一段高いバトルでも前年王者、箕輪の強さが傑出

  • 開催場所:モビリティリゾートもてぎ
  • 開催日:2023年06月18日(日) 〜 2023年06月18日(日)
2023年ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーRd.3もてぎ NDシリーズ

6月18日、栃木県のモビリティリゾートもてぎでロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第3戦が開催された。17台の精鋭が鎬を削ったNDシリーズクラスだったが、終わってみれば前年王者の35号車・箕輪卓也がポールtoウインの完全制覇。これで開幕3連勝を達成し、連覇に向けても視界良好だ。

■予選
今シーズン、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズ第3戦の舞台は“もてぎ”。ジャパンツアーのオープニングイヤーだった昨年は11月20日に最終戦として開催されたため、まったく違うコンディションでの戦いになった。NDシリーズのエントリーは19台だったが、34号車の菊池 仁と105号車の菅原達也が欠場。9時10分から20分間の公式予選開始時のコンディションは、気温24℃/湿度65%/路面温度45.8℃だった。
最初に輝いたのは前年王者で、今年に入っても開幕2連勝と絶好調な箕輪。先頭でコースインし、最初のアタックで出したタイムが2分30秒779。ただ、14号車の菊池峻斗がその箕輪を追うように2分30秒964で2番手につけた。2台はそのままアタックを続けるが、ここで171号車の野村 充が2分30秒767を記録して逆転。すかさず野村はピットで待機に入った。そして箕輪はアタック2周目、2分30秒645までタイムを削って再逆転。ここでピットロードにマシンを向けていく。菊池も2分30秒806まで縮めるが、3番手のポジションは変わらない。菊池はさらにもう1周アタックを続けるが、タイムは2分31秒296。次の周でピットインして、ライバルたちの様子をうかがうことになった。
上位の3番グリッドまでは結局、ここまでのタイムで決まった。終盤になってタイムを削ってきたのは33号車の恵木勇哉。残り3分を切ってからのアタック5周目に、2分31秒407を叩き出して2列目に滑り込む。さらに5番グリッドは昨年の東日本王者、16号車の上田純司が2分31秒690で獲得。6番グリッドにはベテラン、32号車の横田 剛が2分31秒876で続いた。ここまでが2分32秒を切って、シリーズの入賞圏内で決勝をスタートする。

