石谷豪志との激闘を制した橋本 隼がポイントリーダーに浮上

  • 開催場所:十勝スピードウェイ
  • 開催日:2025年08月03日(日) 〜 2025年08月03日(日)
2025年ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーRd.5 NDシリーズ

8月3日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第5戦が北海道の十勝インターナショナルスピードウェイで開催。チャンピオンを争うシリーズクラスでは今季一番と言える熱いバトルが展開されたが、結果として157号車の橋本 隼がポールtoウイン。嬉しい初勝利を果たしたルーキーがポイントリーダーにも浮上した。

JAFツーリングカー選手権のタイトルもかかる「ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズ第5戦 in 十勝」だが、今年は北海道マツダ販売株式会社が大会に初めて協賛。併催イベントとして「MAZDAオール北海道ファンフェスタ2025」も開催され、スーパー耐久参戦マシンやロータリーレーシングカーのデモラン、サーキット(同乗)体験走行やオールマツダパレードランなども行われ、多くの来場者で賑わいを見せた。
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今回のエントリーはNDシリーズが14台、NDクラブマンが6台の合計20台。ここ十勝での開催は3年目で、昨年を上回る歴代最多の台数となった。このうち152号車の島 拓海がシリーズクラスに初出場。島は「パーティレースもロードスターも初めてなので、よろしくお願いします」と挨拶すると、先輩たちから温かい拍手で歓迎を受けた。
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●予選
公式予選は8時からの20分間。全長5100m近くに及ぶフルコース(グランプリコース)を使用することを考慮して、今年から5分長いアタックタイムが与えられた。1週間前は猛暑に襲われ、前日の練習走行は雨に祟られた十勝地方だったが、この日は爽やかな気候に恵まれた。手元の計測では気温23.5℃/湿度80%/路面温度29.2℃。
開始早々、橋本が2分38秒526でモニター最上段に躍り出ると、結局最後までこの位置を譲ることはなかった。
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続いたのが今回のシリーズ出場者では最上位のランキング2位につける117号車の石谷豪志で、タイムは2分38秒879。
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しばらくの間、2分38秒台はこのふたりのみという展開だった。なお橋本のタイムは、昨年の予選で吉田恭将が記録した2分38秒540を更新する新たなコースレコードとなった。
そして今回の予選は路面温度が低かったことも影響したのか、終盤にも順位の変動があった。まず35号車の佐々木光が5周目に2分38秒748を叩き出して、石谷を抜いて2番手に浮上。
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さらに105号車の三宅陽大が6周目に2分39秒550を記録して、グリッド2列目に滑り込むことに成功。
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予選5番手は147号車の石塚崇宣でタイムは2分39秒640。
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さらに16号車の上田純司が2分40秒123で6番グリッドを獲得した。
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●決勝
決勝はオンタイムの10時59分にスタートが切られた。手元の計測では気温27.5℃/湿度70%/路面温度44.6℃というコンディション。ポールポジションの橋本はダッシュ鋭く先頭で1コーナーに進入していくが、それに続いたのは3番グリッドだった石谷。予選2番手だった佐々木はひとつ順位を落として、オープニングラップを戻って来た。
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この1周目はさらに順位が動いて、予選4位の三宅と5位の石塚が逆転。さらに6番グリッドだった上田がふたつポジションを落としてしまい、予選7位だった128号車の普勝 崚と同じく8位だった初参加の島がその前に出た。
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その後も各所でバトルが勃発したが、接触のアクシデントが見られなかったのは賞賛に値するだろう。2周目には三宅が石塚を抜き返して4位の座を奪還。3周目には島が普勝をパスして入賞圏内の6位まで浮上した。この3周目からはトップ争いにも動きがあり、石谷が橋本の背後を完全にロックオンして一時は逆転。橋本も負けじとコントロールラインでは0.002秒だけ再び先行するも勢いは石谷の方にあり、4周目には先頭で戻って来た。
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さらに5周目には佐々木がバックストレート先のヘアピンで橋本を捉えるが、その次の周には橋本が再び2位の座へと戻った。
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終盤に入ってもドラマが連続した。中でも気の毒だったのが佐々木で、3速から4速へのシフトアップに不具合が発生。7周目に後続2台に先行を許してしまった。そして8周目の6番ポスト先の45Rで、先頭の石谷がオーバーラン。ここで橋本が労せずして先頭の座に返り咲いた。
整理すると、今年から参戦の橋本がパーティレースでは嬉しい初優勝。
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2位の石谷と3位の三宅がポディウムに登壇した。また4番目にゴールした石塚に走路外走行で10秒加算のペナルティが裁定されたため、繰り上がって4位の佐々木、5位の島、6位の上田までがシリーズクラスの入賞となった。
なおゴール後の暫定表彰式には両シリーズともに、北海道マツダ販売株式会社の横井 隆代表取締役社長がプレゼンターとして登壇した。
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優勝した橋本選手のコメント
「自分はSUGOと鈴鹿で2回も失敗していて、やっと優勝できて嬉しいです。でもライバルの皆さんも凄くて、特に石谷選手の強さは尊敬に値すると思います。次のオートポリスには山田選手も戻ってきますので、残りのジャパンツアーもチーム全員で頑張ります」
タイヤについて
「グリップが高いタイヤはミスしてもカバーされることがありますが、アドレナリンは甘くないです。初心者から上級者まで、運転が上手くなる先生みたいな存在だと思います」



十勝ラウンドの結果、ジャパンツアーシリーズのランキングでは80ポイントとなった橋本がリーダーに浮上。石谷が75ポイントで続き、今回欠場した山田 遼が72ポイントで3位に、三宅が70ポイントで4位となっている。ただし有効ポイントの関係もあり、すでに3勝している山田が有利な状況に変わりはない。


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次のジャパンツアーシリーズ第6戦は9月28日の日曜日に、大分県のオートポリスで開催予定だ。また直近のパーティレースは東日本シリーズの第3戦で、9月14日の日曜日に茨城県の筑波サーキットで行われる。

レース結果

コース:十勝スピードウェイ

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2025/08/03
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:14
  • 完走:14
  • (5.091km x 9laps = 45.819km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 157 橋本 隼 BS Bridgestone HC・ミッドランドロードスター 9 24'20.105
2 117 石谷 豪志 BS Bridgestone ダイバパワーラブカロードスター 9 24'20.481
3 105 三宅 陽大 BS Bridgestone SPK・TCR ロードスター 9 24'21.161
4 35 佐々木 光 BS Bridgestone CABANA RTロードスター 9 24'21.850
5 152 島 拓海 BS Bridgestone HC RACINGロードスター 9 24'27.194
6 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 9 24'27.635
7 128 普勝 崚 BS Bridgestone CP大泉pttロードスターRB 9 24'27.821
8 147 石塚 崇宣 BS Bridgestone CP大泉pttロードスターRB 9 24'31.381
9 112 本山 賢一郎 BS Bridgestone 九州美包ロードスター メッカ 9 24'35.918
10 138 西川 昇吾 BS Bridgestone ルブロスTCRロードスター 9 24'43.947
11 257 大槻 征久 BS Bridgestone S.S.Pロードスター 9 24'58.450
12 293 樋口 豊 BS Bridgestone 切羽詰るラブカFfロードスター 9 24'59.987
13 4 TOSHIYASU BS Bridgestone COVERS ロードスター 9 25'18.819
14 108 TAROU KAJITANI BS Bridgestone Mm58ドライブロードスター 9 25'30.078