井尻 薫の独走劇の後方で熱いバトルが勃発

  • 開催場所:筑波サーキット
  • 開催日:2024年05月05日(日) 〜 2024年05月05日(日)
2024年ロードスター・パーティレースⅢ 東日本シリーズRd.1 NCシリーズ

5月5日、筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズが開幕。今季限りでの終了が決まっているNCシリーズクラスにも12台のエントリーが集まった。このクラスでは2019年の初参戦以来、出場した全戦で優勝を果たしている86号車の井尻 薫が予選からライバルたちを圧倒。その一方で2位を争うバトルには見どころが多かった。

岡山の西日本、SUGOの北日本に続いて、茨城県の筑波サーキットで東日本シリーズが開幕。この大会は2018年から「筑波サーキット・カーフェスティバル(筑フェス)」と名称をリニューアルしているが、その32年前から「オールドナウ・カーフェスティバル」として、こどもの日恒例のイベントの中での開催だ。パーティレースにとっても22年前のこの日から、歴史を刻んできた記念日でもある。
今回のエントリーは過去最多となる合計88台。NCシリーズは12台だったが、13号車の横溝正明がデビューを飾った。また87号車の猪爪俊之は2017年の東日本NDシリーズ以来の復活で、その年のチャンピオンとなった辻かずんどと演じたサイドbyサイドのバトルは伝説の名勝負のひとつ。元全日本ジムカーナ王者でもあり、スーパー耐久で昨年のST-5クラスを制したチームの監督という経歴の持ち主だ。

●予選
公式予選は8時からの15分間で、気温20.8℃/湿度60%/路面温度29.5℃というコンディションで始まった。序盤をリードしたのは北日本シリーズを2016年から連覇し、ここ東日本も2018年に王座を獲得した7号車のサクマユキオ。アタック2周目に1分9秒580まで削り込んでトップに立つ。その後、先日の合同テストでトップだった163号車の石浜一樹が1分9秒930、その石浜と一緒に昨年の開幕戦でデビューした166号車の荒川智弘が1分9秒794を記録するが、サクマには届かない。
しかしながら2019年に参戦を開始してから、このシリーズでは断然のパフォーマンスを見せている井尻が7分過ぎに出したタイムが1分08秒852。ポールを確信してそのままピットに戻り、サクマとの最前列が確定した。井尻の後でアタックした195号車の中島優太は1分9秒666で3番グリッドを獲得し、荒川と2列目からのスタートに。さらに猪爪も予選後半にアタックを開始して5番手となる1分9秒858を記録。石浜を従えてグリッド3列目までのメンバーがこれで揃った。

●決勝
第1レース、NCシリーズの決勝は少し遅れて11時21分にスタート。11時の時点では気温27.2℃/湿度38%/路面温度47.0℃という、さらに厳しいコンディションとなった。
フロントローの井尻とサクマは順番通りも、オープニングラップで見せたのが5番グリッドだった猪爪。第1ヘアピンの進入でインを差して1台、最終コーナーでは逆にアウト側から並べかけることで先行車のラインを窮屈にするという凄技で一気に3位に浮上。
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その勢いのまま、2周目の第2ヘアピンでサクマのアウト側をまくろうとするが、左側2輪がグラベルに落ちてタコ踊り状態に。スピンは免れたが8位まで後退し、これで勝負権を失った。
先頭を行く井尻のリードは3周目には4秒近くとなり、早くも独走体制に。一方でサクマの背後には中島が接近。
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ここからは中島が完全にロックオンするが、チームメイト同士で手の内を知るだけに逆転にまでは至らない状況が続いた。さらに4位の荒川から7番グリッドだった139号車の新田孝太郎、石浜までの3台もダンゴ状態になり、猪爪も一度抜かれた104号車の内海由多加に次第に近づいて、4周目には抜き返して7位まで挽回した。
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そんな状況だった8周目の1コーナーで、11位だった43号車の小森晴夫のマシンがスポンジバリアに突っ込んで転覆状態となるアクシデントが発生。幸いにしてドライバーは無事だったが、レースは赤旗中断となった。協議の結果、NCシリーズの決勝は7周目終了の順位で成立。井尻の連勝記録はさらに更新され、サクマと中島も表彰台を獲得。以下、荒川と新田、石浜までが入賞だ。
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優勝した井尻選手コメント
「オイル漏れの影響で路面が荒れていたので、バトルは大変だったはず。ひとり旅の自分が圧倒的に有利になりましたね。今年もあと1戦だけの参戦予定なのが残念です」

レース結果

コース:筑波サーキット

[NCシリーズ]

決勝

  • 開催日:2024/05/05
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:12
  • 完走:12
  • (2.045km x 7laps = 14.315km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 86 井尻 薫 BS Bridgestone e-Jan ロードスター 7 8'23.570
2 7 サクマ ユキオ TCR012ロードスター 7 8'30.445
3 195 中島 優太 BS Bridgestone TCR ロードスター 7 8'30.843
4 166 荒川 智弘 BS Bridgestone つなぎてプロセスロードスター 7 8'31.358
5 139 新田 孝太郎 BS Bridgestone ガレージ123ロードスター 7 8'32.160
6 163 石浜 一樹 BS Bridgestone ELEVレーシングロードスター 7 8'32.160
7 87 猪爪 俊之 BS Bridgestone iCraftロードスター 7 8'32.668
8 104 内海 由多加 BS Bridgestone おりこう堂ロードスター 7 8'34.455
9 13 横溝 正明 BS Bridgestone カスターDOロードスター 7 8'35.223
10 48 藤澤 卓也 BS Bridgestone ロードスター 7 8'36.467
11 43 小森 晴夫 BS Bridgestone 金シャチロードスター 7 8'43.660
12 64 三谷 貴一郎 BS Bridgestone 松鵠会ROADSTER 7 8'44.333