悔しさ滲む初Vも、久米田が王座に大きく前進!

  • 開催場所:スポーツランド菅生
  • 開催日:2023年10月14日(土) 〜 2023年10月14日(土)
2023年ロードスター・パーティレースⅢ 北日本シリーズRd.3 NDシリーズ

10月14日、宮城県のスポーツランドSUGOでロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズ第3戦が行われた。今回は出走9台で争われたNDシリーズだが、ランキング2位の281号・久米田昴がポールポジションを獲得。決勝では最終ラップのミスでクラブマンの石塚に逆転を許したが、シリーズクラスでは堂々の初優勝。ランキングも首位タイに浮上して、タイトル獲得にも大きく前進した。

シリーズクラスでは今回、32号車の阿部友哉と280号車の稲垣知博がデビューを飾った。阿部は山形県天童市在住の31歳、稲垣は福島県本宮市在住の27歳という若者たちで、ともにレンタルしての参戦だ。阿部はヴィッツのシリーズで2回チャンピオンに輝いた実績があり、稲垣もレジェンドカーや軽自動車のレースを経験しているキャリアの持ち主。恒例により朝のブリーフィングで両名が挨拶と意気込みを語ると、先輩たちから温かい拍手で迎えられた。
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◆予選
10月も半ばとなったSUGOの朝方は、少し肌寒さを感じるほど。上空には青空が広がり、雨の気配はなかった。北日本シリーズは4月23日のダブルヘッダー以来なので、ほぼ半年ぶりの戦いだ。エントリーはNDシリーズが10台、NDクラブマンが3台の合計13台で混走の予定だったが、シリーズの1台がリタイア届けを出したため、12台が予選に臨んだ。
モニター上段にはまず、福島在住の31号車・和光博紀が1分47秒801で躍り出た。これにベテラン、91号車の沢崎祐一が1分47秒910で続いて、しばらく47秒台後半での争いとなった。その後のシリーズクラスでは第2戦のウイナー、34号車の菊池仁が1分47秒257を記録。すかさず、和光が1分47秒236とタイムを削って再びトップに立った。
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そして残り5分を切った頃、クラブマンクラスの2号車・石塚崇宣が1分47秒094で一気に最上段に。このまま総合ポールを獲得と思いきや、残り3分20秒ほどで281号車の久米田昴が1分46秒717を記録して、逆転でポールポジションを奪取した。
この久米田、開幕戦は7位だったが、第2戦は2位と健闘して、ランキング2位でこの第3戦に臨んでいる25歳の若き実力者だ。石塚も2番グリッドを獲得して、シリーズクラスの上位陣に割って入った。グリッド2列目には和光と菊池が並び、総合5番手には28号車の普勝崚、6番手には16号車の上田純司が続いた。開幕戦2位、第2戦4位で今回はポイントリーダーとして臨んでいる上田が、決勝ではこのポジションからの巻き返しを狙うこととなった。

◆決勝
北日本シリーズ第3戦の決勝は9ラップでの争いで、11時49分にスタートが切られた。陽が高くなるに連れて少し汗ばむほどになり、気温20℃・湿度49%・路面39℃というコンディションに変わった。フロントローの2台=久米田とクラブマンの石塚は無難にスタートを決めたが、3番グリッドの和光は激しいホイールスピンでもがいているうちに、菊池が苦もなく抜いていく。さらに和光の内側に普勝と上田が横並びになる“スリーワイド”状態となり、和光は接触を避けようとして失速。さらに後続の91号車・沢崎祐一にまで先行を許す展開になってしまった。
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この上位陣の中で、序盤もっとも勢いがよかったのが普勝。2周目の馬の背コーナーで菊池に並びかけてみせ、続く3周目の1コーナーで早くもオーバーテイクに成功。単独3番手に浮上した。逆にここから菊池が防戦一方となり、菊池→上田→沢崎→和光という4台がほぼダンゴ状態。
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上田が何度も菊池に並びかけるが、その隙に沢崎が上田をあわやパッシングという応酬の繰り返しで、クリーンだけれど一触即発という状態が続いた。となれば、バトルの焦点はトップ争いに移る。久米田とクラブマンの石塚のギャップは、オープニングから3周目までは0.7秒台。どうやらコースの前半は石塚がやや速く、後半の2セクターは久米田が上回るという状況だ。4周目以降、その差は0.412秒→0.518秒→0.324秒→0.377秒へと縮まり、緊迫した状況が続いた。さらに7周目には(経緯はクラブマンクラスのレポートを参照)総合3位の普勝も石塚に対して0.284秒差まで迫ってきて、まさに三つ巴のトップ争いになった。
そして、もはやこれまでと思われたSPアウトコーナーで、久米田が3速から4速へという操作でまさかのミス。本人曰く1秒近くのロスで、当然だが立ち上がりの加速は明らかに鈍ってしまい、スリップから抜け出した石塚がアウト側から先行。わずか0.092秒だが、クラブマンクラスの石塚が先頭でチェッカーフラッグを受けることになった。ただし、シリーズクラスの優勝は久米田で変わらない。これに僅差で続いた普勝がクラス2位となり、ダンゴ状態を凌ぎ切った菊池が3位でポディウムに登壇。
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出走9台となったことで、4位の上田までが入賞となった。
この結果、シリーズでは上田と久米田が46ポイントの同点で並び、これを菊池が36ポイントで追う展開になった。ただし有効3戦という規定やボーナスポイントの関係で、俄然有利になったのが久米田だ。最終戦でもし上田が優勝しても久米田が3位に、同じく菊池が優勝しても4位に入れば初の王座獲得となる。また数字の上では沢崎と普勝にも、逆転王座の可能性が残されている。
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優勝した久米田選手コメント
「ミスは悔しいのですが、メカニックには感謝しています。シリーズでは有利な状況になりましたが、最終戦ではトップでチャンピオンを決めたいと思います」
タイヤに関して
「柔らかいので、剛性を保つというか、ヨレないように気をつけています。とくに内圧には細心の注意を払っています」

北日本シリーズの最終(第4)戦は秋も深まった11月25日の土曜日に、ここSUGOで開催される。またパーティレースの次の戦いは10月29日の日曜日、茨城県の筑波サーキットで東日本シリーズの最終となる第4戦が予定されている。
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