箕輪が2戦連続の逆転劇を演出。今度の舞台は馬の背

  • 開催場所:スポーツランド菅生
  • 開催日:2022年10月08日(土) 〜 2022年10月08日(土)
ロードスター・パーティレースⅢ 北日本 NDシリーズ Rd.3

10月8日、宮城県のスポーツランドSUGOでロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズ第3戦が開催された。出場11台のNDシリーズはオープニングラップで上位6台の順位がすべて入れ替わる波乱の序盤から、中盤以降は2台のトップ争いが白熱。第2戦に続いて20歳の若武者、箕輪卓也が逆転での2連勝を達成したが、その舞台はなんとバックストレート先の馬の背コーナーだった。

●予選
秋を迎えて不安定な天候が続く日本列島だが、この週末の宮城県も例外ではなかった。前日の金曜日は午前中から雨。ただし朝一番の練習走行枠だけはドライ路面で走れたとのことだ。北日本第3戦のエントリーはNDシリーズクラスに11台、NDクラブマンクラスに4台で合計15台だった。

公式予選は10時55分からの15分間。朝一番はフルウエットだったSUGOだが、他のレースの予選もあったためにコース上は全面がドライに回復。ピットでの計測では気温17℃/湿度62%/路面温度31.8℃というコンディションで走行が始まった。

全車がアタック1周目を終えてトップに立ったのは、今回が参戦54戦目となる91号車の沢崎祐一。その時点では唯一の47秒台となる1分47秒537をいきなり叩き出す。続いて地元の宮城県から参戦している47号車の岩崎 魁がアタック2周目に1分47秒548で肉薄。すると、今季は開幕から3位→2位と入賞して現在ポイントリーダーの34号車・菊池 仁が、アタック3周目に1分47秒045で逆転に成功する。
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予選も半ばを過ぎてピットに戻るマシンも多く、ここで一度タイムが膠着状態に入った。菊池→沢崎→岩崎というこの時点でのトップ3に、第2戦で3位に入ってランキング3位の16号車・上田純司が1分47秒721で4番手、第2戦で優勝してランキング4位の35号車・箕輪卓也が5番手、開幕戦2位入賞でランキング2位の32号車・横田 剛が6番手という状況につき、まったく予断を許さない。

残り3分を切ったあたりから、多くのマシンが最後のアタックに入る。ここで魅せたのが第2戦で最年少優勝記録を塗り替えた20歳の箕輪。ラップモニターのセクター1とセクター2をともに赤い色の全体ベストで走り抜けると、チェッカーと同時に1分46秒634で最上段にジャンプアップ。これで北日本シリーズでは2戦連続のポールポジション獲得となった。

結局、予選2位から5位までは菊池→沢崎→岩崎→上田の4名が前述のタイムで残り、ここまでが1分47秒台。そして3列目の最後となる6番グリッドには、今日がまだ2戦目という27号車・大越海斗が最後のアタックで1分48秒145まで削って滑り込み、ランキング2位の横田は7番グリッドからのスタートを余儀なくされた。

●決勝
予選の後のSUGOの天気は晴れ時々曇り。決勝レースの直前には、それまで太陽にかかっていた雲がいなくなるという状況だった。スタート前のコンディションは気温19℃/湿度50%/路面温度29.6℃に。予定よりわずかに遅れた15時09分に、上下2連10灯のレッドシグナルがブラックアウトして9ラップの決勝が始まった。
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と、いきなり大きな波乱がスタートで起きた。ポールポジションの箕輪は明らかに反応が遅れてしまい、2番グリッドの菊池がやすやすと先頭で1コーナーに進入していく。
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さらに2列目の沢崎は岩崎に、3列目も上田が大越にパッシングを許してしまう。つまりイン側の偶数グリッドの選手が、ひとつずつ順位を上げたのだ。

