雨が翻弄した最北の決戦、石谷豪志が逆転の2勝目で混戦模様に!

  • 開催場所:十勝スピードウェイ
  • 開催日:2024年08月11日(日) 〜 2024年08月11日(日)
2024年ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーRd.4 NDシリーズ

8月11日、JAFツーリングカー選手権のタイトルがかかる「ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズ第4戦 in 十勝」が、北海道の十勝インターナショナルスピードウェイで開催された。15台で争われたNDシリーズクラスは大きなドラマが発生。予選から決勝の終盤まで支配していた28号車の普勝 崚がまさかのスピンアウトを喫し、代わって首位に躍り出たのが予選8番手だった117号車の石谷豪志。開幕戦に続く2勝目を挙げて、ランキングも2位に再浮上した

今回のエントリー台数はNDシリーズが15台、NDクラブマンが3台の計18台。初参加は3名で全員が北海道からだが、NDシリーズのルーキーは274号車の高橋伸也(写真左)。恒例の挨拶に立った高橋は「皆様にご迷惑をかけないように、クルマを壊さないように、完走できるように頑張ります」と挨拶。先輩たちから拍手で歓迎を受けた。以下、気象条件などはクラブマンクラスのレポートを参照されたい。
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●予選
公式予選は9時10分からの 15分間だが、開始直後から雨がぱらついてきた。まずは一番時計を刻んだのは第3戦で3位となった33号車の惠木勇哉で、2分40秒590をマーク。直後にポイントリーダーでここに臨んだ35号車の加藤達彦と108号車の米川直宏が2分40秒台で惠木を上回るが、どうやら勝負は2分39秒台となる気配だ。その壁を最初に破ったのが54号車の三宅陽大で、タイムは2分39秒819。ここからが本当の戦いになった。
雨が降り続いたまま予選は後半戦に突入。残り約1分50秒でトップに躍り出たのが28号車の普勝 崚で、2分39秒202を叩き出した。各選手とも最後までアタックを続けるが、そのタイムを超えることができなかった。以下、三宅が2分39秒474、加藤が2分39秒752で続いたが、4番手には186号車の勝木崇文が2分39秒763を序盤に計測していたことが判明した。さらにグリッド3列目には惠木と米川。この米川までが2分39秒台だった。
ちなみにジャパンツアーの第3戦で初優勝を達成し、さらに昨年の十勝の予選でコースレコードを記録した63号車の吉田恭将は7位という結果に終わった。そのほか、開幕戦を制した117号車の石谷は8位、東日本シリーズを2連覇している16号車の上田純司が9位、7月21日のSUGOで3年ぶりに勝って北日本シリーズのトップに立った127号車の関 豊はなんと11位と、予選では不本意な結果に終わった実力者たちも多数いた。

