕輪のみで、28秒台に梅田→野村→上田という3名が続くという、少しタイムが離れた展開になった。以下、5番手は89号車の鈴木大智でベストは2分29秒401。6番手に103号車の松尾康博が2分29秒466で続いて、ここまでがシリーズの入賞圏内で決勝をスタートすることになった。
●決勝
ロードスター・パーティレースⅢの今年最後の戦いは、ほぼオンタイムの10時49分にスタートが切られた。上空の雲が分厚くなってきたもてぎのコースコンディションは、気温12℃/湿度67%/路面温度14.8℃となっていた。
7ラップの決勝はジャパンツアーシリーズでは恒例となったローリング方式で、ポールポジションの箕輪は順当に加速。最初の1コーナーにはインをブロックする必要もなく、一度アウトに振ってからの理想的なラインで進入していく。逆転を果たせなかった梅田だが、もちろん箕輪の背後にはピタリと張り付いて0.861秒差で通過。これがコントロールライン上では最大のギャップで、まさに鍔迫り合いの序章だった。
グリッド2列目の野村と上田も1周目を0.820秒差で通過。この2台もこれより差が詰まることはあっても、広がることはない接戦を最後まで演じきった。
一方で、5位以降はオープニングラップで順位が大きく変わった。まず5番グリッドの鈴木はひとつポジションをダウン。6番グリッドの松尾は1コーナーで挟まれて行き場をなくし、一気に10位まで後退。代わって8番グリッドだった1号車・菊池峻斗が5位にジャンプアップ。これは大躍進だろう。
2周目以降も順位こそ変わらないが、トップを争う2台と3位&4位の2台はそれぞれ緊張感あるバトルが続いた。2周目には7番グリッドだった81号車・瀧口智弘が鈴木を抜いて6位に浮上。また松尾も32号車の横田 剛を抜き返して9位まで挽回した。さらに3周目のS字出口で8位を走行中だった69号車の相澤康介が姿勢を乱してしまい、接触を避けようと少し無理をしたのが裏目に出て単独のクラッシュ。幸い身体は無事だったが、リタイアを余儀なくされた。
梅田は2周目に決勝中の最速となる2分28秒532を記録するなど、最後まで1秒以内の僅差で追い詰めるが、箕輪も隙を見せない。それでもファイナルラップの第1セクターで全体ベストの区間タイムを叩き出し、その勢いで90°コーナーでインから並びかけようとするが、ここは箕輪が1台分の幅を残しながら応戦。少しテールをスライドさせながらもしのぎ切るという、素晴らしいファイトを見せてくれた。
3位を争う2台のギャップはさらに接戦だったが、ここもキャリアの浅い野村が守り抜いて、パーティレースでは昨年のデビュー戦(SUGO)に続く2度目の表彰台をジャパンツアーシリーズで達成。ただ一触即発の接近状態で、クリーンなバトルを貫いた4位の上田にも拍手を送りたいと思う。
そして5位の菊池を先頭にしたグループは相澤の離脱以降、当初は4台のダンゴ状態。ここから少しだけ菊池が抜け出して、6周目からは「瀧口→鈴木→松尾」の三つ巴バトルとなり、輝いたのが松尾。5コーナーで鈴木を抜き去ると、ホームストレートで瀧口の立ち上がりの小さなミスを見逃さずにパッシング。そのままチェッカーまで走り切って、6位入賞を勝ち取った。
今季から始まったジャパンツアーシリーズだが、初代チャンピオンには21歳の箕輪が輝いて「MAZDA SPIRIT RACING CUP」を獲得。2016年の初代ND日本一王者、梅田は惜しくも2位で、3位は上田となった。
以下、シリーズ4位に本多永一、5位に松尾、6位に瀧口というのが最終順位。さらに本シリーズのグレートパーティレーサー・オブ・ザ・イヤーには登坂 紀、ルーキー・オブ・ザ・イヤーには菊池、ウーマン・オブ・ザ・イヤーには辻田 慈が輝いた。
●優勝した箕輪選手コメント
「最高に嬉しいです。途中で少し離れたのですが、どこかで勝負されるとは思っていたので、最後も少しだけブレーキを遅らせて対応できました」
タイヤについては
「前にも言ったかもしれませんが、このRE004はタテを重視して使うと、溝もトレッドもキレイに減ってくれて、耐久性もあるのがメリットですね」
決勝
- 開催日:2022/11/20
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 決勝出走:17
- 完走:16
- (4.801km x 7laps = 33.607km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 35 | 箕輪 卓也 | BS | ミノワファクトリーロードスター | 7 | 17'26.372 | ||||||
2 | 116 | 梅田 剛 | BS | 東京美容クリニックロードスター | 7 | 17'26.643 | ||||||
3 | 171 | 野村 充 | BS | LAILE RSMロードスター | 7 | 17'35.246 | ||||||
4 | 16 | 上田 純司 | BS | 上伸物流 ロードスター | 7 | 17'36.017 | ||||||
5 | 1 | 菊池 峻斗 | BS | IDSレイルガルフロードスター | 7 | 17'37.814 | ||||||
6 | 103 | 松尾 康博 | BS | 密林雲ロードスター | 7 | 17'39.895 | ||||||
7 | 81 | 瀧口 智弘 | BS | ALEX笑ってFWロードスター | 7 | 17'40.727 | ||||||
8 | 89 | 鈴木 大智 | BS | OKわーくすM・Yロードスター | 7 | 17'41.164 | ||||||
9 | 153 | 桂 涼 | BS | サンデボーテHMDロードスター | 7 | 17'45.571 | ||||||
10 | 32 | 横田 剛 | BS | KYCロードスター | 7 | 17'45.922 | ||||||
11 | 122 | 石川 純二 | BS | PLUM諏訪姫GIロードスター | 7 | 17'46.681 | ||||||
12 | 112 | 本山 賢一郎 | BS | 九州美包ロードスター メッカ | 7 | 17'50.402 | ||||||
13 | 57 | 吉田 保裕 | BS | よしだロードスター | 7 | 17'59.716 | ||||||
14 | 133 | 辻田 慈 | BS | ZEST★ロードスター | 7 | 18'07.364 | ||||||
15 | 10 | 各務 猛 | BS | エルム ロードスター | 7 | 18'11.097 | ||||||
16 | 126 | 川島 修 | BS | OKER MS ロードスター | 7 | 18'22.344 | ||||||
- | 69 | 相澤 康介 | BS | KAMSP TCRロードスター | 2 | DNF |