とくに勢いがよかったのは菊池→箕輪→岩崎の上位3台で、SPコーナーでは4位以下との間に大きなギャップが生じていた。ところがこの直後、岩崎が最終コーナーでテールをスライドさせて後退。1周目こそ3位でコントロールラインを通過するものの、2周目の1コーナーで沢崎と大越とのスリーワイドとなって挟み撃ち状態に。ここで沢崎には先行を許してしまう。
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この後、沢崎を先頭に岩崎→大越→上田の3選手はもちろん、横田に171号車の野村 充、31号車の和光博紀までの7台が、それぞれ前車とは1秒以内という数珠つなぎ状態となる。最初は岩崎を追う大越の勢いが優っていたが逆転には至らず。次に6周目に大越がバックストレートで3速から6速にミスシフトしたことで上田が大越に急接近。こうして4位から6位を争う3台がバトルしたことで、3位を走る沢崎が少し楽な展開になったことは確かだ。

いずれにしても箕輪と沢崎のギャップは2周目で早くも2.4秒、4周目には3秒を超えてしまい、優勝争いは2台に絞られた。先頭を行く菊池と箕輪の差は2周目と3周目は0.5秒台だったが、4周目以降は0.2〜0.3秒という僅差になる。まずは5周目のヘアピンで箕輪がインを差して一瞬だけ横並びになるが、ここは自重。再び動いたのは8周目の馬の背だった。レインボーの立ち上がりから菊池をロックオンした箕輪が、バックストレートでのスリップを利用してイン側から並びかけることに成功。そこで先頭が変わった。
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もちろん、菊池もあきらめない。0.073秒の僅差で最終となる9周目に入り、その1コーナーでアウトからの横並びを仕掛けるが、わずかに膨らんでしまって勝負あり。箕輪が第2戦に続く北日本シリーズ2連勝を達成した。菊池も2戦連続の2位に入賞。そして3位にはキャリア50戦を超える沢崎が初めて表彰台に立った。
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以下、4位には岩崎、5位には大越、6位には上田の順でゴールしたが、規定により大越までが入賞。岩崎は今回が初めての入賞となった。

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●優勝した箕輪選手コメント
「スタートは回転も低すぎました。さらに2周目の1コーナーでもリアをスライドさせてしまいました。ただそこからは自分の速いところを探しました。最初は3コーナーかなと思ったのですが、リスクを考えた結果、あそこでの勝負になりました。菊池さんは今回も自分にスペースを残してくれました」
タイヤについては
「雨で色々流れてしまったのか、今日の路面はスリッピーでした。でもRE004は扱いやすいので、なんとか対応できました」とコメントした。


第3戦を終えて、北日本NDシリーズのポイントリーダーは依然として菊池。ただ若干有利になったのはランキング2位に浮上した箕輪の方で、仮に菊池が最終戦に優勝しても、箕輪は2位なら逆転チャンピオンとなる。さらにランキング3位と4位の横田と上田にも可能性が残っているが、現実的には限りなく上位2名に絞られた。

北日本シリーズの最終戦はここSUGOで11月13日(日曜日)の開催を予定。またロードスター・パーティレースⅢの次の戦いは10月30日(日曜日)に、茨城県の筑波サーキットで行われる東日本シリーズの最終戦となっている。

レース結果

コース:スポーツランド菅生

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2022/10/08
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:11
  • 完走:11
  • (3.586km x 9laps = 32.274km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 35 箕輪 卓也 BS Bridgestone ミノワファクトリーロードスター 9 16'20.218
2 34 菊池 仁 BS Bridgestone ガレージ123煉獄ロードスター 9 16'20.874
3 91 沢崎 祐一 BS Bridgestone DELTAロードスター 9 16'25.169
4 47 岩崎 魁 BS Bridgestone ケイズDRロードスター 9 16'25.610
5 27 大越 海斗 BS Bridgestone VOSR ロードスター 9 16'26.914
6 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 9 16'27.193
7 32 横田 剛 BS Bridgestone KYCロードスター 9 16'28.877
8 171 野村 充 BS Bridgestone LAILE RSMロードスター 9 16'29.057
9 31 和光 博紀 BS Bridgestone KENMoty'sロードスター 9 16'29.995
10 2 冨田 成俊 BS Bridgestone 冨田商事ロードスター 9 16'43.491
11 6 SATOSHI BS Bridgestone プロジェクトワン ロードスター 9 16'58.205