■決勝
ジャパンツアーシリーズ第3戦の決勝は、12時34分にローリングスタートでバトルが開始。上空は薄い雲で覆われ、これが少しは太陽を遮ってくれる効果はあったようで、気温は30℃にとどまっている。ただし湿度は51%まで下がり、路面温度は52.8℃まで跳ね上がっていた。
さすがにシーズン3戦目のジャパンツアーかつ初出場者はゼロということで、上位陣のスタートはスムーズだったが、オープニングラップにはかなりの順位変動が起こった。
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ポールの箕輪は順当だったが、3番グリッドだった菊池が2番グリッドの野村をまずは逆転。ただ、すかさず野村が2コーナーからの加速で上回り、3コーナーへの進入でインを奪ってポジションを回復する。その後方では、2台のスタートダッシュが見事だった。まずは7番グリッドだったクラブマンのトップ、28号車の石塚崇宣がグイグイと加速。2コーナーの立ち上がりでは一時、総合4位まで浮上してみせた。さらに予選では最終盤に2周だけというアタックで失敗。9番グリッドと不本意な結果に終わった63号車の吉田恭将が、やはり2コーナーまでに3台をごぼう抜き。さらに3〜4コーナーから5コーナーにかけては前述の石塚を含む2台をパッシングして、オープニングラップだけで5台を抜き去って4番手までジャンプアップに成功する。
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1周目が終わった時点で整理すると、先頭から3位まではグリッド順通りに箕輪→野村→菊池。以下、4位に吉田が躍進して、5位には6番グリッドだった32号車の横田。6位には前述の石塚だが、7位に4番グリッドだった恵木が僅差で続いていて、逆転の気配が濃厚に漂っていた。続く2周目は吉田がバックストレートで横並びに持ち込んで3位の座を奪取。恵木も勢いそのままに石塚と横田を一気に抜いて5位まで浮上した。先頭の箕輪は快調に飛ばして、3周目に1.100秒、4周目には1.278秒のリードを野村に対して構築。ところが5周目には、野村が仕掛けて0.402秒差に急接近。トップ2のメンタルも含めた戦いに、若いふたりの成長を感じたが、終盤に入ってからは野村が小さなミスで後退。6周目には再び1.054秒差となって、逆転の匂いは消えた。
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一方、吉田を先頭にした3位を争うグループは時として順位も入れ替わる激しいバトルに発展。3周目に全体ベストの2分31秒687を記録して追い上げた恵木が、前を走る菊池をロックオン。5周目にはついに逆転して、今度は吉田をも抜こうという勢いを見せた。最終盤はこの3台に横田と石塚、さらに280号車の普勝 峻まで追い付いてきて、なんと6台が数珠繋ぎ状態。ジャパンツアーのレベルが高くなってきたことを実感させた。結局、箕輪が1.607秒の差を付けて堂々のジャパンツアー開幕3連勝を達成。
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2位の野村も昨年の最終戦以来の表彰台復活となった。さらに参戦2シーズン目の吉田は今シーズン、速さを見せつつも車両規定違反やタイムペナルティでノーポイントに終わっていただけに、待望のポディウム・フィニッシュとなった。以下は恵木、菊池、横田までが入賞だ。
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優勝した箕輪選手コメント
「もてぎは近いので何度か来ていますが、こんなに暑いのは初めて。昨日の練習でもオーバーが出ましたが、アライメントを調整して、今日はうまく走れたかなと思います。昨年は3連勝だったので、今年はぜひ4連勝に挑戦したいです」
タイヤについては今回、ミノワファクトリーを営む父上が
「3セット用意して昨日の練習で比較したのですが、8月のオートポリス用に準備したものが最適と判断しました。溝としては一番浅くないので、どうやら路面温度が高いことと関係があるかもしれません」と、秘密を少し明かしてくれた。

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次の戦いの舞台は、7月23日の十勝スピードウェイ。なんと北海道で初めてのパーティレースが、ジャパンツアーシリーズの第4戦として開催される。なお3連勝した箕輪はチーム事情もあって次戦をスキップ。オートポリスで自身初の4連勝を目指すとのことだ。

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レース結果

コース:モビリティリゾートもてぎ

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2023/06/18
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:17
  • 完走:17
  • (4.801km x 7laps = 33.607km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 35 箕輪 卓也 BS Bridgestone ミノワファクトリーロードスター 7 17'50.997
2 171 野村 充 BS Bridgestone HC・RACINGロードスター 7 17'52.604
3 63 吉田 恭将 BS Bridgestone 村上モータースロードスター 7 17'59.958
4 33 恵木 勇哉 BS Bridgestone プロフィスヤマ岡崎ロードスター 7 18'00.511
5 14 菊池 峻斗 BS Bridgestone ニワレーシングロードスター 7 18'00.673
6 32 横田 剛 BS Bridgestone KYCロードスター 7 18'00.936
7 280 普勝 崚 BS Bridgestone IDSレイルガルフロードスター 7 18'02.574
8 31 和光 博紀 BS Bridgestone KENMoty'sロードスター 7 18'07.458
9 112 本山 賢一郎 BS Bridgestone 九州美包ロードスター メッカ 7 18'11.767
10 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 7 18'12.033
11 24 岩田 洋二 BS Bridgestone Moty'sJF☆ロードスター 7 18'13.116
12 81 瀧口 智弘 BS Bridgestone ALEX笑ってFWロードスター 7 18'20.165
13 89 鈴木 大智 BS Bridgestone OKわーくすM・Yロードスター 7 18'20.171
14 73 鈴木 篤 BS Bridgestone SRアセットロードスター 7 18'27.516
15 142 村田 悠磨 BS Bridgestone ジルコンサンドドアロードスター 7 18'30.399
16 4 渡邊 敏康 BS Bridgestone WATANABEロードスター 7 18'30.892
17 10 各務 猛 BS Bridgestone エルム ロードスター 7 18'31.990