●決勝
予選時にパラパラと降っていた雨は決勝前には一度上がって、全車がオープン状態で決勝のスタートに向かった。今回は全長5100m近くに及ぶフルコース(グランプリコース)を使用し、9周で争われる。オンタイムの11時35分にフォーメーションラップがスタートするが、ここで天候が変化。霧雨が降り始めて、ワイパーを動かす選手も見受けられた。
各車が最終コーナーに差し掛かる前に2列に隊列を整えて、ストレートに入るとシグナルがグリーンに変わった。全車混乱なくクリーンなローリングスタートとなり、ポールの普勝を先頭に三宅→加藤→勝木→惠木と、5位まではグリッド通りの順番で1周目を通過していく。ただ 6番グリッドだった米川がふたつポジションを落として、後続の吉田と石谷がひとつずつ順位を上げた。
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2周目からは2位争いが激しくなり、三宅と加藤、勝木が接近してのバトルに突入。
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その隙に普勝は逃げ切りの体制に移り、2位以降を徐々に引き離しにかかった。また3周目には石谷が吉田をかわして6位まで浮上。
そして4周目にもまた順位変動が起きた。3位だった加藤が5位に後退し、勝木と惠木が代わって順位を上げた。
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この頃から雨足が強くなり、コースの路面も徐々にウエットに近く変化。加藤は負の連鎖に入ったようで、5周目には8位までドロップしてしまう。
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この状況で、明らかにフラつくマシンも目立ち始めたが、逆に雨を味方に順位を上げる選手も見られるようになった。
8番グリッドから3周目終了の時点で6位まで上げていた石谷が、5周目には一気に2台を抜いて4位までジャンプアップ。
さらに11番グリッドからのスタートだった関も、同じく5周目には6位の入賞圏内にまで浮上。石谷の勢いは止まらず、6周目には再び2台を抜いて2位の座を奪取。
関は次の7周目に5位となり、いわゆる2位争いの集団に追いつくことに成功した。
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雨はレースをさらに翻弄した。 5位を走っていた惠木が足をすくわれて、7周目に5位から8位にポジションをダウン。
そして最大のドラマが8周目の6コーナーで起きた。2位以下の集団がバトルしている隙にリードを広げ、5周目以降は2秒以上という大きなギャップを築いていた普勝が進入の際にテールをスライド。
そのままスピンを回避できずに、一気に後続の10台に抜かれてしまった。
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ここで石谷がトップに立ち、混乱に乗じて関も2番手までジャンプアップ。
これに勝木と、粘りの走りで再浮上してきた加藤が続いて漁夫の利を得るが、逆に三宅は3位から5位にドロップ。
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明暗が分かれた。整理すると、石谷が開幕戦以来の今季ジャパンツアー2勝目を達成。2位の関と3位の勝木がポディウムに登壇した。
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以下は加藤、三宅、吉田までが規定により入賞となった。
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優勝した石谷選手コメント
「マシンをチェンジしてから初のレースで、かつ初めてのコース。手探り状態の予選では良い位置につけませんでした。壊さないことを最優先に、ポイントを獲得して次に繋げようと思っていましたが、走り始めたら意外と前との差が開きませんでした。雨が強くなると、周りのクルマが守りの状態に入って隙が見え始め、そこを突いたら2位までいけました。それでも差はかなりあったのですが、思わぬことで逆転できました。今日は雨と運に助けられましたね」
タイヤについて
「予選時にはイン・アウト含めて7周、さらに9周の決勝の間、大きく変動することはありませんでした。ブレーキング時にもしっかりグリップしてくれて、雨でも安心してコーナーの奥まで攻めることができました」

この結果、第4戦を終えてのポイントリーダーは64点まで増やした加藤達彦で変わらない。これに今回優勝した石谷豪志が58点で肉迫。
以下は吉田恭将が42点、三宅陽大が39点、関 豊が38点、恵木勇哉が34点で続いている。
シリーズは8戦中6戦の有効ポイントで争う予定のため、第3戦でノーポイントながら2位につけている石谷の方が、現状で4戦全部がカウントされている加藤に比べると伸び代を残している。
とはいえ、まだまだシリーズの行方は見通せない段階だろう。
次回のジャパンツアーシリーズ第5戦は9月28日の土曜日に、三重県の鈴鹿サーキットでスーパー耐久シリーズのサポートレースとして開催予定だ。また直近のパーティレースは北日本シリーズで、9月1日の日曜日に宮城県のスポーツランドSUGOで行われる。

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レース結果

コース:十勝スピードウェイ

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2024/08/11
  • 天候:Cloudy-Rain
  • 路面:Wet
  • 決勝出走:15
  • 完走:15
  • (5.091km x 9laps = 45.819km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 117 石谷 豪志 BS Bridgestone ダイバパワーラブカロードスター 9 24:52.086
2 127 関 豊 BS Bridgestone 334プロジェクトロードスター 9 24:55.296
3 186 勝木 崇文 BS Bridgestone RSイシイFEEDロードスター 9 24:55.332
4 35 加藤 達彦 BS Bridgestone CABANA RTロードスター 9 24:55.446
5 54 三宅 陽大 BS Bridgestone TC CORSE ロードスター 9 24:55.508
6 63 吉田 恭将 BS Bridgestone YOSHIZOMmロードスター 9 24:55.868
7 288 山根 正和 BS Bridgestone ガレージ山根ロードスター 9 24:56.104
8 108 米川 直宏 BS Bridgestone 村上モータース絆ロードスター 9 24:56.370
9 33 惠木 勇哉 BS Bridgestone プロフィエラビスタロードスター 9 24:56.464
10 28 普勝 崚 BS Bridgestone CP大泉三差製作所ロードスター 9 24:57.029
11 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 9 24:57.842
12 153 小野 耀平 BS Bridgestone アンダーレRCロードスター 9 24:59.081
13 112 本山 賢一郎 BS Bridgestone 九州美包ロードスター メッカ 9 25:01.305
14 128 三差 康弘 BS Bridgestone 334プロジェクトロードスター 9 25:26.634
15 274 高橋 伸也 BS Bridgestone NAマルテンサイトロードスター 9 25:35.329